『天国大魔境』アニメ感想③9〜13話
筆者が放映直後に熱に浮かされたままTwitterで連投した感想をまとめています。
長いので記事を分けました。
『天国大魔境』アニメ感想①1〜4話
『天国大魔境』アニメ感想②5〜8話
9話「学園の子供たち」
ソリティア
生理のくだりカットはやむなしか…原作ではあそこで水橋代表のこと超好きになったからな〜是非観たかった。
作画とっっってもよかったくない!?
程よく石黒先生のタッチに近くて、且つなんというか…かわいかった!!
特に学園の会議の面々、ひとりひとり「あぁ…居るなあ!」と思うというか、実存がそこにあった!モブがモブの顔してなくてよかった!
あと今回グッときたのはジューイチの車。質感からCG作画だなというのはわかったんだけど、端に寄せた時の動き!ガタガタの路面でバックして、歩道だった場所に少し乗り上げる動きの細かさといったら!!細かすぎる!!万歳!!
何度でも繰り返す。芝居が本当いい。「アニメだな」を感じないのよ、いい意味で。かといって「実写さながら」とかでもなく、アニメーションと共にあるべき声の演技……何故か今回は青島さんにそれを感じた。
何度でも繰り返す。木村絵里子さまの功績。ありがとうございます。
ジューイチのユーチューバー感に拍車がかかっててよかった笑
あえてチープめな映像になってたよね…
チープめと言えば、会議のシーンなんかは原作ではなかったリモート描写がよりハッキリしてたのに、監視カメラのシーンでソリティアやってた奴ね
ソリティアすな
10話「壁の町」
はいでた神回
3話以来の、この回だけ劇場版なのか?という別次元の演出……そう、とにかく演出。演出&演出。
五十嵐海さん………名前見たことあると思ったらトリガーの人じゃん!!どうりでトリガーのテンポだよ!!というか今石洋之みを感じた
湯浅監督支持?(作画wikiより)
いや、さもありなん…ルパンの宮崎駿、クレしんの湯浅…アニメーター上がりの監督になるタイプの方なのでは。
これはフェチとして「話者が画角外にいる演出」が好きすぎて…画角内でも口は隠れてるとか、作画コスト削減且つ台詞にちゃんと意識がいく…という狙いかは定かではないけど、兎角それをやる人はアニメを時間芸術としてどうコントロールするか得てる人だと思ってる。3話もそうだった。
この回を“連続する物語の一部”ではなく“この一本”として見せるという意識がエグい。バックミラーにとことんフォーカスして、ラストではっとさせる…いやホント声出た。わかる人にわかる、ではなくイヤでも気付かされる。原作をどう解釈したらこうなるんだ。良すぎだろ。
ジューイチ編はとことんユーモアとシリアスを混交させた、原作においても寄り道に見せといて実は物語の本質を突く話で…父性と母性の転倒かな。これは石黒先生の「お約束への(アンチ)テーゼ」だと個人的には。普通お母さんだもんね、ジューゴを迎えにゆくのは。
で、そんな閑話に見せかけた本質の回に最適解、というかやり過ぎなくらい魅せられた10話でした。ユーモアとシリアス行き来しすぎて1時間くらい観たかと思った。30分だった。えぐい。テンポよすぎる〜…トリガーのクオリティ〜…
作監が竹内哲也さんね〜…もう半分の功績はこの方ね。初知りで恐縮ですがだいぶ著名な方なのね、知ってる人は「竹内さんだ!」ってなるくらいには個性出てたのでは。めちゃくちゃ良かった〜…
wikiの通り“リアル系のキャラのフォルムとオバケなどを多用したコミカルな芝居の二面性”の作画でした。各シーンの原画さんの個性もたぶん出まくってたんだと思うが…抜くとこと力入ってるとこのバランスが絶妙だったと思う。これこそディレクションの力では。
いかん良すぎたせいで過去最長のツリーになっとる。
今回のキーアイテムがまさかのヒーローゼット!!!石黒先生のデビュー作「ヒーロー」の主人公のマスコットがあったとは…そして色が赤だったとは…そして単なる身内小ネタではなくがっつり話に絡んでるとは…しかも原作には無いアイテムだとは…
都合2回に渡った今回のVSヒルコのシーン。どちらも演出が冴え過ぎてた怖い。1戦目の発砲までの作画、氷のビジュアル、キルコがモノローグと共に敵に突貫していくところ。2戦目(?)の月に追われているような切迫感、ジューゴを引き離した後の2人。
ギャグシーン。笑わすとこはクドく!濃く!やり過ぎなくらいに!というトリガーイズムを最も感じた。勝手につくったイズムですが。
レイアウトを使い回すというのも非常にわかりやすくてよい。反復されるといやでも見てる側は異変に敏感になるし、テンポを感じるし。
今週の音響監督・木村絵里子さまの白眉はキルコの「…っさいなー」ですよね。異論は認めません。
顔の可愛さ込みで抜群の「…っさいなー」でした。
いや余韻〜〜!!
ラスト何ですかあれは。まさか宇佐美のシーンにジューイチが匹敵するなんて、原作読んでておもいませんよ!!
ジューイチが置き去りにしたのは、過去のジューイチ…バックミラーにはマスコットはもう無く…いや神!?
ってところで脚本が3話もやってる
窪山阿佐子さんなのよね〜!!6話「100%安全水」と8話「それぞれの選択」もじゃん、という。良いところ爆発?神回しか生めないの?原作を原作以上のストーリーにしかできない呪い?
いったん全部窪山さん五十嵐さん竹内さんで見てみたいよ…
以上です。過去最多ツリーになりました。ありがとうございます。
『天国大魔境 the movie
ジューイチ〜Road to 壁の町〜』楽しみです。
シーユー、バイバイ。
11話「テストを始めます」
今回の木村絵里子さま白眉シーン
クク「んー?あーーー!トキオだーー!!」
突き抜けるククの快活がめちゃくちゃよい
(黒沢ともよさんご結婚おめでとうございます)
オーマも良かったねえ…石黒先生が挙げたのもうなずける…泣きの芝居がドチャクソ良かった…
いよいよロビンに接近して…
学園も明らかな動きがあって…
原作読んでても一旦なに?なに?ってなるとこだから初見の人は余計に訳わからんと思うねえ…
後から見返すと「ああ!」ってなるとこばっかの回、だったのでは
12話「外の外」
とうとう来てしまった………キツいな………
今回、10話とかとはまた違う方向で“演出”が立ってる回だった
学園にも魔境にも大きな揺れが生じる回だったけど、ロングショットが多いことでこっちは俯瞰してる気持ちになる
その上で手とか丸いもの(鍋、蝋燭、足裏のマーク…)とかがリンクすることで混沌が混ざり合うのを体感する…
トマトの暗喩は痺れたね…てか怖かったね…
展開を知ってる分、キルコの行く末の暗示にも思えてしまったし…
トマト天国とも被るし、ここに来てそのチョイスにぐっときた
で、音楽が過去イチ効いてる回だったくない?
学園のとこの雅楽っぽいやつ凄すぎたんですが!あと「危ない」連呼のとことか。牛尾音楽の骨頂みたいな感じだった。
木村絵里子さま今週の白眉
「二丁拳銃だー!」ですね。
で…………恐れていたシーンにね………
春希が浅草で人食いに食われてるところくらい、めちゃくちゃ怖かった…………“抗えない大きな力に押しつぶされる”シーンに元々弱いのですけど、人食いに匹敵するくらいロビンが怖かった……泣いた……きつい………
「キルコと会った瞬間のロビンの顔」で引いて1期終わると思ってたけど、まあ2期の頭で例のシーンが来るのもあかんか。
次回があってよかった…マル早く…
今回動きの演出もよくて、それは動きの作画とかじゃなくて視線誘導というか、例えば右から左に通過する人物をカメラが追うと画面の中の人物は中央に留まるけどカメラが固定されてると人がスライドしていく…的な“動き”の話で、
めちゃくちゃ巧妙に視聴者がなにを注視していて、その注意を持続させた上で次のシーンに引っ張るのかもしくはあえて途切れさせるのかみたいな。それが先述の丸いものリンクだったりもするのだけど、その演出がまあ〜〜良かった。アニメ観てる!てなる。
ほんでオープニングでキルコが走ってるとこ、イメージシーンと思ってたがここで回収されるのね…!それであの表情か…巧み…
来週とうとう最終回か……2期頼む……原作完結が先かな……
13話「旅の続き・旅の始まり」
いや〜〜〜ここで切るしかないよねぇ〜〜〜〜!!!!
アニメ業界的に、ひとつの回に複数人演出さんが居るというのはどういった作用があるのかなあ…?
最終話は監督が演出するもんと勝手に思ってたので、意外と何人かでやってんだなあと
ってか竹内哲也さん入ってたんじゃん!マジか!
昨日原作最新刊を読んだばかしなので…と思うと、原作ここまで(ロビン編終了時)での回収具合的には、アニメ1クール相当ではこう纏めるほか無いよなあ
むしろよく1クールでここまで形にしてくれたなあという感嘆
だからこそのサブタイにある「始まり」だとも思うし
なんも終わっちゃないよ!という意図よね
2期…願わくば2期…ただそれのみ…BOX買う…
アフタートーク聴いた
先生仰る通り「天国大魔境というお祭りが終わってしまう…」
木村絵里子さん、窪山阿佐子さん、五十嵐海さん、竹内哲也さんといった方々を認識できてその仕事にグッとき続けられたのが私の毎週の糧でした
ありがとうございます
これは個人的なあれで
“毎週アニメを追う”って昨年からやっとできるようになった習慣で、その作品が「平家物語」と「チェンソーマン」だったのですよ
そして今年の「天国大魔境」
牛尾憲輔さま……!!
というわけで演出オタク的にこの上ない学びと驚きの3ヶ月でした
製作に携わった方々、本当にお疲れ様でした
ありがとうございました
あーーーっ!ひとつだけ忘れてた!
マルに浮き輪は投げて欲しかったなー!
それどころじゃなかったんだろうけど…だからこそ「それどころじゃないのに投げちゃう」にマルの、ひいてはこの作品の本質っぽいところが出てた気がするんよな〜
まあ、尺的にそれどころじゃなかったか…
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