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BURGER NUDS 全作品レビュー

5月22日に、BURGER NUDSの全楽曲がついにサブスクで解禁された。純粋に滅茶苦茶嬉しい。今回は、BURGER NUDSの全作品を軽くレビューしていきます。
ちなみに今回サブスクで解禁されたのは、2014年リリースのリマスター版(5枚の作品を3枚にまとめたもの)ですが、筆者はオリジナル版しか持ってないので、今回はオリジナル版を紹介します。

 


LOW NAME(1stミニアルバム 2001年7月リリース)

2001年7月にリリースされたBURGER NUDSの記念すべき初作品。他の作品と比べてポップな曲が多く、筆者はこのアルバムが1番好きである。
そしてこのアルバムの1曲目「ミナソコ」がBURGER NUDSで1番好きだ。真夏の2人きりのプールを彷彿とさせるが、爽やかすぎず絶妙な切なさが残る不思議な曲だ。また、3曲目の「UNKNOWN」もミナソコの前日譚のような、センチメンタルすぎるサウンドと歌詞が突き刺さる。
このアルバムの中では最も毒々しさがある「BRAVE GIRL IN HELL」や退廃的な世界観の「カナリア」も、もれなく名曲。ラストの「ミナソコ(acorstic versron)」もこれはこれで良いアレンジだ。


線(2ndミニアルバム 2001年10月リリース)

前作から僅か3ヶ月後にリリースされた2ndミニアルバムながら、前作とはまた違った雰囲気の楽曲が多く、早くも音楽性を確立しようとしているのが分かる
1曲目の「ANALYZE」から、世界観に惹き込まれるめちゃくちゃカッコいいナンバー。深夜の高速道路を疾走するような雰囲気で、メンバーが「この曲でやっとバンドになれた」と感じたのも納得だ。2曲目の「MARCH」は終始ドライなサウンドや歌詞ながらも、罪のないサラッとした不思議な感じが漂っている。3曲目「逆光」はBURGER NUDS屈指のギターポップナンバーで、恐らく初心者でも聴きやすいと思われる。他にも4曲目「独り言」や、5曲目「冷たい手」は次作「自己暗示の日」に通ずるところがあると思う。


自己暗示の日(シングル 2002年3月リリース)

BURGER NUDSのキャリアで唯一のシングル。シングルながらどの曲もBURGER NUDSの歴史を語る上で外せない曲で、3曲ながらなかなかのボリュームとなっている。
1曲目「AM4:00」はスローテンポのダークなサウンドで始まり、真夏の部屋でデッサンをしている描写だと思いきや、サビで突然アップテンポになりダークなサウンドはそのまま疾走していく。ラスサビでの大爆発するようなサウンドはいつ聴いても気持ちいい。2曲目「自己暗示の日」でも前曲を引き摺るような疾走するサウンドと、歌詞のなんともいえないダウナーさが突き刺さる。3曲目「タネリ」はアコースティックギターがベースとなっている曲で、歌詞では俗にいう「陰キャ」のことを歌っているような少々悲しさが付き纏うナンバーとなっている。

kageokuri(3rdミニアルバム 2002年8月リリース )

ファンから最も愛されていて、BURGER NUDSで1番暗いのは間違いなくこのアルバム。他のアルバムよりもダークな世界観を持った楽曲が多く、どの曲も研ぎ澄まされている印象。
それを最も象徴してるのが4曲目「鋼鉄の朝」。9分近くに及んだ哀愁が漂い続けるこの曲は、

救いはない
怯えもないただ また朝

鋼鉄の朝/BURGER NUDS

この通り、何分経っても救いを見つけることはないが、これこそ門田匡陽イズムだなと感じる。他にも、2曲目「歪み」の全編通して気怠い感じとラストの「歪んだ」をリピートするのも今作ならではだと思う。他にも「エコー」「火の凛」「サンビカ」といったダウナーなナンバー目白押しだが、これらはサウンドがやや明るめで聴きやすい。最後にギターのリバーブが響く静かな「プリズム」でアルバムが締め括られるのも良い。

symphony(1stフルアルバム 2003年8月リリース)


前作から1年、ついにリリースされた1stフルアルバム。間違いなくBURGER NUDSの音楽性を完全に確立したのはこのアルバムで、下北系ロックの歴史に残る名盤。
このアルバムのすごいところは、前半には「空気清浄機」や「不感症」などのダークな曲が固まっていて、後半には「boys in blue」や「Candle for minority」といった優しくポップな曲が収録されているこの構成。ここまで綺麗に二分化されたアルバムもなかなかないと個人的に思っている。また、筆者はこのアルバムを聴いて「BURGER NUDSって捨て曲ないな」と感じた。そう感じるぐらいアルバムの構成が素晴らしいのだ。「神様ごっこ」というゆったりとしたセンチメンタルなナンバーの後に、軽やかなインスト曲「エイプリル」で締めくくるのがすごく良い。この1年後に解散したというのが本当に悔やまれる。

BEST(ベストアルバム 2004年7月リリース)

2004年6月、新宿LIQUID ROOMでラストライブを行い惜しくも解散したBURGER NUDS。今作は解散後にリリースされたベスト盤。
これまでに紹介したアルバムから多数の楽曲が収録されただけでなく、TELESCOPE LABELのコンピレーションアルバムに収録されていた「COLD BURN」と、ライブのみで演奏されていた「ハウリングムーン」も収録。両者ともに非の打ち所がない素晴らしい楽曲で、特に「ハウリングムーン」は、このままお蔵入りされなくて本当に良かったと思うほど素晴らしい。「自己暗示の日」が収録されていない点には苦言を呈したいが、とてもハイクオリティのベストアルバムだ。https://youtu.be/7FyzfzL50u0?si=ZqKtcW_YK4gTddWk

Act2或いはAct3(2ndフルアルバム 2017年6月リリース)

2014年、BURGER NUDSの作品が3枚になって再販(今回サブスクで解禁されたのはこの2014年版)。そして同年6月、10年の時を経てBURGER NUDSが再結成。そしてその3年後の2017年、14年ぶりのアルバムとなる今作がリリースされた。
はっきりと言わせていただくと、過去のアルバムと比べて「BURGER NUDSっぽさ」はやや薄れてしまい、門田匡陽氏が活動しているpost-type.Mとかの方が近い気がしてしまう。しかし、「Methods Of Dance」などの曲には過去のBURGER NUDSの面影を感じるし、「Lesson」や「言葉と心」における門田匡陽にしか出せない「優しさ」は、BURGER NUDSだろうとそうでなかろうと素晴らしい。

さいごに

すごくざっくりで稚拙なレビューではあるが、BURGER NUDSがいかに素晴らしいか分かっていただければ非常に嬉しい。
そして、ぜひこのタイミングで久々にライブとかしてくれBURGER NUDS。俺はいつまでも待ってるよ。




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