大学院留学を志した理由
前回のあらすじ
高校から大学時代にかけて生命化科学に魅了されたにも関わらず、院進せずに就職して約10年。留学中の今から約2年前に大学院留学を思い立ちます。未練を残したままの人生から、いかにしてイギリス大学院留学へと舵を切ったのでしょうか。
今回は私が大学院留学を目指した理由について述べます。
<結論>
大学院進学を実現するため。
ん?
「なぜインド料理屋に入ったのか?」という質問に「カレーが食べたかったから」と答えるようなもの。
えー、カレーなしで説明すると、大学卒業後10年のブランクを経ての修士進学という目的に対して、留学という手段をとりました。
30代でも大学院に行きたい
そもそもなぜ修士に行きたいのか
大学での研究が楽しくて続けたかったからです。
学部時代、実験手技そのものも好きでしたが、興味のある分野の知識を得て教科書に載っていない事を探求する楽しさを知りました。また、学会発表の機会をいただき大学外の研究者へ自分の研究を発表して議論した事がとても刺激になって、またあの世界へ戻りたい、という気持ちをずっと抱いていました。といってもポスターですし、学部生だったので大層な発表には程遠かったですが、サイエンスの世界を垣間見るには十分な経験でした。
また、病院に就職してからも文献を読んだり臨床研究に携わる機会があったので、一度大学で研究手法を学び直したいという気持ちもありました。加えて、当時様々な業務に手を広げすぎて自分の専門性が分からなくなっていたので、ひとつの分野をとことん勉強・研究して学位を取得し自信をつけたいとも感じていました。
なぜ卒後10年での進学なのか
これは気づいたら就職して時間が経っていたというしか、、、
いつか大学院に行きたいという野望は持ちつつ日々の業務に忙殺され、幅広い業務に手を出していたらあっという間に10年が経っていました。
30歳を迎えた頃「このままの人生でいいのだろうか」という、よくある漠然とした悩みにぶち当たり(クオーターライフクライシスと言うらしい)、またコロナ禍もあって世の中どうなるか分からないと悟り、思い切って大学院進学を目指すことにしました。
ここで問題となったのが大学卒業後のブランク。知識的な面から卒業後の再就職まで悩ましい、、、学位+αが必要と考えました。
そこで今回ご紹介するのが留学!大学院進学にあたり問題となっていたデメリットがカバーされるどころかメリットだらけではないですか‼
でもお高いんでしょう~? ・・・はい。(否定せず)
留学のメリット
再就職の際のリスクヘッジになる
正直、修士課程を修了しても再就職が困難を極めることが分かり切っていました。あわよくば前職からライフサイエンス方面へのキャリアチェンジを狙いたいところですが、ピッチピチの優秀な新卒に敵うはずがありません。そこで英語圏の大学院卒業という付加価値があれば、外資系のバイオ関連企業や医療メーカーなど就職先の候補を広げることができるのではないかと考えました。あるいは就職先を日本のみならず全世界に広げるという作戦です。
英語力向上が期待できる
大学院で研究しようと思ったら英語は避けて通れません。大学卒業から時間が経っていたこともあり、英語に苦手意識があったので留学すれば強制的に英語を勉強するだろうと思いました。実際は留学期間に英語力が上がるというよりは、海外の大学院入学の要件を満たすために英語を勉強するという意味合いが強いです。
年齢を気にしなくてよい
アジア人は若く見られる、という外見上の問題はさておき。日本でもリカレント教育が広がっているので以前ほど実年齢を気にしなくても大丈夫ですが、やはり海外の大学の方が幅広い年齢の学生が多いです。実際私の在籍しているコースは大学卒業後ストレートで大学院に入学した学生に加え、ギャップイヤーや就業経験を経てから来た学生も多いです。20代がメインですが40代の学生もいます。
なぜイギリスの大学なのか
大学院留学のメリットを述べました。続いて、様々な国がある中でなぜイギリスを留学先に選んだかについて。
イギリスが好き
なぜってイギリスに住んでみたかったから!(本音)
すみません。個人の趣味です。
好きな理由は、以前旅行でイギリスを訪れた際に、、、(長くなるので自主規制)
きちんとした建前、おっと失礼、きちんとした理由も、いや理由があります。でも一年住むので、嫌な印象のある国よりは好きな国の方がモチベーションが保てる時もありますよね~
修士号を一年で取得できる
日本やアメリカだと修士は二年が多い中、一年で学位が取得できるのはコスパもタイパもいいです。留学するとなると、生活費に加えて留学生特別プライス(!)の学費もかかるので支出が一年で済むのは大きいです。また、キャリアブランクを最小限にしたかったのもあります。
特定の分野をコースで学べる
日本でニューロサイエンスを専攻しようと思ったら理学、生物、医学系の学部の中でその領域を対象とした研究室を探すことになりますが、イギリスの大学ではコースとして存在します。よって特定の領域に対する専門的な講義を受けたりその道の多くの研究者と関わることができます。
修士の学位の種類
イギリスの修士で理系を専攻する場合、ざっくりMaster of Research (MRes) とMaster of Science (MSc)があります。(※表記方法は他にもあります)MResは日本の大学院のイメージに近く、受験前に研究室を探して指導を受けたい教授とコンタクトをとり、研究計画を示す必要があります。一方MScはTaught Masterに分けられ、受験時に具体的な研究内容を決める必要がありません。私が所属しているコースはこのMScです。コースの前半で講義を受けて専門知識を身に着けてから、後半のリサーチプロジェクトで修士論文を執筆します。
このTaught Masterはまさに私にとって理想的でした。大学卒業から時間が経っていたので研究計画を立てるのも厳しく、ブランクを埋めるために専門知識を学んでから研究内容を決めることができるのは魅力的です。学部からPhDへ直接進学するのもありですが、私のようにブランクがある人や基礎を固めたい人、学部と専攻を少し変えたい人にとって一年のTaught Masterはアカデミアへの足掛かりを作るのに最適なコースだと思います。
教育の質が高い
イギリスの大学はほぼ国立で、教育の質が管理されているために総じて教育レベルが高いです。またラッセル・グループという24校の研究型国立大学で構成された団体があり、世界大学ランキングに多くの加盟校が上位にランクインしています。
とまあ、つらつらと大学院留学を志望した理由を書き連ねました。
要は昔から好きだったカレーを食べるために飲食店を探したところ、インド料理屋を見つけた訳です。カレーが食べられればファミレスでもホテルのレストランでもよかったのですが、たまたまインド料理屋が私にとって都合がよかったのです。(インド料理屋のラッシー美味しい)
長くなりましたがここまでお読みいただきありがとうございました。
次回予告
出願書類が揃わずピンチ!出願準備から合格までのスケジュールを公開
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