I wanna be a good person
2021年になっても、世の中は落ち着かない。
私の住むアメリカの大統領の就任式まであと数日。
breaking newsの連続で疲れる毎日だ。
そんな喧騒から逃れたくて、映画を見る。
世界中どこにいようと私のすることは変わりない。
要は、暇なのと、現実逃避しているだけなのだ。
2021年の1本目は「What's eating Guilbert Grape」(邦題:ギルバートグレイプ)だ。
1993年のアメリカ映画。ジョニーデップ主演で、若き日のディカプリオがアカデミー助演男優賞にノミネートされた映画で、本当にディカプリオの演技が凄い!全く演技には見えない。
そしてまた、この映画では3人の女性が印象的だった。
ひとりは、ヒロインのベッキー。とてものびのびしていて、物怖じしないそして透明感があって、でも暖かい。何より偏見のない彼女はギルバートとその母の気持ちを大きく動かす。
ふたりめは、そのギルバートの母。
過食症で、家から出られないけれど、彼女の存在が家と子供達を結びつけている。それが子供には安らぎなんだけど、重荷にもなっている。
だけど愛に溢れていて、重荷になっていることを悟った母がしたことは涙なしでは見ることができなかった。
そして、最後はギルバートの情事の相手のカーヴァー夫人。
去り際が最高にかっこよくて。
アメリカの古き良き時代、自然がいっぱいの風景、夕焼けの景色。
様々な人間模様だけではなくて、風を感じるような気持ちで映像を見ていた。
ベッキーから「what do you want?」と問われて、
家族のことばかり答えてしまうギルバート。
そして、自分自身のことを尋ねられた時の言葉が今日のタイトル。
「I wanna be a good man」
・・・。
胸を刺す一言だ。
多くの人が窮屈な思いに押しつぶされそうな毎日を送っていると思うけれど、
そんな時にこそオススメな名作だ。
魅力的な登場人物の愛に触れてみて欲しい。
いろんな形の愛、思いやり、そして生きかた。
ギルバートのようにもん出て行きたかったら、出て行けばいいし、
世界は広い。
外に行けないから、そのことを忘れていたけれど私たちは自由に移動できるのだ。
いつだって。
そう考えると心が少し晴れる。
その日のために今は自分ができることをやるだけ。
私もできれば良い人間になりたいから。
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