【百物語】鬼切 16 サマリウム 2021年12月23日 05:58 ¥100 はじめに鬼切の背景ストーリーです。正義の刀陰陽師鬼切絵巻密謀大江山に住む鬼共の討伐を提案すると、集まっていた一族の長老たちの顔が曇った。この老人たちが何を恐れているのか、手に取るように分かった。老人たちは私のことを、源家一の優秀な陰陽師だと言いながら、大江山に住む鬼王に確実に殺される、そう思っていたんだ。ふふ、とっくに対策は練ってある。あの刀が襖の後ろでその時をじっと待っている。陰陽師鬼切絵巻密謀式神 鬼切俺は天下の悪鬼を貫く刀である。「皆にお前の実力を見せる時が来たぞ。」「はい、ご主人様。」みなが噂を耳にしたことのある、源家の鬼殺しの秘策が、私の前で大人しくひれ伏している。臆病者たちが男を目にするのは、これが初めてだ。私はひそひそと話す一族の人間たちに視線を落とした。「怯えるのは弱い者だけだ。私は決して怯えたりしない。」陰陽師鬼切絵巻密謀散花の刃死ぬ覚悟はできているか。「天下の悪鬼を貫く刀だ。」待ち伏せていた妖怪をすべて殺すと、男は笑顔で、そう俺に言った。「私はお前の主人、源頼光だ。これからは、お前を「鬼切」と呼ぼう。」俺は過去の記憶を失っていた。その男は源家の陰陽師で、山でお祓いの最中に複数の悪鬼に襲われたそうだ。悪鬼共に窮地に追い詰められた時、ご主人様の刀が一族の氏神の姿に変わり、彼を救ったそうだ。その刀が俺だと言った。「私とともに世の平和を守ろう。」俺の左目には契約の証が刻まれた。ご主人様は立派で、強くて、正直な人だ。ご主人様が現世の理を教えてくれる代わりに、俺は彼の背中を守る。ご主人様の力なら、必ず正義を貫き、世の悪を裁くことができるだろう。俺は、ご主人様の刀となった。陰陽師鬼切絵巻契約鬼の刀・両断お前の罪、俺が断ち切る。源家一族は、鬼王の首を取るために、総出で大江山に攻め込んだ。圧倒的な兵力を投入したにも関わらず、戦いは、何日も続いていた。そんな事は、鬼共にとって大したことではない。だが、俺のご主人様は、すっかり疲れ切っていた。鬼王は恐ろしく狡猾で、一瞬の隙を突き、ご主人様に襲いかかってきた。俺は瞬時にご主人様の前に立ち、鬼王の激しい一撃から彼をかばった。強烈な妖気が一瞬にして俺の体を貫き、俺の左目もやられてしまった。俺は強烈な痛みに耐えながら、鬼王の腕を押さえつけた。鬼王は俺の左目を見つめてこう言った。「き、貴様は……!」一瞬だったが、ご主人様にとっては十分だった。首を切られた鬼王の血が俺の左目に入った。気付くと源家の兵が放った火が、妖怪の死体であふれた地面を覆っていた。俺の目は血で赤く染まっていた。眼球を覆う血を通して見える死体の山。だんだんと倒れている死体が……自分の様に見えてきた。陰陽師鬼切絵巻退治鬼の刀・羅城門全ての悪鬼を切り裂いてやる。ご主人様は、鬼王の首を討ち取った。俺はご主人様の命令で、その首を都に届けに向かった。羅生門を通った時、俺は道端に、美しい女性が立っている事に気付いた。俺は息を飲み彼女を見つめた。そして考える暇もなく、俺は刀を抜いた!肉体を切り裂く音が、静まり返った夜空に響き渡った!その瞬間、女の鬼手の断面から大量の毒気が放たれ、俺に襲いかかってきた。襲ってきた毒気が左目を刺激し、俺は、ご主人様と、彼の血まみれの手によって結ばされた、契約のことを思い出した。左目の契約は破られた。陰陽師鬼切絵巻断壊復讐の刃この怨み…必ず血を以て償ってもらおう。 封印されていたのは……俺の記憶だった……思い出した……!俺はご主人様に騙されていたのだ!俺は源家の正義の刀なんかじゃない……!俺は、大江山の妖怪だった!あいつに騙され、利用されたのだ!あいつは俺を服従させ、鬼王を殺させたのだ!大江山の大地は妖怪達の死体で溢れかえっている。死んだのは俺じゃなく、俺がこの手で殺した同族たちだ!!あれだけ信じていたのに!!源頼光……絶対にお前を殺す!!陰陽師鬼切絵巻断壊鬼瞬影正義を貫き悪を裁く。鬼王を退治した今、一族の長老たちは、私との実力の差に気づいただろう。あいつらは害虫のように源家をじわじわと蝕んでいく。私は生まれた時から、あいつらと違った。山で悪鬼に襲われた時、私は自分の血を使い、妖怪を先祖の護り刀に封じ込めた。そして「鬼切」という強力な怪物を作り出したのだ。契約を結ばせ、手なずけ、しつけをし、正義という概念を吹き込んだ。そして偽りの記憶を植え、服従させた。それ以来、似たような怪物を数え切れないほど作り出した。源家は私の指揮もと、最強の一族となるのだ!…だが、鬼切はなぜ姿を消した?陰陽師鬼切絵巻自白鬼の刀・影殺これが俺の正義だ!俺は、刀を携えた。茨木童子の鬼手を、源頼光に捧げるために戻ったと嘘をつき、源家の屋敷に戻り、一族全員に報復した。俺は守衛の侍達を一人、また一人と切り捨て、源頼光を目の前に、空に漂う鉄錆の匂いを、思いっきり吸い込んだ。あの男を討つ!!!俺は心に固く念じた。刀を抜き、源頼光のもとへと突き進んだ。陰陽師鬼切絵巻復讐刀鳴の刃これは心の悲鳴だ!うっ!こ、これは、俺の血だ!「フ……ハハハ、愚かな!お前の目に封印されているのは、ただの記憶に過ぎない。」「真の契約はお前の体の中にある…私の血だ。私が死ねば、お前も生きてはおれんぞ。」「それがどうした?ハハハハハハハハ!!!」ならば、一緒に死のうぞ!血だ。刀を引き抜いた。血と肉の塊から。ハ……ハハ……ハハハハハハハハハ……痛い。だが最高の気分だ。もう……止められない……陰陽師鬼切絵巻復讐覚醒・鬼切正義の刀だと?笑わせるな!「本当にいい刀だ…。」源頼光はそう言いながら、倒れた。鬼切は思わず笑い出した。彼は同時に皮肉、悲しみ、そして無念を感じていた。自分の体を支えられなくなり、血の海に倒れこんだ。鬼切の血は地面に広がり、茨木童子の鬼手に巻きついた。そしてじわじわと、その腕の力を奪い取った。鬼手から一本の血筋が現れ、やがて鬼切の体と鬼手をつないだ。血の海に倒れていた鬼切は、突然目を覚ました。彼は立ち上がり馴染みあるようで、見慣れない景色を見渡した。かつての正義の刀は、もうそこにいなかった。源家が最も憎む妖怪として、生まれ変わったのだ。陰陽師鬼切絵巻新生黄泉の境参考鬼切 伝記・絵巻 鬼切(おにきり)の評価・おすすめ御魂・出現場所 「鬼切(おにきり)」の評価、ステータス、スキルを掲載!鬼切の特徴を確認して、陰陽師の攻略に役立てよう! kamigame.jp おしまい ダウンロード copy ここから先は 0字 ¥ 100 購入手続きへ ログイン #カードゲーム #百鬼異聞録 #ヒャクブン #百聞牌 #鬼切 16 もしよろしければサポートお願いします🍀 チップで応援