鮓、鮨、寿司

「すし」
それは最高の日本食である。

辞書にはこうある。

食酢で味つけした飯 (めし) に魚貝などを添えた料理、あるいは塩押しした魚を漬け込んで自然発酵させたものをいう。前者は握 (にぎ) りずし、ちらしずし、巻 (まき) ずしの類で、後者は「なれずし」(馴鮓)の類である。古くは魚貝を塩蔵して自然発酵させ、酸味の生じたものであったが、のち発酵を早めるために少量の飯を加えるようになった。これらは魚だけを食べる副食物であったが、しだいに飯もともに食べる補食的な料理に変わっていった。「すし」は、「酸 (す) し」が語源といわれ、漢字の鮓 (さ) ・鮨 (き) をあてているが、鮓は「漬け魚」すなわち塩・麹 (こうじ) や糟 (かす) で漬け込んで醸 (かも) した魚、鮨は魚醤 (うおびしお) (塩辛の類)の意味をもつ語である。「寿司」は江戸時代の中ごろになって好字をあてたものである。

日本大百科全書(ニッポニカ)

日本人は好んで「すし」を食べる。
おそらく、「すし」が嫌いだという日本人は皆無に等しいのではないだろうか。
何となれば、令和のいまの時代、魚の切り身を酢飯の上にのせたものだけを「すし」とは言わなくなってきているからである。
例えば、小さなハンバーグを酢飯の上にのせた「すし」が存在する。
もう一つ例をあげれば、「軍艦」においてはコーンをのせたものがある(筆者はこれが大好物である)。

素晴らしいと思わないかね。
「すし」はここまで変化しているのだ。
こうなってしまっては、魚が嫌いな人でも「すし」は嫌いだとは言えまい。

全国のすし店店舗数は22,557軒で、人口10万人あたり17.77軒。

https://todo-ran.com/t/kiji/13428

このデータから明らかなように、日本人の「すし」好きには大変、驚かされると思われる。
しかし、私は全く驚かない。
ある日の友人との会話を紹介しよう。

私:これから新しくできたお肉料理の店に行かない?
友:いいよー、あそこめちゃめちゃ美味そうだったもんね。
私:でしょ。あー早く肉食いてぇ。
(30分後、店の前に着く)
私:うーん…
友:どうしたの?
私:なんか、すし食いたくなっちゃって。
友:分かる。すしくいたい。
私:じゃ、すしにするか!
友:うん!

ついさっきまで肉屋に行こうとしていたというのに、そして店の前まで来たというのに。
我々は「すし」を選んだのだ。
どんなに美味そうな肉のメニューが外の看板に映し出されていようとも。
それを一瞥。
瞬間、「すしくいたい」

「すし」は最高の日本食である。

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