60年越しの悲願

 名鉄って北陸地方の進出のために戦前からいろいろ画策していました。わかりやすいのは1965年に運転を開始した『たかやま』(のちの北アルプス)ですね
 当初は高山までの運転だったのを富山まで延伸、さらに富山地方鉄道との関係を強化するため富山地鉄に乗り入れまでしていました。さらに金沢・小松エリアでは尾小屋鉄道に肩入れしたり北陸鉄道を名鉄の系列にする(半分押しつけられたようなもんですが)など、北陸とは縁の深い会社です

8000系特急型電車をモデリング中。外連味のない地味な正面ですが最高速度は150km/h、ギアリングは4.82と100km/h以上の高速域加速力に全振りしたセッティングです。1995年製造とはいえちょっと1992年っぽい感じがしないでもないです

 そんな名鉄なので越美南線にも色目を使っていました。沿線自治体からは名鉄に越美南線の運営を任せられないかといった打診があったらしいのですが、いろいろあって折り合いがつかず話が消えてしまった経緯があります
 なので美加急行は「名鉄と沿線自治体の折り合いがついて名鉄と沿線自治体、北陸鉄道が出資した第三セクター鉄道」という世界線で設定しました
 まあ個人的には歴史にいささかの興味もないので、史実を接着剤でツギハギスタッカートしただけのバックグラウンドにすぎませんが、それでもないよりはましというものです
 そんな鉄道なので車両に関しては、名鉄の思想が強く入ったものになるべきだと思いますし、同時に「名鉄ではできないことを実験する路線」としても活用されるわけです
 当時の名鉄…あ、今もか。とにかく名鉄はスピードに並々ならぬ関心を持つ会社で、車両のセッティングも極端なまでに高速側に振っています。今時の通勤電車でギアリング5.65とか頭おかしいとしか思えません。こんな頭のおかしなセッティングを施す民鉄は他に小田急くらいしか思いつきません。あ、あそこもスピード狂だな

今時の標準的なインバータ電車だったらギアリングなんて6.53とかです。ちょっとスピードが欲しくたって1段浅くした6.06でも120km/hくらい十分対応可能なのに、名鉄はさらに1段浅い5.65を採用しています

 なおミカキューは名鉄以上に高速性能が必要なのでギアリング5.28が標準となります。これも名鉄の影響ということになりますね
 名鉄が躊躇していることを率先してやるという意味ではステンレスカーがそうですね。名鉄としても塗装を省略できるステンレスカーの導入は古くから、いうなれば6500系あたりから関心はあったそうなのですが、名鉄=赤い電車のイメージを大事にする上層部からなかなかGOサインが出なかったとか。そこで先行してミカキューでステンレスカーを採用し、上層部にステンレスカーの実用面での利点を認識させる、それによって2002年に小牧線用として300系が登場するという流れになるわけです
 そしてこれはいずれモデリングしていきますが、国鉄から美加急行への経営移管は1984年を予定しています。これは早々に転換交付金をもらいながら越美南線の高規格化工事と全長43kmに及ぶ名金トンネルの建設を可及的速やかに行うためです

長良川鉄道のLE-car。美加急行では名鉄と歩調を合わせてLE-carを導入しますが、名鉄は二軸車、ミカキューはボギー車とわけて導入してもいいかもしれませんね


 そして高規格化と電化の進捗までは、最低限の設備投資としてLE-Carを導入します。ちょうど同時期に名鉄がキハ10形を導入することに合わせて、LE-Carを運用しようというわけですね
 この際名鉄は輸送量から二軸のレールバス、ミカキューはボギーのレールバスを入れてそれぞれ実証実験的な感じで走らせるのもありかと思っています
 とまあこんな感じでうまく名鉄と歴史を絡め合わせながらミカキューの車両を創っていければと考えています

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