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【障害児教育②】特別支援教育の種類~特別支援学校、学級、通級とは~


こんにちは、Samoakiです。

前回からスタートした学びのアウトプット「障害児教育」編の第2回となります。

特別支援学校、特別支援学級、通級、etc..

現在日本には障害のある子どもに対して、様々な教育の場がある中で、これらにどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、現在日本で行われている特別支援教育の種類についてアウトプットしていきます。

前回の記事をご覧になっていない方はこちらからどうぞ!

日本の現行の特別支援教育制度

現在、日本で実施されている特別支援教育制度は、2007年に施行された「学校教育法等の一部を改正する法律」によって整備されました。

従来の支援対象であった視覚・聴覚・知的障害、肢体不自由などに加え、LDやADHD、高機能自閉症などの、いわゆる発達障害のある子どもも新たに含まれました。

そしてそれらを障害種や障害の軽度によって、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導、通常の学級に分けられることになりました(図1参照)。

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図1  特別支援教育の対象
(出典:井澤・小島(2013)p.9)
 注:数値は2011年5月1日現在

ただし、本人や保護者の意向などにより、必ずしも図のように分けられているわけではないようです。

このあたりについては、学校や先生方と当事者側とのギャップも生じやすい難しいところでもあるような気がします。

(この辺りの事情について、ご経験をお持ちの方やご存知の方がいましたら、可能な範囲でコメントいただけると勉強になります)

特別支援学校とは

私が小さい頃は「養護学校」と呼ばれていましたが、現在は「特別支援学校」という名称になっています。

特別支援学校には、原則として小学部と中学部が設置されており、一部の学校では幼稚部や高等部を有しています。

対象は、重度の視覚・聴覚・知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱の子どもとなります。

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図2 特別支援学校障害種別学校数、学級数、在籍者数
(出典:文部科学省(2019)p.3)

また新制度により、一つの学校で複数の障害種が受け入れ可能になりました。

小・中学部には原則、寄宿舎の設置が義務となっています。

そして、特別支援学校は、地域の通常学校に対して、その専門的知識や技能を持って助言や援助を行うセンター的機能という役割があり、各都道府県に設置義務があります。

子どもの障害に応じて、「障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること」(「学校教育法」第72条)を目的として敎育活動が行われています。

特別支援学級とは

ここからは、幼稚園や通常の学校の中に設置されているものとなります。

特別支援学級の対象障害種は、特別支援学校と比較すると、言語障害自閉症・情緒障害も含まれます。

子どもは主に校内の専用の教室で学校生活を送り、「障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育」(「学校教育法」第81条)が行われています。

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図3  特別支援学級障害種別の学級数と児童数
(出典:文部科学省(2019)p.3)

通級による指導とは

通級による指導は、通常の学級に在籍する子どもたちの中で、特別の指導を行う必要がある子どもに対して行うものです。

特別支援学級とは異なり、普段は通常の学級で過ごし、定期的に教室から取り出すなどし、特別な指導を行います。

また、対象となる障害種も特別支援学級の対象に加え、LDADHDも含まれます。ただ、特別支援学級に比べると、やや軽度な障害の場合が多いようです。

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図4  各校種における通級指導の障害種別児童生徒数
(出典:文部科学省(2019)p.4)

通級による指導の形態としては、自分の学校で行う「自校通級」のほか、別の学校に通う「他校通級」、自分の学校に専門の教員が指導しに来る「巡回指導」も行われています。

これについては、各学校の規模や立地、対象生徒数、専門性のある教員の在籍数によって学校ごとに決定されています。

通常学級における指導

学校関係者の方は記憶されている方が多いかと思いますが、2012年の文部科学省の調査により、

全国の小中学校の通常学級に在籍する全児童の6.5%に発達障害がある

という報告がなされました。

このような児童生徒に対しては、主に担任の先生が中心となり、教育的支援が行われています。

これがきっかけになったかは分かりませんが、実際にLDやADHD、高機能自閉症、アスペルガー障害などの診断がこれまで以上に行われ、近年これらの障害がある人数は急激に増加傾向にあります。

今日のまとめ

● 障害のある子どもに対して、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導、通常学級による指導が行われている

● どこで支援を受けるかは、障害種や障害の程度、そして当事者の意向によって決定される

<参考・引用文献>
・井澤信三,小島道生 障害児心理入門[第2版],ミネルヴァ書房,2013年
・文部科学省 特別支援教育資料(平成30年度),2019年
(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1406456_00001.htm,最終アクセス2020年4月19日)

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