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汎仏教的価値の価値(宮崎哲弥)

宮崎哲弥(相愛大学客員教授)

 仏教で幸せとは何かと言えば、苦しみからの解放である。ブッダが発見した真理である四聖諦は、まず苦しみを知るところから始まる。この苦しみは、原義に沿えば、不満足、満たされないことである。その苦の原因として、ブッダが看破したのが渇望であり、執着である。これこそが生命の生命たる所以、有情の宿痾として理解すべきものだ。この渇望、渇愛ゆえに生命は苦しみ続ける。逆に言うならば、この渇愛から解放されたとき、苦からの解放があり、それを幸福と呼ぶことができる。

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