
解像度を上げる:日常の言葉と視点を見直すために
『解像度を上げる』(馬田隆明 著)を読んで、自分の言葉や視点について改めて考えさせられました。
言葉の「解像度」について言われて
「産婆さんって、話す言葉の解像度高いですよね。同レベルの人でないと理解しにくいと思います」
そんな言葉を数ヶ月前に聞いてから、自分の言葉が人に伝わりにくいのではないかと気になり始めました。
さらには、「その単語、喋りたいだけでしょう?」と言われたことも…。
思えば、20年前に「話が浅い」と言われたのがきっかけで、専門用語を多用するようになった自分。果たして、それが良かったのかどうか。
そんな悩みを抱えつつ手に取ったのが、この本。
感覚を言語化する:納得と気づきの連続
本書では、日常的に行っている無意識の行動や感覚が、具体的な言葉で丁寧に解き明かされています。読んでいるうちに「そうそう、これが言いたかった!」と何度も頷いてしまう内容。
特に心に響いたのは、P90にあるこの一節:
「今はまだ小さいけど、将来大きくなる課題に今から取り組む」
この言葉から、未来を見据えて今の行動を選ぶ大切さを改めて実感しました。たとえば、「環境問題」という大きな課題に対し、「環境負荷の少ない電気自動車」という解決策で挑むテスラ社の話が紹介されており、その先見性と実行力に感銘を受けました。
課題解決の視点と価値の本質
また、本書で印象的だったのが、課題に対する価値の考え方。
「課題がどの程度解決されたかで価値が決まる」→価値の分だけお金がもらえる
「解決策が課題に対してオーバースペックでも、課題以上の価値は生まれない」
普段、自分は課題を深掘りして根本から解決したり、付加価値をつけて提案することが多いのですが、本書を読み進める中で、解決策が相手の視点とズレていては意味がないことを改めて痛感しました。
視点を変えるためのアプローチ、たとえば「視座を高くする」「相手の視座に立つ」といった方法論も詳しく解説されており、とても参考になりました。
20年前の自分に読ませたい
もしタイムマシンがあったなら、20年前の自分にこの本を手渡したい。
当時、「浅い」と言われて迷走していた自分にとって、本書は間違いなく道標になったハズ。
言葉に自信が持てない人や、何かに固執して悩んでいる人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
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