理系大学院留学〜出願から合格までの話〜
こんにちは。さむです🌱
2023年9月にイギリスの大学院に入学し、2024年7月現在、在籍中です。今回は大学院留学にあたり、出願から合格までの流れを書いていこうと思います。
。。。
と、留学ブログっぽい事を言ってみました😅先にお伝えすると、私のスケジュールは理想的で一般的な流れから大分外れています。留学を検討していてこのページに辿り着いた方、申し訳ありません。参考になりません。他の留学生がまとめた素晴らしいブログがたくさんあるので、そちらをご参照ください。ただ、今ちょっと時間があって他人の人生を垣間見たい方、よろしければお付き合い下さい。
※記憶だけで書いているので、後日詳細な日付や情報を加筆修正します。
今回のハイライト
推薦状の執筆をお断りされた!
第一志望の大学に落ちた!
選考に面接があるなんて聞いてない!
振り返るとなんかやばそうですが、無事合格して今は楽しくイギリスで修論と格闘しています。
出願にあたり必要なこと
大学院留学したい気持ち(2022年6月頃 入学1年3か月前)
大学院留学しよう!と思い至ったのは今から約2年前の2022年の夏。
いきさつについてはこちら。
趣味程度にやっていたオンライン英会話レッスンで、エディンバラ出身の先生に「大学院に行きたいんですよね~あとエディンバラに住んでみたい」という話をしたら、「エディンバラ大学に行けばいいよ!来年(2023年)入学したら?」と言われ間抜けにも真に受けました。きっかけなんてそんなものです。
さっそく大学のホームページを見てみると、まさにやりたい研究、コース内容で、これはエディンバラ大学に行くしかない!となりました。
当時エディンバラ大学の名前は聞いたことがあっても、世界ランキング上位の超有名名門校だとはつゆ知らず。知らぬが仏。恐れ多くもエディンバラ大学を目指すことにしました。生命科学に興味を持つきっかけとなった羊のドリーの故郷だし🐑
エージェント探し(2022年7月頃)
大学院留学を目指すとなったら、まずは情報収集。インターネットを漁るとどうやらエージェントを利用する人が多いらしい。周りに具体的な相談をする人もいないし、話を聞いてみるか。働きながらの出願なので、時間も効率的に使わねば。ということで、イギリス留学に詳しそうなエージェント2社の無料カウンセリングを受けました。そのうち1社と有料サポートを契約。
この判断を後悔する日が来るとは当時は思いもしませんでした。
ごめんなさい。嘘を付くのが苦手なんです。。
後悔した理由を簡潔にまとめると
自分で調べた以上の情報を得られなかった。
新たな情報を得られないだけでなく、一度のみならず虚偽の情報を与えられた。
→真偽を確かめる為に、本来不要なはずの時間が無駄にかかった。出願書類完成から出願まで約2か月かかった。
エージェント側で情報共有が行われておらず、複数の担当者とやり取りする際に都度こちらの状況を伝えなければならなかった。
理由を話し始めたら愚痴が止まらなくなるので、この辺で。
エージェント推しの多くの意見があるので、利用そのものを否定するつもりは全くありません。おそらくバックグラウンドや専攻、または担当者など私との相性が悪かっただけです。
ただ、もし過去に戻ってやり直せるならエージェントは利用せずに自分で出願するか、合格したら実質無料のサービスのみ利用すると思います。
出願校の決定 (2022年8月頃)
さすがにエディンバラ大学一本にするほど無謀ではなかったので、他に出願校を決めました。エージェントとの契約内容に出願校を提案してもらうサービスも含まれていたのですが、自分の希望は自分が一番よく分かっているので自分で調べることにしました。イギリス中の大学をローラー作戦で調べまくりました。
候補を絞るための条件の例です。
コース内容 ← 一番大事!
コスト (生活費、学費)
立地 (海の近く🦀、空港や街への距離など)
直観
結果、エディンバラ大学とダンディー大学に出願することに決めました。
出願書類の準備(2022年8月~)
一般的にイギリスの大学院出願に必要な書類は以下です。(大学やコースによって多少異なる)
大学の英文成績証明書
大学の英文卒業証明書
推薦状1~3通
英語力の証明書
パスポートのコピー
Personal statement(志望動機書)
CV (履歴書)
このセクションこそ、他の方のブログを参照していただけると幸いです。みなさん美しくまとめています。
エディンバラ大学は上記に加えて,、コースに関連する専門科目の履修歴や職歴を記載した書類を作成しました。Word 2枚程度だったかと。また、直筆サインを含めた同意書も用意しました。
成績証明書を取り寄せた際に自分の成績を見て愕然としました。秀・優・良・可・不可の5段階評価なのですが、ぱっと見、優と可ばかり。つまり好き嫌いが激しい。成績なんて卒業したら関係ないと思っていたら何があるか分からないですね〜。GPAが記載されてなかったのと、専攻に関連する科目の成績が悪くなかったので留学できたのだと思います。
英語条件の達成 (2022年7月~)
多くのイギリスの大学院では出願時に英語力を証明しなくても、英語の条件付き合格をもらってから期日までに条件を達成すれば無条件合格になるという仕組みがあります。私は出願準備と英語の勉強を同時にスタートさせたので、この条件付き合格を狙うことにしました。
結局2022年9月に初受験したIELTSから成績が上がることはなく、英語条件未達成者向けのプリセッショナルコースを経由して2023年9月に本コースに入学しました。
英語の条件付き合格を狙うのは一見良い作戦にも見えますが、経験して感じたデメリットが一つあります。
英語力が未熟な状態での大学リサーチや出願書類作成は心理的にしんどい!
しかし出願を通して英語に慣れたというメリットもあります。というか、ここで挫折するようでは正規留学なんて厳しい、と思って頑張りました。
資金調達
通帳を覗くと、幸いにも1年間の留学資金がありました。老後を独りで過ごすために新卒からチマチマ蓄えていた20代の自分グッジョブ👍老後の自分、どんまい。
潔く、奨学金を得ることを諦めて完全私費留学です。
でもまさかここまで円安が進むとは。。。
出願校ごとの流れ
エディンバラ大学
一年後にエディンバラに住むんだ!と信じて疑わず、出願書類の準備を始めました。2022年9月に夏季休暇を取得して、3泊4日海沿いのホテルで缶詰めで書類作成!と意気揚々シーサイドホテルを予約。
いや、無理でした。特にPersonal statement (志望動機書) なんて何から手をつけたらいいのか分からず。結局波の音を聴きながらタイトルだけ書いて毎日ホテルの露天風呂に浸かり海の幸を堪能しました。いいリフレッシュになったなあ。(いやおかしい)
書類作成方法が分からずエージェント利用者のみ閲覧できるサンプルを参照するも、近い経歴や専攻のものは見当たりません。専攻が異なっても志望動機書の大まかな書き方は変わらないのですが、途方に暮れました。
そこで大変お世話になったのがこの一冊!
古い本ですが、理系の大学院留学におけるお役立ち情報がザックザク。学部時代の研究から職務経験などをどのように大学院での研究に結び付けるか、多くのアイディアを得ることができました。この本のおかげで志望動機書を完成させることができたと言っても過言ではありません。
他に必要な書類は、推薦状。(準備期間2022年9~12月)
エディンバラ大学は2通必要なので、学部時代の指導教官と職場の上司にお願いする予定でした。その予定だったのですが!
事情により指導教官に執筆をお願いできなくなり、これにて大学院受験終了。
いやだ!エディンバラに行くんだ!ニューロサイエンスを勉強するんだ!2022年7月に職場へ退職の意思を伝えた手前、後戻りもできない。
他にお願いできそうな大学関係の先生方を当たるも、お断りされたり退官されていたり連絡先が分からなかったり。という訳で、職場の別な上司に推薦状執筆を依頼しました。職務経験が重視されるMBA留学ではないのに、同じ組織の二人の上司からの推薦状で大丈夫かしら。と不安はあったものの、やるだけやってだめならその時諦めようと思っていました。
推薦状執筆を引き受けてくださったお二方には頭が上がりません。本当に感謝しています。お礼として海老の絵本をお渡ししましたが、感謝の気持ちを伝えきれていません。引き受けてくださった際は、「一生ついていきます!」という気持ちでしたが何ヶ月か後に退職しました。
推薦状のこともあり、気が付けば年末。
2022年のクリスマスイブに全ての書類を揃えました。年内の出願が理想とされる中、遅めの出願。心配だ。でも出すしかない。エージェントに書類を提出するも、年末年始を挟んだので年明けに出願の予定でした。その予定だったのですが!(デジャブ)
まずは2023年1月の一週目あたりにエージェントから連絡があり、出願に必要とのことで論文投稿歴の有無を聞かれ「No」と返答。またしばらくして連絡があり、研究計画書を提出するように言われました。
ケンキュウケイカクショ⁉なにそれ話がおかしい。
前回のブログでお伝えしたように、研究計画書がなくても出願できるコースを敢えて選んだのにここにきて何の話?研究室にも所属していなければ、指導を仰げる先生もいないのに、10年間業界から取り残された自分1人で研究計画調書が書ける訳がない。
大学のホームページにも研究計画書は不要と明記してあったので、そのページをエージェントに伝えると「確認します」とのことでそこから数日。しばらくしてエージェントから大学へ問い合わせるも1〜2週間返事が来ず。結局、研究計画書を提出しないと出願が完了できないとのことで、簡易的な計画書を作成することになりました。簡易的なものであろうと一日や二日で作成できるものではありません。なんだかんだやっていうちに2月下旬にやっとエディンバラ大学への出願が完了しました。
出願後に判明したのですが、やはり研究計画書を提出する必要はなかったのです!出願ポータルサイトのアカウントを自分で作成して出願ページを確認したのですが、研究計画書の欄に 'not needed (不要)'と入力すれば良かったのです。ああ、自分で出願していればもっと早く気付けたかもしれない。後の祭り。
3月下旬にメールで結果が届きました。不合格。
「他の出願者のレベルが高くて期待に添えることができません」的な内容が記載されていたと思います。
正直、ショックというより「そうよね」と素直に受け入れました。ダーウィンの後輩になろうなんて、なんて無謀な事に挑戦したのだろう。不合格になる要素が多すぎて、どれが原因か分からない。アカデミアからの推薦状が無いこと?論文投稿歴が無いこと?書かなくていいはずの研究計画調書を出したこと?大学の微妙な成績?
でも年内に出願が完了していたら結果が違ったのかもしれないかもしれない、という後悔が少しだけ残りました。
ダンディー大学
2022年夏の時点でダンディー大学へも出願すると決めていたのに、意識を取り戻した時は2023年の3月になっていました。理由も言い訳もありません。エディンバラ大学で頭がいっぱいだったのと、マルチタスクが苦手なんです(言い訳)。
エディンバラ大学用に500 words で書いた志望動機書をダンディー大学用に700 wordsにアレンジし、3月上旬に出願しました。
エディンバラ大学不合格から数日後、ダンディー大学出願から約半月後、ダンディー大学からメールが届きます。
4日後にオンライン面接やるからよろしく😉
Whaaaat?
めんせつ?聞いてない。え、よっかご?What?
幸いにも週末を挟んだので、土日に想定問題と解答集を作って対策しました。そして月曜日の日本時間夕方、腹をくくってリモート面接。詳しくは別な記事に残す予定です。
面接から数日後、3月下旬に英語の条件付き合格をいただきました🌸
はい。そうです。無謀な挑戦にも思えたイギリス大学院に合格したのです。ふふふ😚
この時点で入学の約半年前。あとは英語の条件を満たすのみ。潔くプリセッショナルコースへの入学を決めます。5月からイギリススコットランドで学生か〜自分の人生ではないみたいだな〜
家族にも職場にも「ダンディーへ行くよ!」と伝え浮かれまくった4月。大学の入学予定者向けのウェビナーに参加し、毎日YouTube でダンディーの街紹介の動画を観まくり、気持ちは完全にダンディー一色になっていました。
1ヶ月後、入学を辞退しました。
ブリストル大学
ブリストル?今までブリストルのブの字も出さなかったのに、お前は誰だ。
お察しの通り、ぞっこんだったダンディーを裏切って、ぽっと出のブリストルにあっさりなびいたのです。
2022年夏に出願校をローラー作戦で決めた際に、なぜか取りこぼしていたブリストル大学。2023年の年明けに理想のコースを見つけました。全部の科目が面白そう。何より、勉強したい領域がピンポイントでコース名になっている。ちなみにエディンバラ大学とダンディー大学のコースはもっと広い領域をカバーしていました。
でもブリストル大学だしな。留学を志す前から名前を聞いたことがあるぞ。うわ、ラッセルグループだ。仮に入学できてもついていけるのか。(なぜかブリストル大学よりランキングの高いエディンバラ大学には行けると本気で思っていた)でもランキングと大学院の難易度は関係なさそう。
などと悩みつつ、出願料もかからないし書類もほぼ揃っていたので、ダンディー大学用に用意した700 words の志望動機書をブリストル大学用に800 words に更にアレンジして3月中旬に出願しました。
そして忘れもしない4月中旬。すっかりダンディー祭りでブリストル大学に出願した事を記憶から消し始めたある日の夜中2時。ふと目が覚めてスマホを見るとブリストル大学からメールが来ているではありませんか。
条件付き合格🌸
あ、受かったのね。
はあぁぁ!?
いやいやいや。想定していない。
でもCongratulations って書いてある。
うわ、受かってる!
どうしよ。二度寝できない。
ぎゃぁぁあ。
当時一人暮らしで、誰にも迷惑をかけなかったのが幸いです。
とりあえずブリストル大学のプリセッショナルコースについてホームページを見てみると、、
出願締め切りを過ぎていました。
そう、うまい話はない。やはり縁が無かった。
いやまて、現地開催の締め切りはとっくに過ぎてるけどオンラインなら締め切りが少し遅い。
ってオンラインプリセッショナルコースの締め切りは昨日!あと数時間早ければ、、、
まて、ここは日本!先方はイギリス!時差がある!
日本の午前2時はイギリス時間でまだ日付が変わっていない!
てことは締め切りは日本時間の午前8時!!
という訳で午前3時にパソコンを開き、ブリストル大学のオンラインプリセッショナルコースへの出願手続きをしました。
あの日朝8時以降に目が覚めていたら人生が変わっていたかも。
ダンディー vs ブリストル
2校から条件付き合格をもらい、どちらに進学するか2週間ほど真剣に悩んだ4月。ビザ申請の都合もあり長く悩んでいる時間もありません。
ダンディー大学
プリセッショナルコースが現地で受けられる
面接時にコースディレクターと教授と直接お話して、疑問点を解消できたという安心感がある
専攻する分野ではブリストル大学より世界ランキングが高い
気持ちはすでに現地へ引っ越し済み
ブリストル大学
プリセッショナルコースがオンライン
コース内容が勉強したい事により近い
推薦状を執筆してくださった上司との会話で心を決めます。
上司 どっちの方が研究テーマに近いの?
私 ブリストルです。
上司 ヒースロー空港(ロンドン)に近いのは?
私 ブリストルです。
上司 出願時の志望度が高かったのは?
私 ブリストルです
上司 なぜ悩む?
私 プリセッショナルコースを現地で受けたくて、、、
上司 このご時世はオンラインで問題なし!
私 はいぃっ!
最終的にブリストル大学を選びました。
実際入学してみて、「これは自分の為に作られたコースなのではないか」と思うほどコース内容がドンピシャだったので結果オーライ。ついでに街も気に入って大満足!初めての海外生活のため現地でのプリセッショナルコースにこだわりましたが、振り返ればオンラインでもそこまで問題は無かったです。
長くなりましたが、大学院合格までの流れを書きました。バタバタと行き当たりばったりの行動ばかりですが、なんとかなりました。大学院留学を思い立ったのが入学1年前なので最初は2024年秋入学を目指そうかと思ったのですが、結局2023年秋入学に間に合いました。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。英語試験対策、面接、プリセッショナルコースの話はまた別記事にまとめます。
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