隠し玉あり、復権に向け進化│レッドブルRB16B-F1 2021新車レビュー
20年シーズン。開幕前テストで実質最速タイムを叩き出して、復権に向け最高のマシンを作り上げたように見えながら、開幕が遅れている間のメルセデスの進化、そしてシーズンを通してリア周りの不安定を解消できずマシンを進化させられなかったRB16。
=関連NOTE=
20シーズン開幕前テスト最終日テストの様子
21年型マシンは昨年のマシンの継続を意味する「RB16B」と名付けたにもかかわらず。そこはやはりトップチームであるレッドブルレーシング。
課題としていたリア周りに開発トークンを使い、本質的に修整を図ってきた。昨年から課題だったリア周りの不具合の原因をしっかりと解明し、時間をかけて開発を進めてきたことが公開されたレンダリグ画像からも感じます。
グダグダ言うのは後にして、さっそく見てみよう!
■新車(RB16B)
■ファーストインプレッション
公開されたレンダリング画像ではとにかく、RB16の課題でもあり、今年からレギュレーション変更によって削減されたリア周りを集中的に開発。
構造が変更されていることに加え、各所細かく空力パーツをアップデートすることで、テクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェが
「RB16のポテンシャルはメルセデスを凌駕する水準にあった」
と語るRB16本来のポテンシャルを引き出すとともに今年のレギュレーションに対応して王者復権をしっかりと見据えているように思います。
■まだまだ隠されている本来の姿
今回公開されたレンダリング画像は2つのアングルからだけで、肝心なリア周りは全く公開されていませんし、シェイクダウンテストで公開された写真は・・・。
シルエットだったり
今年Verのカラーに塗り替えたRB15だったり・・・。
という感じで、レンダリング画像以外の画像を公開していない。
まず間違いなく、開幕前のテストまで何かしら大きなアップデートを隠しているはず。
今年のレッドブルいつもに増して本気です。
■フロント回りは空力をアップデート
フロントのアップデートは大きく二つ。
ひとつは今年のトレンドでもある、ブレーキのエアダクトの形状変更。
レッドブルもやはり下側をスリムにし、車体下部に流れる空気量の増大を狙っています。
フロントノーズは、昨年型から形状が微妙にアップデートされています。
ノーズ脇の空気量の増大を狙って、ウィングステーをノーズの下に配置したメルセデスタイプは装着されていません。
昨年の開幕戦、最終戦では使っていたので、グランプリによってはこちらも使う可能性はありますね。※昨年使っているので今年は変更が可能。
そしてもう一点は、ノーズ脇の整流フィンの形状と取付位置の変更
RB16Bでは整流フィンの取り付け位置が、後退し、高い位置に移動されています。やはりより多くの空気をマシンの下側により多くの空気を送り込もうという意図の表れでしょう。
■サイドは狙いを持った形状変更とパーツの追加
バージボードは基本昨年型と同様。上部のスリットの方向を変更し、更に横側にフロア方向に積極的に空気を導くフラップを一枚追加しています。
横から見ると、スリットの枚数と角度を変更しているので、より指向性を持たせた空気をサイドからフロアに導いている。
バージボードとサイトボードの接続にはAT02でも見られる、横方向の整流フィンでこちらも空気の思考性を横方向に高めている。
とにかく、この部分は学習が進み、より正しい方向に進化したことが伺えますね。
■ トークンを使い構造を変更したリア周り
ドライブシャフトやリアのサスペンションを再設計することで、課題だったリアを再設計している。
内部の構造変化で実現したのが、下の写真の部分。
張り出していた部分を上に移動させることで、フロア上部に大きな空間を作り出すことに成功。
そして、サスペンション部分。
サスペンションのマウント位置を極力後方かつ上部に移動している。
これによってサスペンションの機能が向上するのかどうかは分からないけど、少なくともフロア上部に流れる空気の邪魔をするものを避けようという意図を感じる。
この当たりの修正は、エアロパーツだけでどうにかなるわけではないので、やはり強くなるために、速くなるためには、何をすべきなのか。
勝利を目指して、やるべきことを見極めて、リソースを全集中する。
やみくもにリソースを投入しない。これ、本当にビジネスも同じですよね。
■総括
現行のマシンレギュレーション最終年度だった昨年。
優勝を目指して、開幕前に最速マシンを用意できたにも関わらず、テストデータと実走データのずれからシーズン中に進化が出来なかったRed Bull。
データ問題も解決したみたいですし、レギュレーション変更が1年伸びたこの機会をしっかりと活用して、チャンピオンを取りに来てますね。
■総力を結集
冒頭にも触れた通り、2アングルのレンダリング画像しか出回っていないと言うことから、相当に隠しておきたい事実があるはず。
それに加えて、今年で最後の参戦となるHONDAが来年以降の投入を予定していた新コンセプトのパワーユニットを投入することが決定。
燃焼方式を新しいコンセプトにする他、MGU-Hの回生能力を向上。レース中の回生エネルギー切れを少なくすることが可能に成るようです。
MGU-H(エム・ジー・ユー・エイチ)とは、エンジンの排気ガスを電気エネルギーへと変換してエンジン出力を上乗せするハイブリッドシステム
もちろんリスクは承知の上で勝負に出てます。
更に、マックスのパートナーには
ベテランで実力のあるセルジオ・ペレスを向かえ
これまで実質2台対1台の争いになってしまったことで大きく開けられていた戦術面の溝も埋める。
車体、パワーユニット、ドライバー、そしてチーム。総力を上げて打倒メルセデスに向かいますね。
アンダードッグ精神の塊、Red Bullからは今年も目が離せません。
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