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眠くもないのに眠る日

音楽を聴ける状態かどうかで、そのときの自分の活力レベルをおおよそ測ることができる。

状態によって音楽の聴き方というのが違って、一番余裕があるときは作品として咀嚼するようにして向き合って聴いているけれども、何かタスクに追われてキリキリしていればそのために自分の尻を引っぱたいてもらう燃料として聴いていることがあるし、最も元気のない、もしくは何もしたくないような時には、食べ過ぎてもう食べ物を見るだけでも何かが喉まで込み上げてくるときみたいに、どんなに好きな音楽を聴いてもむず痒くなるような不快感を覚えることさえある。先週までは狂ったように邦ロックを聴きながら散歩していたけれども、ここ数日はその何を聴いても不快感に襲われるほうのフェーズである。

何をするにも順番通りに律儀に全ての工程を踏まないとできないというのはかなり不便である。

浪人生の頃、文転してほぼゼロから文系科目をやらなくてはならないというのでかなりやるべき事が周りと比べても多く、きちんと計画性を持ってやらないと絶対に受からんと周りも自分も思っていたから、来る日も来る日もいつまでにこれをやらなければいけない、今月はこれをやらなきゃいけない、だから明日やるべきことはこれだと手帳などに書き出して整理していた。おつむが弱いので文字に起こさないとこういうことを整理できない。なんとか受かってよかった。
今もそれをしないと上手く物事を進められないのだが、そもそもこの計画したり整理したりするのにかなりエネルギーが必要である。いや、たぶんこんなことに労力を割かずに頭の中でちゃちゃっと考えてよし、OKと日々やるべきことをこなしているのがごく一般的な東大生のレベルのはずなのだが、私はどうもここで一旦座り込んで地面に木の枝で図を描きながらひとり作戦会議をしてからでないと行動に移れないタイプらしい。でもここ数年、ここで座り込んだが最後なかなか立ち上がれないのである。

内心焦っていないかと言われると、焦ってはいることがほとんどだから、頭のどこかにものすごい形相で地面に計画表を書き殴っている自分がいる。何もする気が起きなくてベッドに横になっていても、そうやってガリガリ地面を引っ掻いている音がバクバク言う心音になって頭に響いて焦燥感だけが募る。でもやはり起き上がれないときは起き上がれずにただ寝返りを打ってそのまま無駄な眠りにつく。

文字に起こしてみることで頭のまともな部分に起きてもらえないかと思ったが多少は効果がありそうである。このまま順調に手帳に計画を立てて、バイトを片付けて、明日は学校に行って……

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