脳出血〜リハビリは開始できるのか⁈

リハビリ病院は、週に一度しか面会が出来ないので、
わたしの仕事が休みの、毎週土曜日に 面会に行くことになった。

転院して、最初の1週間は
夫は ほぼ一日中眠っていたそうだ。

６月８日
転院後の初めての面会で夫に会った時、

あけちゃん！オレ、意地悪されてるねん！

と、ミトンをはめられた手を見せて

これを外して欲しい！

と、涙ながらに訴えた夫。

無意識に
経管栄養のための鼻チューブを抜去してしまうため、その防止対策としてミトンをはめられていたのだ。

『鼻のチューブはさわらないでね。
抜いちゃダメなんだよ。』

『そのミトンも、嫌だよねぇ。
でも、あなたがチューブを抜いちゃうから、
今は仕方なくはめられているんだよ。』

と説明したが、夫は全く納得していなかった。

早く家に帰りたい

早くお水が飲みたい

と、泣いていた。

その様子は 駄々をこねる５歳児のようだった。

それから1週間後の
６月１５日 は、
夫の弟夫婦が 滋賀からお見舞いに来てくださった。

実は夫と弟と義兄（姉の旦那様）は、父の葬儀後に相続のことで揉めに揉め、大喧嘩をしてしまい、

夫は

もう 弟にもお姉さんにも二度と会わない！
オレが死んでもあいつらには連絡するな！

と激怒していたのだが
そのことはすっかり忘れてしまったみたいだった。

この日の面会では、わたしを認識すると

あけちゃん！
あけちゃんはなんで全然来てくれなかったん？？
ずっと待ってたんやで！

と、お怒りモードで泣いていた。

弟の存在に気づいていなさそうだったので、

『まさくんが来てくれたよ！』

と伝えると、

え？まさくん？
まさくんはどこからきたん？

と質問したくせに、
弟には興味が沸かなかったのか
すぐに会話が終了し

陽奈ちゃんは？
陽奈はどこにおるん？
陽奈ちゃんは来てないん？

※陽奈はわたしの娘です。

『陽奈は、仕事やで。
面会に来たがっているけど、土曜日はお休みできないねん。ごめんね。』

陽奈が面会に来れないことを知ると
夫はとってもションボリした。

実は夫は脳出血で倒れたあと、
陽奈とわたし以外の家族のことは
全く口に出さなかった。

自分の娘の真由と美由のこと、
そしてわたしの息子の亮輔のことは
一切口にしなかったし、
不思議なことに
彼らが面会に行っても、彼らに対しては無反応だった、
それに
わたしが彼らの話題を出しても、
全く興味を示さなかった。

せっかく、滋賀から来てくれた弟ともほとんど会話はなく、
この日の面会は終了した。