編集者に必要なPCのスペックとは? (AppleのM1チップなのか?)
自宅用のPCのCPUを交換しました。いわゆるHaswell(ハズウェル)世代と呼ばれる2013年の第4世代intel core i7-4770に鞭打ち続けていたのですが、ついに第10世代 core i5-10400Fへ換装。
安いなあと。なにせ2万円切る価格でしたし。各ベンチマークを見ていても十分な性能。それで思わず手が。
「Haswellおじさん」などと言われなき誹りに苦しまされ続けてきましたが、二度とその名で呼ばないように深くお願いします🥺
(本当はRyzen5600Xとめちゃくちゃ迷ってましたが、悶絶しながら購入ボタンをクリックしたことは墓場まで持っていきます)
とはいえ、FPSを追求するゲーマーでもなく、ゲーム実況も動画編集もしていないので、前CPUでもなんとかなっていたんですよね。しかし、マザーボードが古びて拡張性に乏しくなってつまらなくなっていたのです…。
年末年始までにコツコツとパーツを買って、休暇中は組み上げ作業を楽しみたいと思っているわけなのです。
出版社のWEB仕事で使っているPC
いざ自分のPCが整うと、仕事用のPCのことも気になってきます。基本はノートPCがベースなのですが、オフィスにはデジタル作業用のデスクトップPCもあります。これはそれなりのスペックで、グラボもあります。
ほぼリモートワークでオフィスに出社しないので、ノートPCをベースに必要に応じてVPNで接続してデスクトップでも作業…と。しかしこれがなかなのストレス。
・オフィスのデスクトップPCはスペックそれなり(つよい)
・しかしノートPCでVPN接続(よわい)
母艦PCのスペックが高くともリモート接続だとどうしても回線や混雑状況に左右されてしまうので、結果的に重いんですよね―。
デスクトップPCではAdobeのグラフィック系ソフト(Photoshop、Illustrator)が中心。場合によってはInDesign、Premiere Proが必要になることがありますが、リモートではなかなか厳しいです。
やはりWEB仕事になるとローカルでしっかり使えるマシンがほしいところです。
デジタル漬けだった人が紙書籍の編集をやってみた
さて、これが紙の書籍の編集だったらどうでしょうか? 去年は久しぶりに紙編集もやっていました。
デジタル校正を中心としたペーパーレスでの編集制作、さらにはDTPデータのクラウド化による同時編集、デジタル印刷技術の発展などなど…華々しく楽しいお話を各業界、各社の方々から多く聞いていたのですが、現場での普及はまだまだなのが現状です。
これは出版社によって、そして個々人によって大きく差が出ているようです。ある出版社には自分で編集仕事用のツールを自作しまう編集者がいるとか。企業全体としてワークフローのDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいるようなところもあります。
ただ多くの場所ではタブレットでの校正、修正指示のようなものも導入が多少進んでいる程度ではないでしょうか。やはり大半は紙の束とにらめっこを続ける伝統的な現場が多数です。
本は最後の最後で「モノ」になります。上書きはできませんのでチェックは慎重すべきですし、細かいところで手を抜かないのが物作りには大切ですよね。これはこれで重要なのです。
が、制作の完了(=校了)に至るプロセスにおいて、「いくらでも置き換えられるものがあるのになー、もっと良くなるのになー」と感じるポイントが山ほどありました。
編集の現場で感じた「これくらいのスペックはほしい」
昨年、ぼくが文字もの中心の書籍の編集に現場において「必要最小スペック」と感じたのは、こんなところです。
・Photoshop、Illustrator、InDesign、Acrobat PRO
・これを快適に動かせるノートPC(カメラ付属)、連動できるスマートフォン
(EXCEL等の事務系ソフトありが前提)
「こんなにいらない」という人も少なくないと思います。久しぶりにやって気づいたんですよ。昔だったら、原稿でもイラストでもDTPデータでも、修正などの指示を連絡していたものですが、いやいや共有データを直接修正たり、そこに指示を入れてしまったほうが早い、いい時代になったぞと。
さらに言えば、最近の編集の現場ではプロモーション仕事の比率が日を追うごとに増えています。それも踏まえると…
・撮影用カメラ(静止画、動画向け)
・収録用マイク(ホワイトノイズをカットできるレベル)
・Adobe Premiere Pro
ここまであっていいと思います。使えます。もっと細かく言えばいくらでもあるのですが、キリがないのでこのあたりで。ある出版社の編集者が「編集者があれもこれもやらなきゃいけない、大変…」とぼやいていました。そういう時代です。
編集者に必要なのはAppleのM1チップか?
さてさて、ではどんなPCを使うのが正解でしょうか? 母艦PCと2コア4スレッドCPUのノートPCで紙の編集をやっていた感覚で入れば、「良いノートPC」があると便利だなとは感じたのは事実。
たとえばM1チップで盛り上がっているMacBook。とはいえもし使うのであれば、前世代intel製チップ入りのMacBookでいいような…M1の存在のおかげでintelMACの価格も下がってきていますし、Adobe関連のソフトはintelチップで安定しています(M1はまだ未知数です)。
価格差はこれくらいですね。確かに処理性能等は高くなっているのですが、実用の意味では前世代でも十分な気がします。無理に最新でなくともいいのではと思わなくもないです。
Windowsでも同様です。MacかWindowsか問題もありますが、触れると面倒なのでやめておきます…。
それにしても、通信環境とハードさえ整えればどこでも仕事ができる時代。ほんとにすばらしいですねー。大きなデザインバックを抱えて右往左往していたのは、セピア色の記憶となったのでした。(さ)