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『明日の自分には申し訳ないけど、やること置いて今日はもう帰らせてもらいます』の回

仕事をしていて本当に全くやる気の出ない日がたまに訪れる。デスクの前に座りパソコンを目の前にしても、指一本すら動かす気が起きない。やらねばならぬ仕事はある。いつまでに仕上げなければならないかは頭に入っている。なにから手をつけるべきかも把握している。あとはやるだけ。でもやる気が全く湧かない。湧くとか言うけど源泉みたいなもんが自分の中にある気がしない。あとなんか体がダルい。別に風邪をひいているわけではないのに、なんか体がダルい。ていうか体は健康だ。ただただやる気が出ない、やれる気がしない。一回横になりたい。でも一回横になれたとて今日はもうやる気は湧いてこないであろう。

そういう日はね、わたしはもう早々に諦めます。ただただ虚脱感に身を委ねて時が過ぎ就業時間の終わりが来るのを待ちます。ホンマにもうやる気が出ないから。いや、その、やらなあかんとは思ってんねんで? 早く仕上げなあかんとか、締め切り近いとかは分かってんねん。今日中に仕上げてまわな明日えらい目に会うで?ってことも分かってんねん。でもその恐怖を上回るくらいやる気が出んのよ。なんやかんやでどうにかなるやろってことで明日に回そうってもう決めちゃってんのよ。いや、これはもう決めざるを得んほどのやる気の出なさ。自分が怖いです、本当に。びっくりする。なんでこんなに今日はやる気が出んのやろう? でも焦りとかは別にないのよ。仕方ないとすら思ってんのよ。泰然自若よ、泰然自若。しずかなること林の如し、動かざること山の如しよ。恐ろしいほどの落ち着き様。名将かと思うくらいのどっしり加減。そのどっしりさたるや、二代目武田信玄を襲名したいほど。あいにく風と火は持ち合わせておりませんけども。このやる気のなさはもう天災みたいなもんで時折人生に顔を出すもんであり、抵抗しても無駄やから諦めよう、そう思っております。だからデスクの前で座りながら頭の中で『あーーーーーー。あーーーーーーって感じやなあ。プールの授業が終わった後の気怠さから程よく心地よい体の疲れた感覚を取り除いたみたいな感じやなー。つまりはただただ気怠いだけやなー』とか考えています。余裕はあります。何度も言いますけど、別に体は疲れてはいないのです。眠たくもないのです。本当に単純にやる気が出ないだけなのです。頭の中というか、脳味噌がボーっとぬるくなっていて、何をするにも頭の回転が鈍い感じなのです。働かざる者食うべからずとは言うものの、食欲はあるのでお昼ご飯はしっかり頂きます。人間って別に何もせずともお腹は減るものなのです。生きてるから、それが生きてるってことだからー!

そんなこんなで定時を迎えると、今日の自分が放棄した仕事は明日の自分に頑張ってもらおうとそそくさと帰宅の準備を始めます。明日の自分も自分には変わりないのですが、明日の自分はきっと今日の自分とは違って労働する意欲を、やらねば!という気持ちを携えていることでしょう。そう思って希望という名のバトンと、とっくに終わっていたはずの仕事を託します。わたしはわたしを信じています。これまでの人生、全くやる気の出ない日が何度かございましたが、幸いにもそんな日が2日間連続したことはございません。きっと明日の天気は快晴、やる気は満タン、締め切り前の焦りは甚大ということで、さぞかしあっという間に過ぎ去る1日となることでしょう。本日は地獄のように長く退屈な1日でした。どうせなら休暇を頂いて1日中海でも眺めていれば良かったなんて、今はそう思います。タイムマシンの完成は願っておりません。なぜなら明日の自分が今日の自分を成敗しようと時間を遡上してくるかもしれませんから。そんなこんなでやる気の出ないわたしの1日が閉幕いたします。皆様、本日もお仕事お疲れ様でした。


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