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【短編小説】くま

「ギャ-!くまー!」
こういう場合は死んだふりが定番だ。
俺は地面にうつ伏せになって、死んだふりをする。
「くまー?」
俺の体をつんつんしてくる。
そして、顔の近くまで来て匂いを嗅いでいるようだ。
「くんくん……やっぱり生きてるくま」
「ふぅ……」
「でも、変な匂いするくまね」
そりゃそうだろ。死んでいるんだからな。
「まぁいいくま。とりあえずこの村を襲うくまよ」
そういうとクマはどこかに行こうとする。
今のうちに逃げようか? いや、待てよ……。
このまま逃げてもまた襲われたら意味がないぞ。
それにここで倒したら経験値も稼げるんじゃないか? よしっ!倒そう!!
そうと決まれば作戦開始だ。
まずはクマを挑発してみることにする。
「おい、こっちを見ろ!!」
「くま?」
おぉ!? ちゃんと反応してくれたぞ。
「よくも俺の仲間を殺したな!」
「仲間ってそいつのことくま?そんなことよりお腹空いたくま。お前を食べてもいいくまか?」
どうしよう……。言葉が通じない……。
仕方がない、ここは一か八かやって見るしかない。
「かかってこい!俺を殺してみろよ!!」
「くまー!!」
うわぁぁあああ!!! やばい! マジで怒ったみたいだ。
クマは腕を振り上げている。
殴られるのか!? そう思った瞬間、クマの腕が伸びてきた。
その伸びた腕は俺の顔の横を通り過ぎる。
危なかった……。もう少し遅ければ当たっていたかもしれない。しかし、これはチャンスだ。
俺は伸びきった腕を掴み引き寄せる。
すると、バランスを崩したクマは仰向けに倒れた。
「くまぁあ!?」
そして、すかさずマウントポジションをとる。
これで形勢逆転だ。
しかし、クマは愛らし顔をしている。
こんな可愛い子を殴るのは気が引けるな……。
だが、今はやるしかないのだ。
「ごめんね……」
一言謝りを入れ、全力で顔面パンチを叩き込む。
ドゴッッ!! 鈍い音が響く。
俺の拳は見事にクマの顔を捉えていた。
「ぐっ……くまぁ……」
クマはピクピクしながら気絶していた。
何とか勝てたか……。
正直、攻撃を避けまくられた時はダメかもと思ったけど……。
なんとかなって良かった。
さすがにこれ以上の攻撃はできないだろう。
「よしっ!早く街に帰ろう!」
こうして俺は初のモンスター討伐に成功するのだった。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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