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【短編小説】寒い

「寒い」
「だから、もっと着込めって言っただろうが。冬場にそんな薄着でうろつくなよ」
「お兄ちゃんは寒くないの?」
「俺か? 俺は……」
そういえば、この寒さの中を半袖で過ごしている。
「……ちょっとだけ肌寒いかな」
「だっしょー!」
「まぁいいや。それより、お前は何してたんだ?」
「ん~とね、暇だったから散歩でもしようと思って外に出たら、偶然にもお兄ちゃんを見かけて、それで追いかけてみたら、ここで立ち止まっていたから声をかけたんだよ」
「そっか。じゃあ、もう用事は済ませたし帰るぞ」
「うん! 寒いから早く帰ろう!」
俺達は家に帰るために歩き出したのだが……。
「……ねぇ、お兄ちゃん。なんでこんなところにいるの?」
「いや、それはこっちのセリフなんだが……しかもその格好……何があったのか知らないけど」
「寒い。寒すぎる」
妹は震えながら言う。
確かに、今日はかなり冷え込んでいるからな。
このままだと風邪を引いてしまうかもしれない。
だがしかし! 今は俺の方も半袖である。
つまり、俺は今すぐにでも家に帰って暖まりたいのだ!
すれ違う人々もみんな厚手のコートを着ているというのに……。
「……仕方がない」
俺はカバンの中から自分のマフラーを取り出して、それを妹の首にかけてやった。
「えへへぇ♪」
妹はとても嬉しそうな顔をする。……ふぅ、これで一安心だ。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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