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【1分半で読める】FACTFULNESS ハンス・ロスリング

わたしは何十年も講義やクイズを行い、人々が目の前にある事実を間違って解釈するさまを見聞きしてきた。その経験から言えるのは、「ドラマチックすぎる世界の見方」を変えるのはとても難しいということ。そして、その原因は脳の機能にあるということだ。

イントロダクションより

今回は、ハンス・ロスリング氏の著書、「FACTFULNESS 10の思いこみを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」について要約と感想を書いていきます。
(主観を含んだ要約になっていることをご了承ください。)


【1分半で読める】要約

「FACTFULNESS:とんでもない勘違いを抑えるための事実に基づく考え方」を実行するためには、人間に備わった、
”10個の本能からくる思い込みや勘違い”の存在を理解し、
適切に対処することが必要である。

1.分断本能:世界は分断されているという思い込み
➡ 大半の人がどこに属するか探そう(≒データを多角的に見よう)

2.ネガティブ本能:世界はどんどん悪くなっているという思い込み
➡ 悪い事象の方が広まりやすく、記憶しやすいことに気づこう

3.直線本能:世界の人口はひたすら増えるという思い込み
➡ 直線グラフの方が珍しいことを知ろう

4.恐怖本能:危険でないことを恐ろしいとする勘違い
➡ 危険のリスクを正しく計算しよう

5.過大視本能:目の前で起きる事象(数字)が正しいという思い込み
➡ 正しい計算(主に割り算)によって比較をしよう

6.パターン化本能:ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込み
➡ 分類を疑おう(例:別分類同士の共通項を探そう)

7.宿命本能:すべては予め決まっているという思い込み
➡ ゆっくりとした変化も、積み重なると大きな変化となることを知ろう

8.単純化本能:世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み
➡ 多様な切り口から物事を眺めよう

9.犯人捜し本能
➡ 誰かを責めても問題が解決しないことを知ろう

10.焦り本能
➡ 小さな一歩からはじめれば良いことを知ろう

FACTFULNESSを実行すれば、世界に希望を持てるようになるだろう。


この本から得た考え

身の回りの事象を感じることは(できるだけ)やめ、
データを基に考えて飲み込むようにすべきである。


感想

データを基に「考える」ということ

悩むこととと考えることは違う。
( 中略 )
「悩む」
=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること

「考える」
=「答えが出る」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること

イシューからはじめよ : 知的生産の「シンプルな本質」/  安宅和人 より

この言葉は、自分が仕事や研究をする中で非常に大切にしている言葉である。そして、本書「FACTFULNESS」にも似たような言葉が掲載されている。

ネガティブ本能が刺激される理由はもう一つある。そもそも、「世界はどんどん悪くなっている」という人は、どんな考え方をしているのだろう。
わたしが思うに、そういう人たちはあまり深く考えておらず、
なんとなく感じているだけだ。

第2章 ネガティブ本能 より

人間は、進化の過程で様々な(10個の本能を含む)「チカラ」を手に入れ、
そのおかげで繁栄してきた。
その「チカラ」とは「考えること」の延長線上にあるものではなく、
「感じること」の延長線上にあるものなのだろう。
なぜなら、常に考えてしまうと、
人間の脳の負荷が限界を超えてしまうからだ。
(判断スピードが間に合わないから、とも言えるかもしれませんね)

たとえば、日々の人間関係において、
「この人とは戦略的に仲良くしておこう」などと、
常に「考えて」いるわけではないだろう。
逆に、「なんとなくこの人とは仲良くしたいな」とか
「なんとなく仲良くしないほうがいいな」と「感じて」
人間関係を構築することが多いのではないでしょうか。

だからこそ、大事な判断をするときには、
FACTFULNESSを意識して「データを基に考える」ことが必要なのだと
再認識した。


おまけ Gapminderの使い方

こちらから、本書内で紹介されているGapminderツールを利用できる。
これを見れば、日本が平均的に見て(平均に隠された事実も見逃せないが)裕福であることがわかるだろう。


今週の一曲

About Damn Time / Lizzo

2023年のグラミー賞にてレコード賞を獲得した一曲。
どこか古いR&Bであり、それでいて現代らしさを持つ不思議な曲。
2022年はLizzoを入り口として洋楽を数多く聞いたので、レコード賞の獲得はとても嬉しい気持ちになった。

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