SCENE13:「迷子」【メイキングオブ『ワンダーら』】
●シーン概略
「墓」の空気をぶち壊す迷子、見参。
◎我彷徨う、故に我あり
このシーンの台本には、以上のセリフしか書かれていなかった。こんなこと迷子が言ってたら面白いなあと思ったので、迷子に言わせた。そしてただとびきりのギャグシーンとして昇華した。本作中で数少ない、このページだけシングルカットしても成立しそうなシーンである。
「我彷徨う、故に我あり」このセンテンス自体は、私の実感であり、だからこそ私のペンネームとなった。生活における様々な寄る辺のない感覚がはじめ不安でしかなかったが、その状態そのものが私なのだと思うようにすることで、だいぶ気持ちが軽くなった。
◎エンドぶったぎり
「墓」があれだけ情感を込めたシーンだったのに、その余韻をぶった切る必要があったのか。答えは「ありまくり」。どちらかだけだと片手落ちなのだ。私にはこのグラデーションがあり、それも「彷徨い」の一部なのである。シリアスにもギャグにも振り切れないし、そのどちらもがある程度の温度感をもって内在している。そのこと自体をこの並びで示したかった。
◎流れるように、ギャグ
台本にはひとセリフしか無かったことは書いた。その後の一連はアドリブで吐き出したものだ。なんか大勢来たら面白いかもなあ、とか、迷子が迷子になるのはなにかしらの商業施設だろうしさっきの花屋(六奴鴎)が居るかもなあ、とか。ここもまあ描いてて楽しかった。無軌道無計画の極み。
◎茶んた
「工場見学」に続いて二度目の茶んた氏参照シーン。これまた子供の頭身で自明か。本シーンにおいては迷子のスタンスからしても『サチ録』みがある。それだけハマっているという証左。『サチ録』はぜひ日曜夕方にアニメを放送して国民的児童になってほしいと思っている。ただのファン。
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