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持続可能な趣味

ただ今、絶賛編みかけ撲滅キャンペーン実施中です。
編み物好きには必ずと言っていいほど 編みかけて放置しているプロジェクトがあると言っても過言じゃない、ニッターあるあるです。

私の場合、その最たる原因は、根気がないから。
要するに飽きてしまったという訳です。
編みはじめは、楽しくて寝る間も惜しんで編んじゃったりして、
あー、なんで1日は24時間しかないのだろうか、なんて思うのに。

外出自粛の日々の中で見つけだした放置してあった編みかけのものたち。
「とじはぎ」を残してパーツだけのセーター。
右手だけのミトン。
持ち手のついてないバッグ。

それらを少しづつ仕上げて、達成感を得ては自己満足に浸っていました。

編みかけのアランセーターを除いて。

残すは片袖のあと少し。
だけど、なぜか、どうしてもやる気が起きないのです。
このセーターを仕上げても、そのコーディネートが思いつかないのです。
ただ、使用していたその糸はとても気に入っていました。
羊の毛色そのままの素朴な生成色。

デザインが今の気分にフィットしないという事に加えて、
2年前に編んだ私の編み地が今よりゆるくて、
もはやお手上げです。

やっぱり、ここは思い切って編み直そうと決めました。

編み物の醍醐味は、編みなおすことです。
ちょっと編んで、間違っては編みなおし、
目が揃ってないと思えばやっぱり編みなおし。
試行錯誤しながら進んでいくのです。

躊躇なく、編んできた行程と逆に糸をスルスルとほどいていくと、
ラーメンの山ができました。


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再利用するために
このあと、「湯のし」という作業をして、
ラーメンのようにくるくるとなった糸をまっすぐに伸ばします。
「毛糸の湯のし」というのは、蒸気を当てて縮れた糸を伸ばすのですが、
その昔は毛糸専用の湯のし器があったようです。
今は廃番となっていて
たまにオークションサイトでみかけるにとどまっています。
やはり、今では編み物する人が少なくなって需要がなくなったせいでしょうか。

私はというと、母から教わったお鍋のお湯につけるという乱暴な方法か、
スチーマーをあてて伸ばすやり方のどちらかで「湯のし」をしています。
それは、晴れた日のお楽しみにすることにしましょうか。

それにしても、編み物というものはサスティナブルな趣味だと思います。
編みかけだけではなく、着なくなったセーターやベストなどを何回もほどいて再利用できるのです。
世の中のみんなが、楽しくて、環境にも優しいこの「編み物」をもっと楽しめるようになったらいいな、と思うのです。

なんとなく、編み物は女性が楽しむイメージがありますが、
男性にも楽しんでもらえると思います。
わたしの祖父は編み物をしていたそうです。
高校時代の担任の社会の先生(男性)も自作のセーターを着ていて、とても素敵でした。
そういえば、最近知って、そのデザインに衝撃を受けたニッターさんも男性でした。

令和の時代には、「手編みのセーターはダサい」という先入観を覆すデザイナーさんがたくさんいます。
オサレな手芸本もたくさん出てます。
もちろん、自分でオリジナルを編むことだって出来ます。
どうですか?
作ってみたくなりませんか?

私もこのほどいた糸で何を編もうかな、と妄想が止まりません。
気がつけば今日という日が終わろうとしています。
あー、やっぱり1日24時間じゃ足りないな。

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