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【短編小説】魔法使い

私はサリー。
魔法使いです。
魔法を使って、皆さんの生活を少しだけ良くするお手伝いをしたい考えています。
「……えっと……」
「皆さんも、何か困った事があったら、遠慮なく私に言ってくださいね!」
「あー、うん……」
「まぁ、はい……」
「そっすねぇ……うぃーっす」
……なんだろう? みんな反応が薄い。
私が元気よく挨拶したせいだろうか?
もっと気さくに話しかけた方が良かったかもしれない。
でも初対面でいきなり馴れ馴れしく話しかけても、迷惑なだけだし……。
……やっぱり、この世界の人には、まだ馴染めないみたいだ。
私は、この世界では異端の存在なんだから。
でも、だからといって、ここでくじける訳にはいかない!
私は、前を向いて歩き出すと決めたんだから!
「あの、ところでさ」
「はい?」
「その帽子、デカくて邪魔なんだよ!取れよ!!」
「そうだ!さっきから俺に刺さってるんだけど!?」
「えぇっ!?ごめんなさい!!」
慌てて頭を下げる。
そういえば、私の頭の上の帽子、この人達にとってはすごく邪魔だったんだ! こんな事も気がつかないなんて……。
私、本当にダメダメだ……。
「そんなデカい帽子をかぶるなって非常識だよな!」
「つーか、外せよ!それが礼儀ってもんじゃねえのか!?」
「そのボウシ、デカッ!!」
「はい……」
確かに、この世界の人は、こういう時どうするかわからない。
私は言われた通り、帽子を外す。
すると、大きな歓声が上がった。
「おおぉぉっ!!?」
「すげえ美人じゃん!」
「こりゃすげえや!!」
「え……?」
思わず自分の顔に手を当てる。
まさか、この帽子を取っただけでこんな事になるとは思わなかった。
「おいお前ら、見ろよこの顔!」
「すげぇ綺麗じゃねえか!」
「ああ、マジ天使だぜ!」
「なあなあ、あんた名前は!?」
「俺はニックっていうんだ!よろしくな!」
「俺はトニーだ!よろしくな!」
「俺の名前はジョンだ!仲良くしようぜ!」
「えっと……あの……」
怒涛のように押し寄せてくる男の人達。
あまりの勢いに圧倒されてしまう。
だけど、不思議と嫌な感じはしない。
むしろ嬉しかった。
なんで、私はこんな帽子かぶっていたんだろう?
これさえなければ、みんな普通に接してくれたはずなのに……。
しかも、このデカい帽子でみんなを傷づけていたと思うと申し訳ない気持ちになる。
「ありがとうございます!よろしくお願いしますね!」
満面の笑みを浮かべて返事をする。
すると、さらに歓声が上がった。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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