
【短編小説】お髭
「あっ!おじさん、髭はやしたんだね!」
「まぁな。ワイルドに見えるか?」
「ワイルドって、それってちょび髭だよね?なんかちょっと……」
「いいんだよ。これはこれで似合ってるだろうが」
「うーん……あ、そうだ!その髪型も変えたらどうかな?髪も伸ばしたら?」
「いや、俺はこのスタイルでいくと決めてるからよ」
「えぇ~……じゃあさ、髪を切って短くしたら?」
「断る!!」
「なんで!?」
そんな会話をしながら、おじさんの頭に手を伸ばした。
髪の毛をさわると僕は違和感に気付いてしまったのだ。
あれ?なんだろ……。
そうだ、これって、カツラだ。
「…………」
「どうした?坊主」
「おじさん、カツラしてるよね?」
「っ!!!!」
僕の言葉におじさんの顔色が一気に青ざめた。
おじさんはすぐに手で頭を触り、そして自分の顔色を悪くさせながら僕を見つめた。
「いや~。今は髭の話をしているんだ。だから髪を切った方がいいとかそういう話じゃないぞ。うん。そうそう。ほら、俺の髭はこんな感じだしよぉ、坊主も真似したらどうだ?」
明らかに動揺しているし、口調もおかしい。
「ねぇ、おじさん」
「なんだ?坊主」
「なんでカツラしてるの?」
「いや、カツラって何のこと?おじさん、知らないな~」
「おじさん、嘘つくならもっと上手くついた方がいいと思うよ?」
「……それより、坊主、髭のはなしに戻そうぜ」
「おじさん、どうしてそんなに必死になって話を逸らすのかな?」
「べ、別に必死になってないけどな」
「それにさ、僕が今触った時、カツラだって分かったからね?」
「そ、それは………」
おじさんは髭をはやせば、頭から気をそらすことができると思ったのだ。
翌日、おじさんは髭を剃った。
あとがき
本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵はLINEの「お絵描きばりぐっどくん」で作成しています。