煙草の話
忘れられない男の話(番外編)みたいなもんです。本当に人生のサビすぎるな。
昔から、煙草のスモーキーな香りがずっと好きでした。それが、こんなに1つの銘柄に執着すると思っていませんでした。
今日は彼が吸っていた煙草の話です。
もはや彼の概念と言っても過言ではない気がする。ヘビースモーカーすぎて匂いが染み付いちゃってたし。
彼とどこかへ遊びに行くと、帰ってきて1人になっても彼の煙草の香りが私にも移っていて。自分から香る彼の残り香にすら愛しさを感じていました。
「KENTの5ミリの青い方。」
この煙草の、思い出の話です。
これは、結局想い届かなくてけんとくんのセフレ(?)になっちまった時の事です。
私のファーストキスも、私の処女も、その時彼が全部持っていきました。
だから私の貞操観念なんてあってないようなもんです。だって初手から付き合えてないんだもん。
当時、地元を離れていた私は久々に実家に帰ってきていて、彼と会うのも本当に久々。
その日は珍しく前日から連絡がありました。
酒を持っていくから一緒に飲めと。お前のこと抱きに行くから。って。
9割くらいは、大方嘘だろうなって思ってた。
まぁたこの人は、私のこと揶揄って。って。
ぜーんぜん信じてなかった。
まあでも、そんなわけないって思いながらちゃんと準備はしたけどね。ちゃんと。しっかり。
これが惚れた方が負けって言われる所以だよね。
しばらく2人でお酒を飲んでいたら本当にそんな雰囲気になってしまって。
え、嘘だぁ〜!って何回も言った。笑
全然初めてだし、そもそも恋愛対象内に入れて貰えてなかったし、普通に微塵も興味が無いって既に振られてるし。超純粋だった私、大混乱。
気が済んだ彼は、裸のままの私を布団ごと抱っこして、そのまま窓際に移動して。
慣れた手つきで煙草に火をつけるのを1番近い所で眺めていました。普段そんな気遣いなんてしない癖に、「寒くない?」とか聞いてくれたりして。
「吸ってみ?」
吸いさしの煙草、口の前に寄せられて。
言われるがままに吸ってみたら、さっきのキスと同じ味だし、彼の匂いするし。笑っちゃった。
そしたら彼も「じょーずじゃん。」って笑うんだ。
この瞬間の彼も、ずっと忘れられない。
今までずっと、鍵つけて記憶の奥の方に大事に大事にしまってあった話です。
文章に起こしたら、なんとなく消化できるかなぁって思ってたけどまだまだ全然無理っぽいな。