ああ、自分はこれが好きなんだ
南海7001系。側面窓と正面窓、ドア窓などの大きさがきれいに揃った端正なボディと強トルクのMB-3072モータをやさしく御するVMCコント。そして三山ベローでしか味わえないふんわりとした乗り心地。と言わずもがなのインテリア。ほんと上品な電車が多い南海電車においても、7001系のしっとりとした、和菓子のような上品な甘さにつながる品の良さは何度乗っても素晴らしいものだと思いました
しかしそんな品ある甘さをぶち壊しにするような事態が7001系に降りかかります。1000系登場後に南海のコーポレートアイデンティティがどうだかこうだかという観点から、7001系も1000系に準じた塗装に変更されました。何しやがんだ南海電車あの上品な7001系に! と思ったんですが、萩之茶屋で新塗装をまとって駆け抜ける7001系を見て「これはこれでありだな」と思いました
図らずも7001系で自分の性癖を再確認した感じです
そう、「不似合いなリノベーション」が俺は大好きなようです
鉄道車両の寿命は209系登場後も通勤型で30年以上はありますが、設計時に30年後の未来を的確に予想なんてできません。なので営業政策の変更で使いづらくなる車両というのは当然生まれます。そう言った車両を生まないために「寿命半分」の209系がデザインされたわけですが、209系だって13年でぶっ壊れるわけじゃない。使おうと思えばもっと長い期間使えます。そこである程度の年月が経ったら必要最低限のリノベーションをして姿かたちを変えて営業に使用する、という流れが生まれます
リノベーションに使う部品は当然現代の部品ですし、塗装も新型車両に合わせるのであればまるで似合わない可能性もあります。全般的なスタイリングは30年前のセンスなのに、灯具はLEDとか現代の部品が使われるとか実にバロックじゃないですか!
そして改造にだってコストがかかるので、先が見えた車両にあまり大規模なリノベーションはしたくない。そうなると種車の面影がしっかり残ったうえで不似合いなリノベーションが行われるわけです。不格好と言えば不格好ですが、かつてのスタートレインが現代の潮流についていくべく必死で頑張っているようにも見えて、個人的にはとても好きなんですよねこういうの
なので自分の架空鉄道でもリノベーション車両はあえてカッコ悪く、だけど凛と筋を通したそんなスタイリングでまとめていきたいなと思っています