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【短編小説】小悪魔的な性格

奈々子は、見た目は可愛らしいが、内に秘めた小悪魔的な性格を持っていました。
そして、その性格に翻弄される俺の姿を見るのが大好きだったのです。
そんな彼女ですから、きっと俺を弄ぶために、わざとあんなことを言ったのだと思います。
俺の気持ちを知っているくせに……。
俺はそんな彼女に翻弄されながら、それでも彼女のことが好きだったのです。
しかし、俺は気づいていました。
この先ずっと彼女と付き合って行くことはできないということを……。
だってそうでしょう? 彼女は俺のことを弄んで面白がっているだけなのです。
だから……きっといつかは飽きられてしまうことでしょう。
その時、彼女がどうするのかは分かりませんが、俺はそれが怖くて仕方がなかったのです。
こんなにも愛しているのに、きっと俺は捨てられてしまうだろうと思うと、夜も眠れないくらいでした。
でも、俺は必死に耐えました。
耐えて、耐えて、耐え続けたのです。
そんなある日のこと、いつものように学校で彼女と話をしている時のことでした。
「ねえ、私の彼氏になってよ」
突然、彼女はそう言いだしました。
「えっ?」
一瞬、何を言われたのか分からず戸惑う俺を見て、彼女はクスリと笑います。
「聞こえなかったの? 私の彼氏になりなさいって言ってるんだけど……」
そう言うと、彼女は悪戯っぽく微笑みを浮かべました。
「か、彼氏!?」
「うん! 嫌なの?」
「そ、そりゃあ嫌じゃないけど……」
「じゃあ決まりね!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!いきなり過ぎないか?」
「どうして? 別にいいじゃん!」
「だけどさぁ……」
「私、もう決めちゃったんだもん。あなたは今から私の彼氏なんだからね!」
「……」
「返事は?」
「わ、分かったよ……」
結局、俺は彼女の勢いに押されてしまいました。
「うそよ!」
「えっ?」
「本当は嘘! 冗談だよ~ん!」
そう言って、またケラケラ笑う彼女。
やっぱりそうだ……。
こいつは俺の反応を見て楽しんでいるだけだ。
俺はそう思いながらも、心のどこかではホッとしていたのです。
ああ、良かった……と。
だってそうでしょう? これでまだ彼女と別れずに済むかもしれないのですから。
それにしても、彼女はいったい何を考えていたのでしょうか?
今でも不思議でなりません。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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