digり(10月)

 最近またいろいろdigるようになったので紹介する。凄く有名なアルバムとかでも、最近聴いて良いと思ったら載せている。
①i'm standing nowhere - bloodthirsty butchers (1993)

 ブッチャーズの2nd。初期はゴリゴリのポストハードコアとは話に聞いていたが、ドンピシャだった。ブッチャーズ特有の感情をかきみだすような切なさが緊迫感あふれるハードコアに内包されている。歌詞が抽象的なのもいい。ギターの刺々しさ、緩急とメロディも良いんだけど、ベースプレイの奥行き感が半端ない。ハードな冒頭2曲に続くAlligatorの煮え切らない感覚はなぜか泣ける。5曲目「Room」は大名曲。それまでもブッチャーズはかなり好きだったけど、これを聴いて一気にその気持ちが強くなった。FugaziとDinosaur Jrに似た要素、感覚を持ってるけど、このアルバムから得られる感情は替えが効かない。
https://youtu.be/4WuCE96zX3k?si=yvWT9lDc1B-9oJ2_

②Unhindered By Talent - Sore Throat (1988)

 UKのグラインドコア。このジャンルでは黎明期の作品なのだが、このバンドは徹底した反商業主義で、ノイジーで攻撃的なのと同時にシニカルさを持ち合わせていると思う。2秒で終わるようなのが5回はある気がするし、途中に数曲おふざけ曲もあるが、そういうのも含めて高度なセンスでまとまっているように感じる。

③The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators - The 13th Floor Elevators (1966)

 サイケと銘打ってはいるけど、全体的にはサイケデリックなガレージロックという感じ。パンクにつながるようなロックンロールの感覚と、強い酩酊感を持ち合わせている。ゆらゆら帝国やThe Doors、Velvet Undergroundとかが好きな人には刺さると思う。そういうバンドが大好物の僕にももちろん刺さった。ところでほとんどの曲でずっと「ポコポコポコポコポ、ポコポコポコポコポコポコポ、、、」と鳴っているけど、何なんだろうこの音は。この時代のロックは意味不明な音が入っていることが多い。70年代になってくると、Pink Floydみたいに意味不明な音をコントロールしだす連中が出てくるのだが…

④I know where we're at, not where we're going - widowdusk (2022)

 カリフォルニアのScreamo(Scramz)バンド。ハイテンポで畳み掛けることはあまりせず、スローテンポに激情を乗せている。ギターは歪みつつも広がりのある音で、ローファイでどこか優しさを感じる。こういう広がるような音像でスローなScreamoだとCatalyst…にも近い印象があるが、こちらのほうがより音がぼやけていて、森の中にいるようなサウンドだ。以前大阪の難波ベアーズにディーエリを呼んでくれたHouse of the blood choirにも近いものを感じる。
https://widowdusk.bandcamp.com/album/i-know-where-were-at-not-where-were-going

⑤y.c.d.w.y.w.w.y.g.e - Nymb (1999)

 シカゴのバンドらしい。サブスクだと「The Glass Eyes」というタイトルになっている。HumやDeftonesを思わせるブワッと広がるギターとエモーショナルなリズム隊に激情型のボーカルが乗る…と思わせて、クリーンの女性ボーカル。美しいメロディを力強く歌い上げる中に悲壮感を感じる。Deftonesみたいと書いたがコードの使い方とか広がり感の出し方が近いというだけで、音色は全然違う。こっちのほうがブライトなサウンド。でも、どこか悲しさや孤独を感じさせる不思議な音だ。
今回書いた中でもかなりいい出会いだったかも。

https://dupagecountyhardcore.bandcamp.com/album/y-c-d-w-y-w-w-y-g-e

 以上。前からいいと思ってたアルバムやアーティストは別でまとめて紹介したい。

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