結局作り直しました


顧客が望む仕様に対して「できませんでした」で返す企業じゃねえよな。少なくとも日本車両製造は

 前回日車オデコを強調しすぎて行先表示機を入れられませんでしたと書いた8000系ですが、改めて考えてみると日車がそんなマヌケなへまをこいて、それを顧客に引き渡すなんてことはしねえよな、って考えなおしました
 なので寸法を改めて再検討して正面を作り直すことにしました

全体的なリフトアップと貫通扉高さの見直しですね

 まず前のモデリングでの問題点を洗い出したところ、貫通扉の高さが明らかにおかしい。「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準によれば、車両構造(第73条)における通路の解釈基準は

『鉄道に関する技術上の基準を定める省令』解釈基準の第73条における解釈基準

 つまり床面の段階で550mmの幅があって1800mmの高さがあればいいということになります。とはいえ550mm幅では人一人通すのがやっとですし、車いすの通過には最低でも880mmは欲しい。『公共交通移動等円滑化基準の概要』によると

『公共交通移動等円滑化基準の概要』より

 車両側の基準はありませんが、800mm以上の幅を求めています。なので可能ならば880mmくらいは取っておきたいものです。車いすでも車内を円滑に移動できるものならばできるようにしておくのがサービスというものでしょう
 で、前作の貫通路は何をトチ狂ったか高さが2200mmもあります。さすがにこんな高さは不要ですので、法令が定める1800mmまで詰めます。ついでに床面を50mm下げて貫通路の位置もそれに合わせて50mm下げます。おでこも少しだけ貫通扉の部分をリフトアップし、なだらかな曲線で結ぶことで不細工感を緩和しました
 そうやって捻出したスペースに行先表示機を埋め込んで、まあ何とか形になったんじゃないかなと

外連味、大事ですよね

 8000系は落成当初こそ3M3Tで編成を組んでいますが、8800系導入の編成組み換えで5M1Tとし、8800系と同等の性能になります。なので運転曲線上は8800系と同等になりますし、座席もシートピッチ1mは共通。違いは展望席と個室の有無くらいになります。でも、一般の旅客が8000系と8800系のどちらに乗りたいかというとおそらく8800系の方だと思います
 名鉄も「商品力」を教えられる重鎮がごっそりいなくなり、3ドア通勤車をズンドコズンドコ作っている時期に登場したのが8000系です。またバブル崩壊後の不景気な空気もこの8000系の外連味のなさに一役買ってるのだと思います
 そう言った時代背景も車両スタイリングに盛り込めていければいいなと思っています


登場時の6両つなぎ。編成になるとなかなかいいじゃないですか、と自画自賛

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