見出し画像

優しさの本郷、継承する一文字

2023/04/04

シン・仮面ライダーを観に行きました。


観るまでの話

仮面ライダー50周年記念作品として、庵野秀明監督「シン・仮面ライダー」が公開されることが発表され早2年。
この時を待っていました。
この頃、シン・エヴァが公開されたばかりくらいで、シン・ウルトラマンの公開も決まっている頃でした。
いつか作ってくれたらいいな~くらいに思っていたらマジで作ってくれました。
とにかく公開されるまでが楽しみでしょうがなかったです。
シン・仮面ライダーが公開されるまでの間にシン・ウルトラマンが公開されていたのは気持ち的に大変助かりましたし、シン・ウルトラマンを観た後、毎回「次はシン・仮面ライダーか…」と期待しかしてなかったです。
他の映画を観に行ったときも、予告の中にシン・仮面ライダーの予告が流れたときは胸を押さえました。
そう、私は東映の三角マークと荒波が出るだけで喜ぶ人間です。

そもそも私は仮面ライダーをどれくらい見ていたのかと言うと、平成ライダーを主に観ており、ブレイド(2004)~カブト(2005)あたりはふんわり覚えてるくらいですが、電王(2006)~ジオウ(2018)はほぼガッツリ観てました。
特に、W(2009)、ドライブ(2014)、エグゼイド(2016)には大変お世話になりました。
昭和ライダーはというと、元々父がほぼ初代のリアタイ世代であり、私がニチアサを観るようになってきた頃からTSUTAYAで昭和ライダーのDVDを借りてきてくれ、一緒に観ていました。
また、村枝賢一先生の「仮面ライダーspirits」シリーズを父が読んでおり、小学校高学年辺りから父から借りていました。
私は特に一文字隼人の改造手術跡がくっきり残っている顔が好きで、誕生日プレゼントで買ってもらった、ちゃおのスララで好きなシーンの一文字を描いてました。

ついに観るぞ!

公開されてすぐは、仕事で中々行けず、追加キャストの発表がされた頃にやっと仕事が落ち着いてきたので観に行きました。
観る前の前情報としては、キャスト情報、これまでに公開されてきた予告程度で挑みました。

あと、シン・仮面ライダーのぬいぐるみも注文していて観に行く前に届いたので、連れて行きました。


観たぞ!

アクションシーン、バイクシーンは初見で観てもかっこいいものでした。
ライダースーツ、マスク、カメラワークもすでに予告の時点で分かってはいたものの、やはりかっこいいです。
あと、テレビ版の戦闘曲が流れたのはかなり熱かったです。

個人的に一番好きなのはハチオーグ戦です。
好きすぎて多分ずっと口角が上がってます。
ハチオーグと背広の男が息を合わせて刀で向かってくるし、それに対して格闘で立ち向かう本郷…2人の刀を受けて抑えるところが最高に好きでたまらないです。
本当にかっこいいです。
あと、ショッカーライダー戦も大好きです。
まず、わくわく感が止まらないのと、1号と2号の共闘に色々感慨深いものがあります。
スタッフロールで流れた曲が今回の話の流れのようになっていたので、いい選曲だ…となりました。

先ほどの感想は初見の感想というより、何回も観た頭での感想です。
初見の時はとにかく話を追いかけるので結構精一杯で、なんであのシーンの一部でアニメーションが入るのか、オチが綺麗すぎでは…と理解できなかった部分がたくさんありました。
とにかく、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンに比べると?が多かったです。
シン・ウルトラマンの終わり方は綺麗でしたが、シン・ゴジラの終わり方は結構嫌な感じで終わった印象があり、正直その終わり方を期待していた部分はあります。

この初見で感じた違和感や理解できなかった部分は自分の勉強不足だと思い、ネタバレありの解説・考察動画、庵野セレクションより数話、ドキュメント「シン・仮面ライダー」を視聴し、仮面ライダーを作った男たち、仮面に魅せられた男たち、石ノ森章太郎版仮面ライダー全3巻を読み、2周目へと挑みました。


2周目以降で分かったこと

とにかく、原作リスペクトであることが染みるほどわかりました。
漫画版を読んでいなかったため、今回の話の細かい設定や内容、オチ等を理解できなかったと思います。
また、最初のクモオーグ戦のカメラワークはTV版の蜘蛛男の回にしっかり忠実でした。
カメラの上をショッカーの戦闘員が次々に飛び越えていく構図を観て、ここ進研ゼミでやったところだ!状態になりました。

ドキュメント番組でアクションシーンがかなり難航している印象があり、2周目観に行ったときは制作スタッフ、役者によりアクションシーンの苦労さ、辛さ、かっこよさがひしひしと感じました。

庵野監督の「シンシリーズ」でよく聞くこと話では「シンには「新」、「真」、「神」といったようにいろんな意味が込められている」と聞きますが、今回のシン・仮面ライダーを観てその通りだなと実感することができたと同時に、本作のアクションシーンにはまってしまい、こうしてずるずると4回も観に行くこととなりました。
まだ5回同じ映画を映画館で観たことがないので、次いでにそれも塗り替えようと思います。














勉強の成果⚠️諸々ネタバレあり⚠️

脚本内容がほぼ漫画版に忠実でした。
オチも、ショッカーライダーの時も、一文字は最初敵側だった時も…
一文字が最初敵側なのは今回漫画版の原作を初めて読んで知りました。
TV版の有名な話では、本郷役の藤岡弘、が仮面ライダーのバイク撮影の際に大怪我をしてしまい、本郷はショッカーのヨーロッパ支部を壊滅させるために旅立ち、本郷の代わりに戦うため、日本にやって来たジャーナリストの一文字こと仮面ライダー2号とFBIの滝和也が誕生した話がありますが、漫画版にも一文字が出てくるとは思っていなかったのでびっくりしました。
漫画版の一文字は普段はおちゃらけた感じがあり、仮面ライダーspiritsの一文字と、本作の一文字はここの一文字から来てるんだなと思いました。
TV版の一文字は割としっかりもののイメージがあったので本来の一文字が観れていいね~👍と思いました。

庵野セレクションと漫画版を読んで思ったのですが、本郷はかなり孤独な人であることです。
今、改めてTV版を観たときに、「この人ってこんなに孤独で悲しい人だったっけ…」となりました。
今のところ、特に悲しすぎると思ったシーンは、「人喰いサラセニアン」の回で、男の子のお姉さんがショッカーに捕まってしまい、仮面ライダーがサラセニアンを倒し、本郷がお姉さんを男の子のもとに連れて帰ってくる話なんですが、本郷と1号がそれぞれ男の子の頭をなでるシーンがあり、本郷が頭をなでた際に「仮面ライダーとおんなじだ!!」と喜ぶんですよ。
でも、本郷はすかさず、「お兄ちゃんはね、仮面ライダーみたいに強いやつじゃないんだよ」と言います。
ここが非常に悲しい。
改造人間のため、力は強いが、改造人間であることの悲しさと孤独をまだ受け入れらないため、心が弱く、仮面ライダーみたいじゃないってことか…?ていうのが私の解釈です。
この頃はルリ子さんにも自分が改造人間だとも言えず、悲しみと孤独を一人で背負っていくことから始まりますが、立花のおやっさん、滝さん、そして一文字という分かり合える仲間ができて、一緒に戦うことができていきます。
そして、自分の後輩の風見志郎へと受け継がれていく…わけです。
この本郷の孤独さを知り、ほぼ初代リアタイ視聴者だった父にTV版の感想を伝えたところ、「そうなんだよ……………お父さんはそこをあんた達に伝えたかったんだよ……………」と嬉しそうでした。
父的には私たちが見ていた平成ライダーには昭和のような孤独さを感じられず、落ちてたベルトを拾って変身するイメージを持っていたことと、私と妹がライダー俳優を見てキャッキャッしていた様子を横目で見て「違う………………そうじゃない………!仮面ライダーはそうじゃない…………」と思っていたようです。
平成ライダーの視聴者としては、平成は平成で各々事情があるんですけどもね…と思います。

本作の本郷も改造人間となり、暴力的な力を抑えられないことに苦悩していますが、ルリ子さんはすでに知っている状態から始まるので、その辺は救われているのかなと思いました。
ルリ子さんもまた他人を信用しておらず、本郷に厳しめですが、外の世界を知り、本郷との信頼関係が築かれていくところが今回かなり良かったです。
クールなルリ子さんが本郷といるたびに、どんどんかわいくなっている気がしますが、これも世界を知れたからなのかもしれないですね。
あと、心がポカポカしてる綾波感もあった気がします。

本郷もルリ子さんもプラーナを残した状態で姿を消してしまい、一文字は一人になってしまいます。
ルリ子さんが消えてしまった時、一文字は「群れるのは嫌いだ」「バイクは孤独を楽しめる、そこが好きだ」と言いますが、最後本郷が消えたときに「また一人かよ」と言うんです。
もしかしたら、一文字は別に「孤独」「一人」が好きなわけではないのでは…と思いました。
本郷はそれを知ってて、プラーナをマスクに残してもらうようにあの二人にお願いしたのかもしれないですね。
原作でも、本郷は死んでしまい、本郷の脳が新しく一文字が被るマスクにつながるようになっていますが、本当にこのシン・仮面ライダーの本郷は優しすぎる人です。
私は、二人とも死ぬとは思っていなかったので、もっと三人で野宿したり、戦ってほしかったな…という思いもあります。
でも、ルリ子さんも本郷もプラーナは残っているし、一文字も「二人でショッカーに立ち向かうぞ」と最後言ってくれたので、その言葉をしかと受け止めて、ショッカー殲滅に向かって行ってほしいです。
庵野監督も「続きが作れるような終わり方にしている」と言っていたので、いつか続編が観れたらいいな…と願っております。


いいなと思ったら応援しよう!