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【短編小説】ネクタイ

「ネクタイ引っ張るなよ」
「あんたは、もっとしゃきっとしてなさい。だらしないのよ」
「はいはい……」
「『はい』は一回でいいから!」
「……」
そう言うと、今度は俺の首元に手を回してくる。
「おい……! 何やってんだよ!」
「ネクタイ曲がってるから直してあげてんの」
「だからって抱きつく必要はないだろうが……」
「まぁまぁ~いいじゃないの~」
そして、その状態でネクタイをキュッとしめる。
「これでよしっと……」
「ありがとう……」
「どういたしまして♪」
すると、結衣はまたもや俺の腕にしがみついてきた。
「お、おい……」
「私のネクタイとお揃いにしてみたんだけど……どうかな?」
「……似合ってんじゃねぇか」
「えへへっ♪ ありがとね!」
こうして、俺達は学校に向かった。
「ほら、早くしないと遅刻するわよ!」
「分かってるよ……」
「ちゃんと歩きなさいよね!」
「へいへい……」
俺達が通う高校まであと少しというところで、結衣が突然立ち止まった。
「……ん? 急に立ち止まってどうしたんだ?」
「あのさ……今日は一緒に登校したくない……」
「どうしてだよ?」
「だってさ……なんか恥ずかしいし……ネクタイお揃いだし……」
頬を赤らめながら下を向いてしまった。
「別に気にすることないと思うけどな……」
「私が嫌なの! とにかく私は先に行っちゃうから!」
「あっ……ちょっと待てよ!」
俺は慌てて追いかけようとするが、結衣はスタコラサッサと逃げてしまった。
「ったく……あいつは……」

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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