【ワーホリ日記】ゆるふわ牧場生活!のはずが、待ち受けていたのは出会い厨おじさんだった
こんにちは!東大を休学し、ニュージーランドでワーホリ中のさめです。
私は昨年8月からウーフで各地を転々とする生活をしています。
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そんな暮らしにも慣れてきた頃、私はオークランド近郊の農場に暮らすホストのもとでウーフをすることになります。
NZらしくゆるふわ牧場生活だ~とテンションが上がったのも束の間、そのホストはとんでもない曲者だったのです……。
1. おじさんに拾われるまで
私はそのころニュージーランド最大都市・オークランドに滞在していました。
元々5日ほどだけの予定だったのが、車が車検(WOF)に通らず廃車に。そのごたごたのせいで滞在は3週間にまで延び、ホストがオーストラリアに旅行予定だったのもあり「さすがにそろそろ出てってくれ~」というニュアンスの遠回しの圧を掛けられていました。
そんなわけで新しい滞在先を探さなければならなくなったのですが、当時私はオークランド空港発の旅行予定があり下手にオークランド近郊から離れられない状態。そもそも車に乗せていた荷物が多すぎて遠方に移動するのも大変です。また、車がなくなってしまったので、公共交通機関が発達していて車を売りに出している人が多そうなオークランド域内でないと次の車を買うまでの生活がままならないのは明らかでした。
しかし、直前になって始めたため滞在先探しは難航。
そんな中私は男性ホストから一通のDMをFacebookで受け取ります。
迎えに来てくれる!しかも(郊外だけど)オークランド域内!
これは激熱だと感じた私はすぐに詳細を尋ねます。
ウーフの手伝いの平均値が4-5時間/日なのに対して2時間/日、更に子供たちが一緒にいるのは50%という謎発言には引っかかったものの、家族がいる男性なら悪いことはないだろうと感じました。ビデオ通話をしたところ、家が若干荒れていたのは引っかかったもののまあ子供がいるなら仕方ないよなあと思い、またおじさんも良い人柄に思えたことから滞在することを決定。
おじさんは数十キロ先から迎えに来てくれて、それまでのホストファミリーに盛大に見送られ私は旅立ちました。
2. おじさんの家はガチ汚部屋だった上、仕事はなかった
おじさんの家に着いて真っ先に目に入ったのは、荒れ果てた玄関でした。
次に目に入ったのは、洗い物が一切処理されておらず、物がたくさん投げ捨てられているリビングとキッチン。
私が泊まるはずの部屋さえ、おじさんが慌てて清掃するレベルで荒れ果てていました。
おじさんの家はガチ汚部屋(というか汚家)だったのです。
お子さんもいらっしゃいますし、私自身部屋の掃除は得意ではないので許容範囲はかなり広い方なのですが、それでも目をつむりたくなるような汚さでした。
用意されていたリネン類や布団は毛玉だらけでとても使える状態ではありません。幸いにもクライストチャーチに住んでいた時に使っていた布団等がまだ残っていたのでそれを使うことにしました。
私の仕事は犬とニワトリへのエサやりだけで、実質ないようなものでした。
しかも犬のうち1匹が私にどうしても襲い掛かってきてしまい、怪我の懸念があったため、その仕事さえ形骸化していました。
ウーフの醍醐味の一つは仕事を通じて新しいことを知ったり体を動かしたりすることにあるはずなのに、それさえできない環境に絶望しました。(しかも田舎なので仕事がないとやることがない)
3. おじさんの子供が消えた
おじさんの家に来て2日目。子供たちが帰ってきませんでした。
ここで鍵になってくるのが「子供たちは50%自分と一緒にいる」という謎発言。
この「50%」を私は「1日の50%」と解釈していましたが、実は「1週間おきに自分と子どもたちの母親の家に交互に滞在している」という意味だったのです。
日本の場合、離婚後は単独親権となり、どちらかの親が子供を引き取るのが一般的なためこのような話はあまり聞きません。(離婚後の共同親権を認める法律改正案が成立したため今後は変わってくるとは思いますが。)
しかし、ニュージーランドの場合は日本と異なり離婚後も双方の親が親権を有する共同親権が一般的。
そのため、ニュージーランドでは元夫婦/パートナー同士の間の子供たちが双方の親の家に1週間おきに滞在したり、週末だけもう片方の家に行ったりというのはよく見られる形態だそうです。
共同親権推進派の皆様からすれば離縁後も協力して子育てを行っているのはいい話だなあと思われるかもしれませんが、そんなの知ったこっちゃない私にとっては大問題。家の中にほぼ見ず知らずのおじさんと二人だけで取り残されてしまったのです。
4. おじさんは無職の出会い厨だった
とはいえ、家に貼ってあった書類から推測するにおじさんは50歳ほど。まだまだ現役世代で、しかも新しくてハイテクそうな家に住んで、良い車に乗っているのですからお金は必要。さすがに働いているはずだし、危ない目には遭わないだろう……。
そんな私の予想は一瞬で崩れていきました。
「僕、今働いてないよ」
おじさんは無職だったのです。(家は借り物らしいです。マジでどこからお金調達してるの??)
そのため、おじさんは基本一日中リビングや自分の部屋に籠って映画を見たりスマホをいじったりしているだけ。
しかも、見えてしまったスマホの画面はBumble(NZ等でよく使われているマッチングアプリ)で多数の女性とやり取りしているところだったのです。
そこで私はFacebookでおじさんについて少し探りを入れてみるところに。
すると、おじさんはFacebook上に存在するあらゆる非公式のCouchSurfing(無料で宿泊場所を交流する文化交流のサービス。公式であればレビューが残るが、おじさんは公式の方では見つからなかった)グループやウーフグループ(こちらもおじさんは公式サービスには登録していなさそう)に参加。オークランド周辺に滞在したそうな女性にばかり声をかけて回っているようだったのです。
私は一つの結論に至りました。
おじさんが求めているのは文化交流や家のお手伝いではない。
女性との出会いであると。
5. おじさんはいい人だった
かくして、私はおじさんと2人きりで手を出されやしないか冷や冷やする生活を送らざるを得なくなりました。
その頃、先述の通り私は車が手元からなくなってしまった状態でした。
おじさんの家から最寄りのバス停(あまりバス来ないけど)までは歩いて1時間。最寄り駅はもっと奥。そんなわけで、ろくに家を脱出することもできません。
しかし、おじさんは親切にも私が出かけたいときはいつでも最寄り駅まで送迎してくれました。
今後ウーフ生活を続けていくために車を探していたのですが、おじさんはそのお手伝いもしてくれました。
元々日本人の方から購入するつもりで、親切にもこちらまで来てくださった方から購入するつもりだったのですが「元々提示していたよりも高い値段を提示してくれないと確約できない」と言われ、しかも奇妙な傷がありそれはどうなのよ……という気持ちに。おじさんは結構車に詳しい人で、一緒に車を見てくれたのですが、「悪い車ではないと思うけど、それ以上は出さない方がいいよね~」ということで私のために全く同じ車種の車を見つけてくれたのです。
その車は若干目立つへこみがある&元々検討していた車よりは高いものの、整備記録がすべて残っており、前述の車より約7~8万kmも走行距離が低いということで購入決定。おじさんのおかげでとても良い買い物ができました。
また、子どもたちがいないときは先に引用したおじさんのメッセージ通り料理は用意されないことになっていたのですが、おじさんはあるものなら好きに使っていいよ~と言ってくれたため、困ることはありませんでした。(とはいえおじさんはあまり料理をしない人のようで、野菜はほとんどなく、肉だらけだったので毎日ステーキみたいな有様に……。)
さらに、私は先述の通り旅行予定がありました。
バスと電車を乗り継いで空港まで行くことを検討していましたが、おじさんは行き帰りともに親切にも送ってくださったのです。
片道数十キロもある上、行きは朝5時ごろ家出発、帰りに至っては深夜1時空港着という有様だったのですが、快く送ってくださったおじさんを目に、出会い厨に見えただけで普通にいい人なのかも……?と思い始めました。
6. おじさんはやっぱり出会い厨だった
旅行中ひたすら歩き続け、豪雨に打たれ続けた私は戻ってきてからすっかり風邪を引いてしまいました。2日間ひたすら部屋で寝続ける生活を送りました。
そんな中おじさんの友達だというタイ人の女性が来ていて、タイ式の火鍋をご馳走してくださりました。(めちゃくちゃおいしかったけど、多分病人が食べるものではないと思う)
時間は夜。
タイ人のお友達さんは帰ることなく、おじさんの部屋に姿を消していきます。50歳ほどのおじさんに対し、タイ人のお友達さんはむしろお姉さん、と呼ぶのが適切そうな感じの方。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーって感じですね。
別に不倫ではないし当人同士の同意があるのだからとやかく言うことではないのですが、とはいえウーフという名目で滞在させてる見ず知らずの女の子がいて、常にウーフやカウチサーフィンのFacebookグループ(レビューが残る公式サイトではなく!)で女の子ばかりハントしていて、ずっとBumbleで何人ともやり取りしていて、どーなんよという気分にもなってしまいます。
出会い厨はいい人に見えたとしても出会い厨です。たまたま手を出されずに済んだだけで、文化交流などの意義がある行為を隠れ蓑に新たな獲物をハントし続けているだけです。
これ以降、どんなにいい人に見えても他に常住(←大事)している成人(←大事)女性の存在が確実に確認できない限り私は男性ホストのもとには絶対滞在しないようにしています。
もし被害を受けたら悪いのは自分ではなく出会い厨ホストなのですが、自己責任論が蔓延るこの世の中、この時代なので……。