見出し画像

RowLow52設計ログ その2

4.発注

さて、Kicadのデータが出来ました。KiCadのデータを見直して本当にあっているのか…?と2日くらい悩んでいたのですが、これ以上考えても分からん!取り合えず発注してみよう!と踏ん切りをつけました。

まずKiCadで作ったデータをガーバーファイルとして書き出します。今回はelecrowさんに発注することにしました。

こちらの記事を参考に発注作業を勧めます。今回はケースもあるのでアクリルカットも一緒にオーダーしました。ケースのデータはaiとsvgに変換しました。

5.待つ

この間にファームウェアを作れば良いのでしょうが、基板見てからじゃないとやる気が出ねぇ!ということでコーヒーを飲みながら待ちました。一番安い発送方法を選んでも大体2週間足らずで到着しました。

初めての自作基板です。テンションが上がります。

6.組立と絶望

届いたので早速組み立てます。
が、しかし…
・ProMicroの向きが逆
・LEDテープの向きも逆
なことに気付きます。
LEDは最悪光らなくても機能に問題はないのですが、ProMicroの向きが逆なのは非常に不味い…

本来この向きに付けたかったのに
逆になってしまったのでこの向きにしか付けられない

逆になってしまうとProMicroがMXソケットに干渉してしまうのでどうしたものかと考えました。
そこでPCBの表からProMicroを差し、2キー分を犠牲にすることで50キーのキーボードとしては使えるのではないか?と思いつきました。それがこの様子です。

取り合えずこの状態で組み上げると50キーのキーボードとして動きました。配線等は失敗していないみたいで一安心です。

キーは少なくなってしまいましたがちゃんと動きます。

6,5. ファームウェア

組み立て作業とファームウェア作成は平行して行いました。
プログラム等今まで作ったことがないので、参考書を目を皿のようにして読みながら少しづつ進めていきました。
当然のように沢山エラーが出るのですが、google翻訳に助けてもらいながらエラー内容を1つずつ確認し修正していきました。

この作業では Self-Made Keyboards in Japanというコミュニティで手助けして頂きました。有難うございます。感謝しても感謝しきれません。

ファームウェアを作って思ったことは、【エラーが出たら直せそうなところから直す】のが大事だなということです。
エラー項目が3つ出たとしても、1か所直せば全部エラーが消えるということも度々ありました。ですので「なんじゃこりゃ」というのは後回しにして分かるところから一つづつ潰していくのが効率的だと感じました。

7.改良

この状態で一度ビルドログを投稿したところ、フォロワー様から
「背が高いコンスルーを使うか、ピンソケットを使うなどすればソケットに干渉せず裏側にProMicroを実装できるのではないか」とアドバイスを頂きました。

確かに高さがあればいけるかもしれない!と目から鱗で早速コンスルーを購入し改良。見事に当初付けたかった方向に実装することが出来ました。

TypeCでも余裕がある高さです

8.ケースとまた小さな絶望

厚みや薄さには特にこだわりが無かったので、やったー!と思いケースを組み立てます。…がしかし。
・ボトムプレート(大)のネジ穴がずれている
・ボトムプレート(小)のサイズがずれている
というミスを発見。
これに関しても完全に確認漏れですね。何日も悩んだのにどうしてこうなってしまったのやら…と遠い目になってしまいましたが、スイッチプレートが成功していたのが救い。なんとか力技で組み立てて実用に至りました。
(ビルドログ推奨)

9.仮完成

脇からマステが覗く

ということで、紆余曲折ありましたが何とか理想の配列のキーボードを作成することができました!が、やっぱりもうちょっと何とかしたいという気持ちがあるのでVer1.1を再度発注。

10.再発注

ProMicroとLEDテープの位置を修正し、それに伴う配線のやり直し。
ケースデータも再度作成しなおしました。

ver1.1は白基板
ケースも問題なく完成!
上がPrototype、下がVer1.1です。

改良版のPCB・アクリルプレートは共に問題も無く、無事に完成しました。
まだLEDテープを光らせるファームウェアを書けていないので、そこはおいおいやっていけたらと思います。
取り合えず機能面では問題なく使えるので一旦完成とします!

11.使用した感想と名付けの由来

当たり前なのですが、自分の理想の配列を詰め込んだキーボードなのでめちゃめちゃに使いやすいです。
当初の目的通り、FPSのプレイが快適になりました。
・一般的な60%キーボードからの移行コストが非常に低い
・横幅が60%キーボードより狭い
この2点が特に拘ったポイントなので、実現できて良かったです。

このキーボードは【RowLow52】と名付けました。
ロウ(Row)スタッガードを採用した、ロー(Low)センシに優しい52キーのキーボードという意味です。

LEDを光らせるという課題が残っていたり、使っているうちに改良したくなるポイントは色々出てくると思うのですが、長く相棒として使っていきたいキーボードが出来てとても満足しています。

アドバイスを下さったり、見守ってくださったり、お力添え頂いた皆様のおかげです。本当に有難うございます。これからも楽しい自キライフを送っていけたらと思います。