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秒速50.0m

 

ウイングヒル白鳥駅。トンネル内に駅があり、出口まで300mほどトンネルをとぼとぼ歩かなくてはいけません

 ミカキューは基本的に車両以外の設定をするつもりはありませんが、画像を作る際に風景のひとつもほしいことから、最低限の設定はおこないます
 上の画像の駅は「ウイングヒル白鳥」駅。スキー場の最寄り駅です。しかし線路はスキー場の下、全長43kmにも及ぶ名金トンネル内にあります。もともと単線のトンネル内で列車の行きかいを行うための信号所でしたが、スキー場に(地下通路を300m歩くとはいえ)アクセスできる距離であることといざというときの避難経路としても活用できることから開設された駅です

ウイングヒルズ白鳥駅の位置とスキー場の位置関係。トンネル内の駅からスキー場出口まで約300mの地下通路を歩かなくてはなりません


 オフシーズンは普通車が4往復停車するのみですが、ハイシーズンになると美濃白鳥駅から特急列車に接続する『特急連絡』という季節列車が当駅まで運行されます。その際は多くのスキー客でにぎわうわけですが、いざ電車が駅に到着すると運転士から「速やかにホームから退出願います。ただいまより1分後にホームと待合室の間の仕切りが閉鎖されます」とアナウンスがあり、ドア扱いから1分後に分厚い鉄製の仕切り扉が閉まります
 電車もドアを閉め、(ワンマン運転ですので)運転士は折返し準備を行います
 なぜあわただしく旅客を締め出し、ドアを閉めて折返し準備をするかというとこのトンネル内を走る特急電車のせいです
 名金トンネル内では特急電車は最高速度180km/hで走行します。秒速に直すと50mになります。抵抗によって多少は風速は落ちますがそれでも台風並みの暴風がトンネル内を吹き荒れることは想像に難くありません。そのためホームに滞留することはもちろん、折返し作業中の車両もドアをしっかり締めて暴風から乗務員を守る必要があるわけです

青いところが鉄扉でがっちり閉じられている出入口。駅看板には「ホームに滞留しないでください」という表記が


 おそらくモデリングすることはないでしょうが、分厚い鉄扉の向こうの待合室のさらに先にも分厚い扉があることでしょう。二重扉にして地上とホームを完全に隔離しないと、気圧差で待合室がとんでもないことになってしまいます。ですから手順としては
列車が接近する→待合室~出口間のドアがロックされる→電車が到着し、ホーム~待合室間のドアが開く→乗降終了→ホーム~待合室間のドアロック→待合室~出口間のドアが開く、という手順になります。面倒くさいですね。でもこんな駅が一駅くらいあってもいいかな、と思いました


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