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【短編小説】学ランを着た猫耳少女

学ランを着た猫耳の少女が言った。
「なめんなよ」
「はあ?」
「なめんなよ! 」
こんな時は何て言うのが正解なんだろう?
わからないけど、とにかく何か言わなくちゃいけない気がした。
だから僕は声を張り上げた。
そして叫んだ。
ありったけの力で――
『なめていません!』
僕の言葉に少女はビクッと肩を震わせた。
どうやら僕の大声で驚いたらしい。
でも、すぐにキッとした目で僕を睨んだ。
その顔にははっきりと怒りの色が見える。
きっと怒っているに違いない。
それはそうだ。
だって僕は今、この子にとって一番言ってほしくない言葉を言ってしまったのかもしれないから……
僕は思わず目をつぶって俯いた。
するとその時だった。
パチンという音がして、頬に痛みを感じた。
恐る恐る目を開けるとそこには涙目の女の子がいた。
そして彼女は僕に向かってこう言ったのだ。
「なめんなよ……」
少女はそう言い残し、走って教室を出て行った。
後には呆然と立ち尽くす僕だけが残された。
ああ、やっちゃった……
なんてことをしてしまったんだろうか。
僕は自分の愚かさに頭を抱えたくなった。
あの時、どうしてあんな事を言ってしまったのか自分でも理解できない。
ただ、彼女の言葉を聞いた瞬間、僕の心の中で何かが弾けたような感じがしたのだ。
まるで心の奥底にある大事な部分が壊れてしまったかのように……。
そんな風に思う自分が嫌になる。
だけどもう手遅れだ。
今更後悔しても遅い。
それに彼女が傷ついていないわけがないじゃないか。
さっきまでの僕はどうかしていた。
いつものように適当にあしらえばよかったんだ。
それなのに……
「バカみたい……」
呟いてみたけれど気持ちは全く晴れなかった。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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