親父が死んだ⑧
ソーシャルワーカーから次の日に連絡があった。
転院先が見つかったと。
それは呼吸器内科もない実家の近くの病院であった。
親父はそうか、そこに行くのかと嬉しそうにしていた。
もともと通っていた病院だったからだ。
内科の先生と面談したときに、本当は断った旨を聞かされたが、前の病院が無理矢理でもと食い下がって転院を決めてしまった。
だから治療らしい治療は出来ないことを了承して転院の運びとなった。
親父は家に帰る気満々で転院を喜んでいた。
家族はみなこれが最後なんだと思っただろう。
そして転院の日、事態は思わぬ方向にいってしまう。
続きは次回