【障害児教育①】「障害」をどのように捉えるか
こんにちは、Samoakiです。
今日は、私が独学で勉強しているものの一つ、「障害児教育」についてのアウトプットしていきます。
教科書として使用しているのが、
「障害児心理入門[第2版](井澤信三/小島道生著,ミネルヴァ書房,2013年)」です。
非常に丁寧に説明されているため、私のように障害がある子どもへの支援について1から知りたいという人におすすめです。
他にも初心者にオススメの書籍や文献がありましたらコメント欄で教えて頂ければ幸いです。
国際生活機能分類(ICF)とは
皆さんはこれまでに障害のある人に出会ったことがありますか?その人にはどのような障害がありましたか?
障害がある人に限らず、あらゆる人の健康上の問題を理解するために、WHO(世界保健機構)は国際生活機能分類(ICF)というものを2001年に発表しました。
【国際生活機能分類(ICF)】
人間の健康状態は、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの生活機能によって判断できる。
それぞれの次元で困難や制限がかかることで、それぞれ「機能障害」「活動制限」「参加制約」といった障害として捉えることができる。また、障害が起こる原因として、「環境因子」と「個人因子」がある。(図1参照)
図1 国際生活機能分類(出典:井澤・小島,2013,p.4)
「心身機能」は、手足の動きや視覚・聴覚、精神の働きなど、
「身体構造」は、手足や臓器の一部など、
「活動」は、生活上の目的を持って行う動作・行為のこと
「参加」は、家庭や社会に関わり、役割を果たすこと、
をそれぞれ示します。
障害の要因としての「環境」
ICFにおいて、「環境因子」を障害の背景因子として含めたことは、大きなインパクトを与えました。
なぜなら、それまでの「障害」の考え方には、基本的に「個人因子」のみで考えられていたからです。
つまり、個人が何らかの機能や形態に障害があるから、その人の活動や参加に不利益が生じる、と。
しかし、「環境因子」の登場により、障害がある人を取り巻く環境、いわゆる障害がない人たち、彼らが作る施設や道具にも責任が生じることになりました。
これがバリアフリーやユニバーサルデザインへと繋がっていくことになります。
障害がある人からでもない人からでもなく、中立的な視点から生活機能を捉えることこそ、ICFが目指す理想のようです。
「障害の現象だけを切り離してマイナスと見るのでなく,まず通常の人間の生活機能をプラスとして見ようとしています。マイナスとしてだけ見ていると,どうしてもマイナスを減らすことだけに着目しがちです。しかし,それとともにプラスも見るようにすることで,教育的なアプローチの重要性や本人だけでなく,本人を取り巻く環境を変えるアプローチの重要性も浮かび上がってきます。」(井澤・小島,2013,p.5)
今日のまとめ
● 障害は、心身機能・身体構造だけでなく、それに付随する活動や参加とともに、相互作用的に捉える
● 障害の要因は、障害そのものや障害がある個人だけでなく環境も含まれる
● その環境が障害の大きな要因になる以上、誰もが障害がある人の環境の一部になりうる
【引用・参考文献】
・井澤信三,小島道生 障害児心理入門[第2版],ミネルヴァ書房,2013年
・世界保健機構 国際生活機能分類ー国際障害分類改訂版ー,2002年(https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42407/9241545429-jpn.pdf?sequence=313&isAllowed=y,2020年4月8日最終アクセス)
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