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【ワーホリ日記】「ワーホリ日本人の職不足」に思うこと

こんにちは。ニュージーランド、クライストチャーチでワーホリ中のさめです。
最近表題のようなニュースがよく日本で流れているらしいと聞きます。

実際ワーホリ中の身からすればこの話はそりゃそうだろって感じです。
また、主にオーストラリアでの職不足が言われているようですがニュージーランド同様オーストラリアも今は冬なので仕事がないのは不思議は無いです。

今回はこのテーマについて思うことをつらつら書いていきます。

ワーホリで働くって言うほど甘くないよ

そもそもワーホリに行く日本人が増えているのはコロナ禍が明け(?)、海外旅行がまた自由にできるようになり、更に「ワーホリで出稼ぎ!」のイメージが浸透している今自然なことではあるのでしょう。

しかし、メディアやエージェントが謳うようにワーホリってそんなに簡単に稼げるほど甘い世界なのでしょうか? メディアは置いといて、エージェントが良い話ばかり切り抜くのは当たり前です。だって、そうやって顧客を獲得しないと自分たちの利益にならないから。

私もその1人です。「ニュージーランドのワーホリビザ取得は簡単(←これはガチ)」「オーストラリアと違ってニュージーランドなら仕事が得やすい」という言葉に乗せられ、正直ニュージーランドという国に興味があったかも怪しいレベルなのに、なんとなくニュージーランドに来てしまいました。

でも世界は実際そんな甘くない。冬という時期の問題もありますが、「経験無し!やる気はあります!やらせてください!」という異国から来たペーペー大学生と「経験豊富!しごでき!やらせてください!」という現地の人だったらどう考えても後者を雇いますよね? そういうことです。

“ポテンシャル採用の日本、経験値採用の海外”

こちらに来てからよく耳にするようになった言葉です。実際日本の採用は変わりつつある側面もあるので一概には言えないと思うのですが、海外(少なくともニュージーランド)は日本に比べて圧倒的に経験重視の社会であるのは事実です。

「〜なら誰でも出来るから採用してくれるだろう」そんな意識で海外で職探しをしても痛い目に遭うだけ。

経験値のなさを誤魔化すためにCV(履歴書)で嘘をつく人だってザラにいます。(そんなことしたってどうせトライアル(雇用契約前の試し勤務)でバレて採用してもらえないと思ったので、私はやりませんでしたが。)

人手不足の日本と違い、ニュージーランドでは1つのポジションに数十人、下手したらもっと多くの応募が来ることもザラだといいます。
経験がある人を雇いたい、となるのは当然のことです。

「冬だから採用無いのは仕方ない」

これ耳にタコができるほど聞きました。冬は観光客が少なくなる上(わかる)、寒いからホリデーに行っちゃう人が多くて人が少ない(真偽不明)などの要因で、というか要因は謎ですが、ニュージーランドだと冬に仕事がないのは事実です!!!!!

フルーツピッキングなどの仕事も冬だとオフシーズンでほとんどないなって印象です。

つまりすぐ仕事を見つけて本当に稼ぎたいなら季節を選べってことです。
そんなのもっと早く知りたかったよ〜でも大学の履修計画の都合でこの時期しか休学できなかったんだよ〜悲しい。

英語を話せる人、ましてやローカルの人だって職探し困ってる

ワーホリの職不足、と言われてはいますが英語を話せる人やローカルの人だって職探しに困難を覚えています。

私の知り合いの中には、NZにワーホリで来て約8ヶ月、英語ペラペラでコミュ力もあるのに全く働けていない人や大学入学前ギャップイヤーを取りたいけどその間の職が見つからず困っているローカルの高校生がいます。

ローカルの人から「この時期に仕事見つけられてラッキーだったね!」って言われた回数数えておけばよかった。あと最近はホームレスも増えてきている気がします……。

いくら経験がなくてもローカルの人には「英語でのコミュニケーションに困らない」という我々ワーホリ勢からすれば圧倒的なアドバンテージがあるわけで、そのローカルの人ですら大変なんですからましてや英語のできないワーホリ勢は、、、という感じです。

ワーホリはあくまで“短期滞在”

1年有効なワーホリビザ。つい長いと思いがちですが、数年間有効なワークビザ、ましてや永住権や市民権を持つ人と比べたら圧倒的な短さです。どうせ居なくなるってわかってる人よりも長く働ける人を採用したいのは当たり前です。

ただ逆に言えば、短期滞在であるからこそ雇ってもらいやすい場面があるのも事実です。季節労働とか、出入りが激しい&あまり人件費を割けない飲食店とか。(ワークビザだと一定以上の給与を出さないといけない、ということもあるようで、そこまでサポートできないことが多い職種は安く雇えるワーホリの人を採用しがちです。)

少しだけ自分語りをしてしまうと、私が今働いているレストランは一気に4人辞めてしまって(!?)普段飲食店経験者やコネからの採用しかしてないところどちらもない私を雇ってくれました。出入りが激しいにも程がある。

英語が喋れないけどワーホリに行くということ

仮に日本にいたとして、「I can't speak Japanese at all. But I want to learn, I can do it!」って言う人が来たとして雇いたいと思いますか?

答えは言うまでも無いでしょう。
でも、英語力がなくワーホリに行くというのはそれと同じです。

現地での職探しは現地出身の人との戦いです。いちいちGoogle翻訳なんて使ってられるわけが無いんですから英語が喋れるのは特殊スキルではなく前提です。

オーストラリアの状況は私には分かりませんが、少なくともニュージーランドに関しては日常会話には困らない&職を選ばないのであればどうにか仕事は見つけられる印象です。

私自身経験ゼロの飲食店での仕事をどうにか手に入れられましたし、周りで日常会話程度なら困らない人達はそうやって仕事を何とか見つけられています。

一方で基本的な会話にも困っている人達は言葉は悪いですがスタートラインにすら立てていない人が多いです。(私が出会った中には、そもそもどう職探しをすれば良いかの情報収集にも困難を覚えている人もいました。)

短期的に見ればお金は稼げるけど…

仕事を手に入れられたとして短期的に見れば稼げるのは事実です。
ニュージーランドの最低賃金は現時点で$23.15(2300円くらい)なので、週40時間働けば月36万くらい軽く稼げます。

私は語学学校と並行して働いているときでさえ1ヶ月少々で総収入が前年度の日本でのバイトの総収入を超えてしまい去年の努力はなんだったんだ!ってちょっと虚しくなりました。笑(まあ日本ではあまりバイト頑張ってなかったので、そりゃすぐ超えるけど。)

しかし、結局これは短期的な稼ぎにすぎません。ワーホリはいつか年齢制限が来てしまいますから、ずっとワーホリメーカーとしての働き方を続けることはできません。

本当に稼ぎたいのであれば、大学や専門学校に行って知識や技術を身につけて、その専門性を生かした職業についた方が短期的には損ですが長期的に見ればよっぽど稼げるのは間違いないはずです。

仕事は付随的なもの、と考えて来た方が良いのかもしれない

ワーキング・ホリデー制度とは、二国・地域間の取決め等に基づき、各々が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が、その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し、二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。

外務省ホームページ
「ワーキング・ホリデー制度|外務省」よりhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html

ワーホリ=出稼ぎのイメージが広まって久しいですが、個人的にはやはりワーホリにおける就労は「付随的なもの」にしかなり得ないと思います。

1年という長いようで短い期間、余程の運か余程のスキルがなければ海外の仕事でキャリアステップアップ!ということは難しいし、海外に来てまでずっと働き詰めというのも勿体ないし、そもそもこのご時世仕事が得られる確証はないし……

先述しましたが稼ぎたいだけなら長期的に計画を立てて知識や技術を身につけた方がよほど良いです。別に海外である必要はないですし。

それでも海外へワーホリに来たいのであれば、自分が何がしたいのか(出稼ぎ以外で!)、なぜその国なのかを明確にした上で来ること十分な貯金をしてくること最低限の日常会話には困らない程度の英語力とコミュ力を身につけてくることが大事だと思います。

そして、散々出稼ぎを否定しましたが、せっかく働けるビザなので、海外で仕事に挑戦してみるというのは良い経験になるでしょう。
稼ぐことばかりが目的なのはどうなの?という話です。


ここまで散々書いてしまいました。気分を毒された方もいたかもしれません、、、すみません。
でもワーホリは思うほど甘い世界じゃないというのは私も強く感じているところです。どうしても良い面ばかりが切り取られがちなので、たまにこうしたネガティブ面の発信もしていこうと思います。

さめ

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