2月16日熊本市現代美術館に行ってきました!
13時に起床し14時に出発。
昨日、姉の友達が熊本市現代美術館で「坂口恭平日記」が開催されていることを教えてくれた。姉と行ってみたいと話していたので早速、足を運んで見ることにした。
高速を使って約1時間半ほど。久留米インターから熊本インターまで高速に乗った。教習での乗車以来、自分の車では初めて高速に乗った。肌が痛いほどの光が差し込み快晴だった。高速での運転は気持ちよく安全に熊本市街に到着。
立体駐車場に停め、商店街を抜けて熊本市現代美術館へ。
熊本市現代美術館は大きめのビルの3階にあった。天井が高く、落ち着いた雰囲気。受付の右奥には本棚と読書スペースがある。受付から右手の方には展示に繋がっている。
坂口恭平は本を出版したり、パステル画を描いたり、多岐に活動している方。ご存命である。主にA4の半分ほどの大きさのパステル画が多く展示されている。パステル画の端が手で切られた跡があったので自分で大きさを整えているのかなと思った。田舎の風景画が多く、海、空、川などの自然が多く描かれていた。パステル画を描いてる歴はそこまで長くないらしく、始めの展示の絵は初心者感があった。でも描いてるうちにパステル画らしいタッチが増え、自然の表現にリアルさが帯びてきた。彼の絵越しに熊本の自然を堪能しているような気分になり絵を見進めて行くのが楽しくなった。正直、自然を描いているものが多かったので特にこの作品がいいなというのはなかったが展示空間が癒しの効果を持っているような感覚になった。
この展示を教えてくれた姉の友達が「彼が描く空は九州の空だなと思った」と言っていたのでそれを確かめて見ようと思った。九州の空だとは確信できなかったが、私がいつも見ている空が彼の絵の中にあったと思う。彼が描く空の奥にはコバルトブルーのような不透明な青が入っていて九州の空の鬱陶しいくらいの青だなと感じた。きっとパステルの描き方がそうさせるのだと考える。やはり彼の描く自然の絵には親近感と安心感がある。熊本の風景と福岡の風景が似てるからだろう。
展示室に入った途端、優しいBGMが聞こえて来た。そしてサックスの音、それに加え歌声も聞こえてきた。音の方に近づくとここで誰かが歌っているらしい。歌い終わると途切れ途切れの小さい拍手が聞こえた。そこを覗くと坂口恭平本人らしき人がいた。1人だけマスクをしていなかったのでおそらく本人であろう。金髪の男性だった。
本人を見た時、私の中になんだか嫌気が刺した。数分前まで素敵な絵を見ていて癒されていたのに彼を目にした瞬間疲れを感じてしまった。ご本人には申し訳ないが本人を見てしまって萎えてしまった。
私は姉の友達から彼の名前を聞かされるまで、彼のことを認識していなかったし、展示を見るまでに彼の基本情報も知らなかった。彼のファンだったり、彼の本を1冊でも読んでいたりすれば彼を一目見れて嬉しかっただろう。なぜ彼を見て疲れを感じてしまったのか。姉と後々話したのだが、私は作者の人物像や絵画などを自分らしく、自分の頭の中で咀嚼したいらしい。私はその展示で得た経験を自分の中で自分だけの物にしたい。しかし、そこに作者本人が出てきてしまうと私の解釈の正解が現れてしまったような感覚になる。私の解釈が正しいのか間違っているのかを考えてしまうのだ。私は絵画を見て、自分だけの二次創作をしたい、それが鑑賞だと思っている。
今日のご本人のことは忘れよう。顔はもう覚えてないし、声も見た目も覚えてないよ!!大丈夫!!!そう、言い聞かせよう。
展示を見終わった後、本棚と読書スペースに彼の本がずらっと置いてあった。姉を待つ間に少し読んでみた。
彼は自分のことを「器用なだけでひとつの事に集中できない。ひとつのことをずっと続けて極めている人に憧れる」と語っていた。これに関してはとても共感した。私もいくつか試しにやってみたことがあるがどれも最後まで続かず、中途半端で終わってしまう。そして、姉のようなひとつのことに時間をかけて向き合える人が羨ましく、憧れに思う。
彼は躁鬱らしく、ハイになって活動することもあるらしい。彼が今までしてきたことは青天井に行動力があるなと思った。また、彼は「責任のある行動、言動はしたくない」とも語っていた。責任を感じたくないし、負いたくも無いので会社や団体には所属しないらしい。そして自分がほかの方を巻き込んで活動する時も基本的には無償で行っている。私も責任を負いたくないという意見には同感だ。私は叶うならバイトでも人生でも責任を負いたくない。でも、昔から今の行動は未来の私への責任があると考えてしまうのでこの意見を私が実現出来るのだろうかとふと思った。
最後に熊本市現代美術館はとても素敵な内装をしていると思う。芸術系の本が沢山あるし、広めの読書スペースがあるのでここに通いつめたら楽しいだろう。落ち着くことが出来る美術館だったのでまた、別の展示がある際は訪れたい。楽しい時間だった。
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