拝啓、日丸屋秀和先生。
こんにちは。突然ですがすみません。
いきなりお前何様なん?みたいな言い方になりますが……正直云って、貴方の創作は大誤算だったんですよ、先生。
10年以上も前のあの時、大勢の韓国のユーザーから、ああだこうだ言われて、叩かれて、否定されて、殺されそうになって、当時馬鹿な学生だった私はやっと気が付いたんですよ。貴方が描いていたものは、かのサ◯スパークと同じくらい、とんでもないものだったって。
でも、好きなんですよ。貴方の生み出したキャラクターは、どれも魅力的だ。それは素直に認めるし、純粋にそう思うんですよ。
色んな国の人を出すという程度のものだったら、まだ良かった。まだ許された筈だった。でもキャラクターそのものを「国家を擬人化したもの」、と定め、歴史的背景を容赦なく取り扱った貴方の浅はかさが、大誤算だったんですよ。
勿論、貴方の作品を好きになってしまった私も、正直愚かだった。善悪の区別もつかない頃に貴方の作品を知ってしまったことが、私の大誤算だった。
でもやっぱり好きなんですよ、今も。曲がりなりにも好きなんですよ。歴史認識に疎い不謹慎な一部の輩に囲まれながらも、貴方のキャラクターを愛している。だけど貴方の作品そのものを今更丸ごと好きになるのは、最早難しい。この世のどうしようもなさと、ナショナリズムの馬鹿馬鹿しさを、あの時存分に知ってしまったから。
悲しいかな、愛ゆえに。苦しいかな、愛ゆえに。
つまり、貴方のことは……半分好きで、そして半分嫌いです。
そういうことです、先生。