「目指している人って、近くにいるんじゃないですか?」
「目指している人って、案外近くにいるんじゃないですか?」
先日、久しぶりに会った後輩にそう言われ、ハッとした。
後輩とは、かれこれ半年ぐらい一緒にご飯に行こうねと言い続けつつ、お互い忙しかったり疎遠になったりでなかなか会えていない人だった。
だからお互いの現状だったり今やりたいことだったりを話し合っていたのだが、その中で自分が今何になりたいのか、という話になっていた。
「私、自分が目指したいところが全然よくわからないんだよね。
例えば『しっかりしていて頼られる人になりたい』って気持ちがある反面、『ちょっと抜けてて親しみやすい人でもありたい』とも思うの。でもそれって相反することというか、どちらかに偏っている自分を感じた時に『私ってまだまだだな』と思うことがすごくあって。」
そう吐露したときに、後輩が言ってくれたのが冒頭の言葉だった。
「さむさんの理想を兼ね備えている人って、案外近くにいるんじゃないですか?」
その言葉にハッとしたのは、確かにそういう人が身近にいたからだった。
私はその人に憧れて、そうなりたいと思って、自分の理想に置き換えていたのかもしれない。
「でもさ、その人が自分と全然違うタイプのことだってあるじゃん?私はこうはなれないな、と思うっていうか…。あなたみたいに、こうなりたいって先輩がすごく近いキャラだったらいいんだけどさ…」
その後輩にはものすごく慕っている先輩がいて、イベント開催のお手伝いなんかもしたりしていた。
後輩もその慕っている先輩も、人懐っこく、愛嬌でいろんな人を巻き込んでいくタイプの人間だった。だからすごく似ているなと思っていたし、いい先輩を見つけたなと感心していた。
だから
「別に俺も、自分があの先輩に似ているなんて思ったことないですけどね。」
と返された時には驚いてしまった。全然自己分析がなってないじゃないか。(後輩は就活時期がまだ先だから、なってなくて全然いいんだけどね。)
その反面、なんだか心が軽くなったような気がした。
「案外、自分が見えている自分の属性ってアテにならないのかもね。」
と話していた。
その話から数日、改めて自分がなりたい自分を考えてみた。
そうするとやっぱり、その後輩から冒頭の言葉をかけてもらった時、真っ先に浮かんだ人たちにたどり着く。
私はずっと「あの人とはタイプが違うから」と蓋をしていた理想だったのかもしれない、と気づく。
今度はいろんな人に、自分がどういうタイプに見えているのか、誰に似ているのか聞いていきたいと思った夜。