模型に乗せる設定の楽しさ


クハ8831+デハ9881。このわけわからん車番が今回のキモだったりします

 先日うっかり鉄道コレクションの上信電鉄クハ304が出土しまして、連結相手もいないことだし以前119系を民鉄払い下げ列車風にした車両の相棒として仕立て上げようかなということで床下と屋根を軽く変更して、塗装もアレな感じにしてみました
 車番はクハ8831、相棒の元JR119系はデハ9881となります。じゃあこの列車は8800系なの? それとも9800系なの? となりますが、この自由型電車の走る鉄道路線には系列という概念がありません。車両番号はこの電車がどのようなシステムか、ということを示すものでしかないためです

やまびこ電鉄の車両課に偏屈なおっさんがいたんでしょうね実に偏屈な附番法則です

 元上信電鉄304は自重28tとしています。なのでクハ3XXXとなるところですが、AK-3などという骨董品CPを積んでいるため5を加算して1000の位は8。制御方式は相棒の元119系がVVVFインバータなのでそれに合わせてMAPなので8、ブレーキは相棒がMBSA-1Aなので3。ブレーキパッドはシングルのユニットブレーキなので5の加算はありません。そして1両目の車両なので1位は1。これでクハ8831となるわけです
 うわ…めんどくせえ

クロスポイントの自由型電車ですね。板キットが余っていたのでちょっと組んでみました

 こちらは屋根の抵抗器カバから分かるように、連続勾配を軽快に走るよう設計された電車、という設定です。モータは勾配線なら三菱だよな、ってことでMB-98A。トルクマシマシの100馬力モータをHBFで勾配路線をぶん回す。これこそ三菱電車の醍醐味と言えましょう
 さて形式ですが、MB-98Aは75kwのトルクモータ。これを4台吊っているので総出力は300kw。運転台付きなので千位は2+5で7。百位はHBFなので5、ブレーキシステムは山岳電車ならSMEだろってことでSME-D。なので1+5は6。1位はトップナンバーなので1。これで形式はデハ7561となります
 それにしてもなんでこんなめんどくさい附番法則になっているのか。やはりこれは俺の考えている架空鉄道、やまびこ電鉄が中小零細万年貧乏倒産寸前鉄道だからというほかありません
 万年貧乏で倒産寸前の鉄道なので、自社発注の新車なんて夢また夢です。勢い他社から中古車両を譲り受けてフリートにせざるを得ませんが、当然システムはバラバラです。なので車番に「制御方式とブレーキ方式」を入れておいて、どの車両と併結可能か番号を見ただけでわかるようにしたかったというわけです
 さらにやまびこ電鉄には阪神とは関係ありませんが33.4‰の連続勾配があります。なので電動車のパワーと重りになるT車の質量は重要事項。というわけで車番にこれらも組み込んでおきたいのです。さらに電制付きかどうか、CPがあるかどうか、クラスプブレーキかシングルブレーキかなど、このあたりも勾配に関する情報ですね
 つまりこういう車番法則から「やまびこ電鉄はえぐい勾配のある零細鉄道」を表現しているわけです。伝わってるかどうかなんて知ったことではありませんが

クハ207+クハ205。これを電装して2両のローカル温泉電車にするわけです

 とりあえず塗装の感覚も思い出したので次はこの2両を自由形に変身させます。足回りはJR東日本のE129系で採用された0.5Mシステムの2両ユニットがいいかな。ただ、モータはえぐい勾配の対策用に190kw、ギアリングは6.53くらいを考えたいところですね
 そしてやまびこ電鉄ではこの列車の車番はモハ8881+モハ8882となる予定です
 ところでこんな附番法則を考えておいてなんですが、もしこの鉄道に営団地下鉄から丸の内線用の300形あたりが入線したら車番でひと悶着おきそうですね。営団300形のブレーキシステムはSMEE。そうなると10の位はSMEの電磁弁装備型なのだから6? それともSMEとSMEEは別物と主張して「そのほか」の9? いやいやSMEEなんて機能的には実質HSC-Dだろということで7?
 偏屈が揃ってるやまびこ電鉄車両課がどんな判断を下すのか? 個人的にはとても気になります