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大きくなる、ということ

おでこの通院から明日で一週間。まだ鼻水が止まらない。目やにや鼻水はましになってはいるけれど、一週間くらいで治まることがほとんど、と言われたその、ほとんど、には達しなかった。気のせいかもしれないけれど、目の回りの毛がフワフワになってきているので、これは明日、通院した時に聞いてみようと思っている。目薬でまつげが長くなるのと同じことが起こってそうだから。

おでこ鼻水以外はすごく元気で、体重も順調に増えているし、日に日にできることが増えている二匹。運動量もやってることも日に日に凄みを増している。一回り大きなおでこが、変わらずおひげの面倒をみているし(と思ったら、おひげを枕に寝たりもしてるけど)、おひげはおでこを見ながらできることを増やしている。日々、目に見えて成長してるワンダフルな二匹よ。

推定では生後2カ月と10日くらいなので、平均でいくと体重は1㎏ほどになるはずなのだけど、今日の段階でもおでこで100g、おひげは200g近く軽い。体重や食餌量がすべてじゃないけれど、里親探しの会は生後二か月以上、体重1㎏以上を目安に参加させているらしく、条件に満たない二匹は今回、見送ることになった。参加したらすぐに決まると思います、と言われていたので、来週中くらいにはいなくなっちゃうつもりで預かりを始めたけれど、もうしばらくはこのままで。

うちで飼っていた猫たちも野良仔を拾ったのだけれど、食欲旺盛で健康だったし(目やにもなかった)、体重や月齢による平均的な成長なんて気にしたこともなかったので、感覚的には全然違う、というのが家族の印象。保護した猫の場合は、それまでの生活がどんなだったか分からないし、団体の人が言うには手のかからない仔はほとんどいない、という状態らしく、うちで飼っていた猫を基準にしてはいけないらしい、ということが分かってきたのが、おでこが鼻水を出した時だった。

つまり、事が起こってから。遅いよねww

もっと早くにそういう話を聞いておけばよかったのだけど、最初にそういう説明は何もなかったし、おでこが猫風邪をひいたから分かったことがたくさんあった、とも言える。預かりの経験がないことは伝えたけれど、哺乳瓶でミルクを飲むような、ノラの仔猫を育てたことがあるのは確かだし、こっちにどれだけ知識があるかをしっかり確認してから預かりを始めたわけじゃないから(そうじゃない団体もあるだろうけど)それが当たり前なんだろうけど、私ったらほんとに体当たりで飛び込んだんだなー、と今は思う。

もちろん、やろうと決めた時に覚悟を決めて、分かってない自分も想定していたんだけど、実際にやってみたらそんなのは足元にも及んでなかった、というのが今の感覚。どんな時も、現実はいろんな意味で何十倍も濃くて、みっちみちだ。

猫が生まれてからどんな推移で育っていくのか、平均値が分かってるというのは大事だけれど、それに囚われてると為りのままに成長しているのを邪魔することも出てきちゃうし、なにごともほどほどにだな、と思う。だって500gとかの体重の仔猫で一日10gも増量していくのだ。さらに一週間もすれば一日15g、20g、と増量率が上がっていくという・・・率直な感覚としては異次元の成長率。

とはいえ、900gを少し超えて、うわあ、おでこ大きくなった~!!と思っている私たちの感覚とはウラハラに、まだ1㎏にも満たない仔猫は体調的にも不安定だし、少し食べなかったり飲まなかったりするとあっというまに弱ってしまう、というのも事実なのが、ムムム・・・なところで。

ワクチン接種をお母さんからの免疫がきれてきた二カ月を目途にしつつ、体重が1㎏に満たない場合は様子を見ているのも、ワクチンで体力を使うからだし、それだけ安定してないってことでもあって。それで週末の里親探しの会は見送りましょう、となったわけだけれど、この時期に猫風邪をひいたおでこは、そうした成長の狭間で体を調整しているとも言える。

ごはんの好みが頻繁に変わったり、ちょこちょこ食いなのも、躾うんぬんの前に、ハイスピードで成長している体がそう反応しているだけ、というのはもちろんあると思う。おでこの偏食については、鼻の不調による影響は大きいだろうと感じているけれど(おひげはまた別)それは体調や環境が、嗜好や性質に大きく影響してることの証。それって誰にでも多かれ少なかれことだけど、それがなんなのかを自分で感じたり、誰かに感じてもらったりすることで変わるよなーとこの小さい二匹を見ながら思う秋。

よく、病気や怪我なく育ってくれるだけで充分、というけれど、それはもう、ほんとにそうだ。少し先の未来、別の家族がこの仔たちを迎えてくれると思うと、もうほんとにそれしかなくて。とにかく健やかに気の良い子にお育ちよーと願う。

猫や犬の場合は人間よりも生まれてからのスパンが速い分、いろんなことが凝縮してやってくるので、渦中にいてもわりと俯瞰して感じられることも多い気がする。個人的にじわじわ身に染みてきてることのひとつが、成長した個体と成長途中の違いだ。

今は元の飼い主だった弟の家に里帰りしてるワンコ。数年前にいきなり下痢になって、難病性だからすぐに入院しないと死ぬよ、と言われたことがある(おかげさまで食餌で完治)。あの時、私は自分よりも小さくてモノも言えないワンコを、ただひたすら小さい存在として感じていたんだけど、どんなに小さく思えてもワンコはすでに成長を終えた大人だったのに、それは無視してたということに、仔猫たちを見ていて気がついた。

そうなのだ。成長を終えたものと、成長途中のものは確実に違う。

その違いが分かってるかどうかは確実にあったんだよ、ということが、今ならわかる。それが分かってるかどうかが、どれだけ大きいかってことも。

成長期というのはその時しかないもので、その時にしかできないものだけで構成されている。ただ瞬間瞬間、ひたすら飛躍的に成長し続ける時。それは一回しかない。二度とない。そして大人というのは、それがたとえどんな状態であっても、そのオニのような山場を数多越えてきた、完成された存在なのよね。それを同じに思うのは違うんだよね。

今年は暖かい日が続いていたのに、昨日はいきなり強風とすごい雨、短い時間だけどアラレも降った。小さい猫たちにははじめての冬の気配。少しずつ寒さが当たり前になっていく。お母さんの免疫から自立したてのチビたち。これ以上他の菌が入らないように、おでこの鼻風邪、早く治さないとなー。点鼻点眼薬も切れたので、ひとまず病院に行ってきます。

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