NHK党 立花孝志 と AV女優&AV業界
NHK党の命運を賭けた参議院選挙公示まで残すところ約一週間となった2022年06月14日、立花孝志氏のTwitterでの発言が波紋を呼んでいた。
数日前からAV女優を参院選へ擁立すると発表していた立花孝志氏だが、結論から言うとその計画は断念する運びとなった。しかし、擁立断念を発表した発言の内容が一部で問題視され、実際に交渉をしていた人物と、AV業界に詳しい人物から”発言の訂正と釈明”を求められてしまったのである。
本記事では、私個人の見解や意見は挟まず(最後にまとめます)今回の騒動の成り行きから顛末までの事実のみを紹介する。
また、本記事で扱う話題の他に、この数日間でもNHK党関連では様々な動きがあったのだが、それに関しては”選挙ウォッチャー ちだい”氏がすでにまとめたレポートが公開されているので、興味のある方はそちらも合わせてご覧いただくと良いだろう。
騒動までの成り行きと発端
AV女優擁立とAV政見放送の発表
AV女優擁立の話が発表されたのは、2022年05月27日。
ほぼ毎週行われているNHK党定例会見の場で「AV規制に関する法改正に反対する(要約)」とした。また、「政見放送に無修正AVを持ち込んで流す」と発言、「どこまでが公序良俗に反するか、NHKがどう処理するか、基準が知りたい(要約)」と語った。
この会見を行う直前の立花孝志氏のTwitter発言がこちら。
そして会見が行われた同日夜の発言がこちら。
それから約一週間後の発言がこちら。
名前の挙がった人物と、騒動のはじまり
それからまた一週間後に、ここで初めて今回の騒動の一役を担うことになった”月島さくら”さんの名前が挙がり、「記者会見します!」と発表。
(※敬意を示す意味で敬称を”氏”ではなく”さん”とします。)
その翌日夜の”月島さくら”さんの発言がこちら。
そして翌日には一転し、問題視されたTwitter投稿がこちら。
「アダルトビデオ業界は、悪い事していて、いつ警察の取締りを受けるかわからないから、目立つ行動【立候補】をセクシー女優にさせられない!」
この発言を念頭に置いて、以下を読み進めてほしい。
異議を唱えた人物
当事者と業界通フリーライター
問題視される投稿がなされたのは06月12日の夜ではあるのだが、当日と翌日は特に話題になるようなことは無く、この発言が注目を浴びたのは14日になってからのことである。
ここで先に、立花孝志氏の発言に異議を唱えた人物2名を紹介しておこう。
1人は名前の挙がった当事者”月島さくら”さんである。
もう1人は”中山美里”さん、性風俗や女性の生き方などを中心に雑誌、WEBで取材・執筆を行うフリーライター・編集者である。
06月14日の夕方頃から交わされた、立花孝志氏と”月島さくら”さんと"中山美里"さんの3名のTwitterでの会話をそのまま以下に紹介する。
Twitterでのやり取り
”月島さくら”さん”中山美里”さん両名の上記問いかけに立花孝志は続けて返答をすることはなく、以下のように応えた。
そうしてすぐに公開されたのが以下の動画である。
(興味のある方、お時間のある方はご覧ください)
立花孝志氏の返答の要約
動画での話の内容をざっと簡潔にまとめると以下の通りだ。
さて、一連の騒動は上記したもので収束しているが、Twitterでの3人の会話と、立花孝志氏の動画での説明の整合性については最後にまとめて述べる。
その前に、今回の立花孝志氏の発言を目にした他の人々の反応がどうだったのかを見てみよう。
その他の人々
以下は、問題視された立花孝志氏のTwitter発言以降の12日~13日の間に投稿されたもので、”月島さくら”さん”中山美里”さん両名の立花孝志氏に対するTwitter発言は14日の夕刻であるため、その前に見た人々の発言である。
立花孝志氏の発言に異議・言及をする人々
立花孝志氏の発言を擁護・応援をする人々
動画が公開される前のNHK党支持者たち
以下は、立花孝志氏が「Youtubeで」と発言してから実際にYoutubeで該当の動画が公開されるまでの間に投稿された、NHK党支持者とみられる方々の発言である。
違和感と論点のズレ
両名の質問と要求、立花孝志氏の回答
まずは上記「その他の人々」の支持者とそうでない人々の温度差、応援することが最初から大前提にある「支持者」と、冷静に物事を見ようとする他の人々の違いはご覧の通りなのだが、不思議なのは動画が公開される前にあたかも「立花孝志は正しい」と言わんばかりの発言をする人々の存在だろう。
では、Twitterでの会話の論点をまずまとめてみよう。
問題視されたのはこの部分である。
この発言に対する”中山美里”さんの言葉は、
それに対する立花孝志氏の返答、
これだけを見ると意味がわからない返答であるが、その後の発言と繋げてようやく何が言いたいかは理解できる。
意訳は割愛するが、この内容が動画での説明のそれである。
この立花孝志氏の返答に対し、”月島さくら”さんが返答する。
続けて”中山美里”さんも返答をする。
「指示が出ている!」と発言する立花孝志氏に対し、”月島さくら”さんと”中山美里”さんが「指示は出ていない」と否定し撤回を求めた格好だ。
※1から分岐した会話で立花孝志氏は、複数の関係者から聞いたとしてこう発言している。
何人の関係者から聞いたのか、何人の売春しているAV女優がいると思っているのかわからないが、「大勢いるのは否定しないでしょう?」という言い回しは、それを聞いた者は「売春しているAV女優が大勢いる」と印象付けてしまう発言である。
立花孝志氏が意図的にそのような言い回しで言葉を選んだかどうかまでは知る由もないが、その後の動画での「多くのAV女優が売春をしているなんて思っていない、言っていない。」という釈明には筋が通らない。
”第三者にそう思わせる節のある発言”をしていたという自覚が、立花孝志氏に無かったということだろうか。
また、「複数の関係者から聞いた」とする発言に”中山美里”さんはこう反論している。
”月島さくら”さんと”中山美里”さんの反論をまとめると以下の通りだ。
これに対する立花孝志氏の動画での説明をまとめると以下の通りだ。
この立花孝志氏の発言のうち、どこまでが聞いた話そのままなのか、どこからが立花孝志氏の想像と思い込みなのかは知る術はない。果たしてこれが両名への回答になっただろうか。
また、これを見た皆様はどのようにお考えになられただろうか。
”中山美里”さんは今回の件の最後にTwitterでこう発言されている。
警察のサジ加減とは
以下は本件とは関係の無い余談である。
今回に限らず、これまでの立花孝志氏の話の中には、ときおり「警察のサジ加減」という表現が出てくることがある。これは正確には「担当警察官の気分や機嫌のことではなく、取り締まりを受け持つ管轄(警察)としての法律の解釈・方針」のことである。
そのため、「気に障るとすぐ挙げられる」ということは基本的には無く、グレーゾーンから逸脱して目に余るようなことがあった場合に、注意や警告を経て摘発となる場合が多い。その際、必要であるならば警察として法律の解釈・方針の変更がなされるのである。
これは、刑法をはじめ条例などにおいても細部まできちんと厳密に定義されているわけではないため、具体的にどのような場合に摘発対象とするか、法律の条文上で曖昧な部分を予め警察内部で定義し、統一しているのだ。
とはいえ、所轄の判断で行われる捜査や摘発の規模で「気分次第」と言われるように見えることがあるのも事実だが。
立花孝志氏の今回の動画の中で話に出た風営法を例に出すと、風営法の管轄下にあるのは何も性風俗店やパチンコ店だけではない。ゲームセンターの一般遊戯施設もその管轄下にある。
ゲームセンターにある賞品を得ることのできるクレーンゲームやアーケードゲームの仕様、扱う賞品などについても警察内部での方針に沿って取り締まられるため、該当する企業や店舗はその警察の方針に沿って営業をすることになる。これはなにも企業や店舗が警察の顔色を窺っているのではなく、時代背景や経済状況といった事情による変化に対応するため、先に警察に安全でトラブルが起きないための指針を示してもらい、それを受けて企業や店舗が対応をするという流れになっている。
法改正などがある場合は特に、法改正がなされた後の警察の解釈と方針が示されるのを待つ必要が出てくるというわけだ。
警察の解釈と方針の変更は、一般人に洩れなく影響するような大事でもない限り公開はされないが、関連する企業や店舗へは基本的には通達される。
ちなみに、先日一部で話題になった公職選挙法違反の疑いに関しても、「警察で解釈を検討する必要がある」とされ、直ちに合法であるとも違法であるとも判断ができない案件となった。
この件も言ってみれば「警察のサジ加減」と言えよう。
NHK党 立花孝志 と AV女優&AV業界(終)