東田直樹氏が文字盤で話す理由 その1
我が家の中学生の長男は、いわゆる「重度自閉症」です。
NHKのシリーズで有名な東田直樹氏の著書、「自閉症の僕が跳びはねる理由」に書かれている自閉症の症状をかなり網羅しているタイプです。
サムネイルの写真の文字盤は私が作ったものです。
実験したんです。自分の息子で。本まで買ってやったんです。もちろんその前に、PECS、AAC、筆談、タイピング、手話、発語以外の手法も色々試しています。我が家は米国住まいで、こちらの情報収集にも長けています。直接、関係者や専門家にも質問しています。
ここまで言えるのは、それが理由です。
できるだけ誰も傷つけないように、どうやってファシリテイテッド・コミュニケーション(FC)の危険性を伝えるか、悩みました。
そして考えたのはこれです。
どうして、文字盤やキーボードじゃないといけないのか?
ここを検証していきましょう。
東田直樹氏は、文字も書けますし絵も描けます。絵本作家ですから。
手間がかかっても字で書けばいいじゃないですか?
漢字まで書ける。母親が隣にいる必要もない。
恐らく、これを指摘すると「一文字一文字じゃないと言葉が口から出ない」とかそういう方向の答えをされるでしょう。
ここにもそんなことが書いてあります。
口から出さなくていいじゃないですか?
書けば。
絵でもいいじゃないですか?
それこそスティック人間マンガでも。あれだけ絵が上手ならお安い御用でしょう。
話せない自閉症者の多くは絵を押すだけで話せるアプリも使いますよね。医学的に開発されているAACの事です。
タブレットでなくて、プリントで使う事もできます。
東田さんの頭脳と器用さがあれば簡単なはず。だって彼は文章を構成する能力がありますから。読み書きができるなら絵さえいらない。そういう設定も簡単にできます。
そういうツールです。発語が無い自閉症者の多くがこういうのを使っているんです。もちろん誰にでも適性があるわけではありません。なので病院で精密な適性検査をして、その人にあったアプリや設定を得るんです。今はテクノロジーがかなり発展しているので、ほとんどの人が何らかのツールを得る事ができます。
我が家はこの過程をちゃんとやっています。
そしてAACは今でも学校では身近な存在ですが、うちの子も東田さん並みに自分の言いたい事を喋るタイプなので(笑)、まあ病院の先生も学校の言語聴覚士も、
まあ彼はAACよりそっちよね…ってなってます。
面白いもの見せましょう。
字、書けるんです。見本あれば。あ。ご褒美があれば。笑
彼はフォントがアメリカンなんで、私じゃないってわかるでしょ?(私のは日本人フォント笑)
昔は文字のこだわりのせいで、結構面白い字書いてたのよ。
クリスマスフォントみたいの。笑
これはね。言語能力や習得とは違う。
これはこれ。
うちの子の場合、たぶんHappyは解っているけれど、Birthdayのコンセプトは解っていない。たぶん、「母ちゃんこれ何!これ書けばクッキーくれるんか~!」と思って書いた。
この後、クレヨン食った。
これなんです。ほぼ。
これがFCに近いです。
ほぼっていったのは、FCの操り方はこんなもんじゃないから。体に触れて教えるやつだから。
「自閉症の僕が跳びはねる理由」の一番最初の質問に書いてありますよ。最初はお母さんが手を持って書いたっての。
さあ。彼の過去を辿って行きましょう。