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【F1 2020新車レビュー】メルセデス新型マシンW11を徹底考察

現行のパワーユニット時代を制したメルセデス、ラストイヤーも優勝で完全制覇なるか。

■チームデータ
 運営企業 :MERCEDES-BENZ GRAND PRIX LIMITED
 チーム名 :メルセデスAMG・ペトロナス・F1チーム
 シャシー :メルセデス
 エンジン :メルセデス

■背景
現行のパワーユニットになった2014シーズンから6年連続でチャンピオンマシンに輝いているメルセデス。現行パワーユニット最終シーズンの20シーズン、ハミルトンと共にミハエル・シューマッハが持つ7回のチャンピオン記録に挑む。

■新車(W11)

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■ファーストインプレッション
メルセデス伝統のシルバー。そしてタイトルスポンサーであるペトロナスのカラーであるグリーンだったメルセデス。今年から約28億円でスポンサーに加わったイギリスの化学メーカーで、自転車レースなどにも積極的にスポンサード、技術提供している「INEOS(イネオス)」カラーの赤が加わった新しいカラー ↓INEOSの自転車チーム

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方向性としては、チャンピオンマシンとして当然リスクを冒すのではなく正常進化させている。大きくは「サイドポット周辺」「サイドからリア」を更に進化させている。

1、ノーズ周辺
細型ノーズをそのまま踏襲。ノーズ内部の空気を排出するSダクト周辺のウィングも変わらず。ウィングもほぼ昨年最終形を踏襲。昨年までのNo1マシンなので当然と言えば当然か。
微修正としてはノーズ脇の整流フィンをより細く、長くしている。
ピンポイントで整流できるだけノーズの理解が進んでいるということ。


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2、トレンドを取り入れたサイドポッド前方
ポッド自体の下側を絞り込む事で前面投影面積を小さくしてストレートスピードを挙げようとしている。これはMercedes、FERRARI、HONDA(ルノーも入れておく?)各パワーユニットの差が無くなってきたことを表している可能性が高い。
そして、このあたりの整流に関しては、横方向のフィンでポッドに入れる分と下流に流す分を明確に分けながら、縦のウォールでしっかり後方に空気を引き付けるトレンドを採用

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3、超スパルタンなウェスト
レッドブル以外が採用しているように、上面を潰して空気を下側に送り込む形状を更に過激化。そしてそこから後方にかけてのウェスト部分は更に過激に絞り混んできている。
 排気用の管が通っている部分以外を極限まで絞り込んでいることでボトム下の空間もより深くなっていて速い気流を流すことを可能にすると同時に、上面も極限まで絞り込んだ形。
 形容するならば、ダイエットした人が前から見てあばらの形が構造が分かる見たいな。
とにかく余計な空間を削ったスパルタンな印象。

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黄色の部分が昨年と比較しても贅肉がなくなってほぼ縦方向の壁になった部分。
 これを実現できたのは、カウル内部のパワーユニットのパッケージング(レイアウト)を変更している証。現行パワーユニット最終形態ということでパワーを追及するよりも空力性能を追求した結果生み出したフォルムと言っていいと思う。

このあたり、マシンのコンセプトに合わせてパワーユニットのレイアウトとセットで開発することができるワークスの力。
これを見せられると、マクラーレンがいかに妥協せざるおえないかがわかる。

■総括
マシン全体的には、チャンピオンマシンとしてNO1マシンをそのまま正しい方向に進化させている。
ただしメルセデスの凄いところは、奢ることなく。
昨年のレッドブル×ホンダ、フェラーリをしっかり理解して、今年の進化の幅をとらえていること。そして、今年のマシンの進化に対抗するために、王者がアプローチを変えたということ。
自社の強みを理解しながらも、競合の能力を正しく理解して、どのポジションで勝負をしたら良いかを考える。
これはマーケティングにも通じる考え方。

6連続チャンピオンは、少しの油断も無く7年連続チャンピオン獲得を目指して、マシンを作ってきた。まさに現行規定の最終到達地点ともいえるマシンだと言える。


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