見出し画像

【短編小説】妖怪

私は妖怪。
「なんか、ようかい?」
妖怪の私がダジャレを言ったって別にいいじゃないか。
「ヒィィ!?」
私の言葉に反応したのか、それとも何か別の要因があったのかは分からないけど、そいつは悲鳴を上げて逃げて行った。
うん、やっぱり私の思った通りだ。
この世界の住人は妖怪を恐れている。
でも、何でだろう?さっきの奴だけじゃない。
今迄だって何度も人間に会っているけど、みんな私が姿を見せると逃げるんだよね。
そんなに怖くないと思うんだけどなぁ……。
まあ、それはいいや。
とりあえず、今は家に帰ろう。
そう思って振り返った時だった。
目の前には見た事も無い様な大きさのドラゴンがいた。
「えっ…………うわあああああああっ!!」
驚いて逃げ出した私だけど、当然追いつかれる。
そして、振り下ろされた爪によって私は地面に叩きつけられた。
痛い!死ぬ!!怖い!!! 今まで感じた事の無い程の恐怖に襲われる。
その時、私の頭の中に声が響いた。
『お前は何者だ?』
誰の声かなんてわからないし、そもそも考える余裕もない。
ただ、本能的に答えなければいけないと思った。
だから……
「私は妖怪!なんか、ようかい?」
と答える。
すると、また声が聞こえてきた。
『いや、特に用は無い』
……へ? その言葉を最後に、私を襲ったドラゴンも去って行き、私も意識を失った。
私のダジャレも役に立つ事もあるみたいだね。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?