【前編】個人美容室経営者orフリーランス美容師向け】小規模事業者持続化補助金の事業計画書作成マニュアル|全2回採択済み
今回は個人美容室経営者orフリーランス美容師向けの「事業計画書作成マニュアル」として、実際の申請資料を元に事業名や項目を一部変えはするものの、基本的にマニュアルとして使えるレベルのものを記事に残してみたいと思います。
補助金制度の説明
まずは全く今回の補助金について知識のない方に向けて、簡単に説明を行います。すでにご存知の方は読み飛ばしてください。
小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者が経営計画を作成し、その計画に沿って行う販路開拓の取組等を支援します。
対象者
常時使用する従業員が20人(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は5人)以下の法人・個人事業主の方
内容
小規模事業者が変化する経営環境の中で持続的に事業を発展させていくため、経営計画を作成し、販路開拓や生産性向上に取り組む費用等を支援します。
<取組例>
チラシ作成、ウェブサイト作成、商談会への参加、店舗改装 等
<補助率>
3分の2
<補助上限額>
・50万円(単独申請)
・500万円(※共同申請(複数の事業者が連携して取り組む共同事業))
※「1事業者あたりの補助上限額50万円×連携する事業者数」が補助上限額となります(最大10者まで共同申請可能)
<公募スケジュール>
第6回締切:令和3年10月1日(金)
第7回締切:令和4年2月4日(金)
※第7回受付締切後も申請受付を継続し、複数回の締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、採択発表を行います(制度内容、締切日の予定は変更する場合がございます。)。
申請資料の数と作成について
上の画像は補助金申請サイトの画面キャプチャーを貼り付けています。申請するためには様式1から5までの様式を作成する事になります。すべての様式には記載例があります。
このように各様式の記載例を参考に資料作成を行うのですが、この記事では「個人美容室経営者・フリーランス美容師」のマニュアルとして様式2−1を作成していきます。
その他の様式については、補助金サイトの記載例でカバーできる内容です。
事業計画書の構成
経営計画書兼補助事業計画書1 (様式2-1:単独1事業者による申請の場合)
<応募者の概要>について
過去3期分の書類を用意する
はじめに事業者情報を埋めていきますが、直近1年間の売上高と売上総利益を記入する項目があります。書類作成に取り掛かる前に過去3期分の書類を用意することをお勧めします。
理由はこの後に続く事業計画書に過去3期分の売上推移を示すので、手元に用意をしてください。(開業して1年未満の方は、月に変換します。)
この部分は、必要項目を埋めて完了します。
経営計画と補助事業計画
まず「経営計画」は現在行なっている美容室事業またはフリーランス美容師としての事業内容を項目に合わせて記入します。
次に「補助事業計画」は補助事業として取り組みたい内容を項目に合わせて記入します。
簡単に数行で説明しましたが、この二つの部分で主に審査されます。(書類不備や経費部分の計算間違いは除く)ぱっと見で「なんだかやれそうかも」と思われた方、ぜひトライして見てください。細かくマニュアル活用できるよう次に説明していきます。
1.企業概要(例として文章で書いていきます)
Aサロンは20XX年X月開業、渋谷・原宿に訪れる10代から30代の年齢層で、おしゃれなヘアスタイルを求めるお客様に、最新ヘアスタイルを提案し髪を通して毎日の暮らしがより充実した時間になるよう、技術提供する美容室を開業。(または、フリーランス美容師として事業開始)
【主なメニューと料金】
カット0000円 カラー0000円 パーマ0000円 ストレートパーマ0000円 トリートメント0000円 (具体的にメニューと金額を示します)
【Aサロンの運営体制】
技術者0名 顧客数000名、顧客年齢00〜00 設備(席数・シャンプー台の数・営業時間・休日・フリーランス美容師なら営業時間・休日・利用サロンの設備内容・セット面数とシャンプー台数・1回のサロン利用料と1ヶ月あたりのサロン利用料・1ヶ月あたりの出勤日数)
各年の売上推移がわかる表を入れる(枠線はありませんが表だと思ってください)
【売上表】年単位で作成します。
(年) 2018年・2019年・2020年
(売上)000万円・000万円・000万円
(雑収入)支援金・給付金がある方・00万円
(合計)000万円・000万円・000万円
事業開始して1年未満である方は、月で表示しても結構です。
【1ヶ月あたりの売上と予約メニュー構成(2020年度)】
カット00名・・売上00万円 カラーリング00名・・売上00万円
パーマ00名・・売上00万円 トリートメント00名・・売上00万円
※最高月と最低月の2パターン表で示します。
【内訳】
売上の最高月は20XX年X月で最低月は20XX年X月。緊急事態宣言や不要不急の外出自粛要請の影響により、売上減少した月があり、不足分は給付金・支援金を活用し事業を行なった。平日:土休日の売上構成は平日X:休日Xとなっている。
企業概要についてのポイント
自身の行なっている事業について、数字と少量の言葉で示します。特技やコンテスト入賞などのキャリアを入れたい場合は、最小限に留めます。
---【補足】:ここから先は「オーガニック商品を使用する技術提供」を例として、計画書を作成します。内容は、ご自身の得意分野がオススメです。(カット・カラー・パーマなど)一方で、書類に目を通す方は美容技術や商品知識が少ない方かもしれません。そのあたりはわかりやすく・簡潔に・事業内容で「この人の事業は効果が見込める」と伝わるように工夫すると良いと思います。---
2.顧客ニーズと市場動向
昨今の美容室は得意分野を活かした技術メニューが増加しており、当サロンは「オーガニック商品にこだわった美容技術」で、お客様に来店いただいている。顧客ニーズとしては、科学成分が少ない美容商品・美容技術を求めるお客様に向けて、植物由来成分で作られたカラー剤やトリートメントでヘアスタイルを提供し、顧客様を中心に事業を行なっている。また、新規集客活動として当サロンのSNSやウェブサイトを通して来店につなげており、事業を行いながらオーガニック商品を使用することで環境に優しく環境問題にも貢献している。
【競合他社の状況】
MAPに自店と得意分野が似ている他サロン情報を入れる。
競合他社として、当サロンと同エリアに0店舗あり、メニューと価格はカット00円カラー00円トリートメント00円で営業している。当サロンと比較してお客様の支払う金額は(高いor安い)が、スタイル提案などで集客につなげていると予測する。
【市場動向】
昨年から続くコロナウイルスの影響もあり、この時期にあたらしい美容室探しを行うお客様は、通常期と比較して少ない傾向にある。したがって、すでにオーガニック商品を使用した美容技術提供を受けたいお客様と、他店に通っていたお客様で、コロナの影響により美容室が休業または閉店の影響で美容室探しを行なっているお客様が主な見込み客となる。
新規客獲得は、他美容室との取り合いで一層厳しくなるが、当サロンのウェブサイト・SNSからの集客を継続しつつ、XXXの条件(価格・立地条件・人数・メニュー内容・提供体制など当てはめる)を活かして、当サロンの強みをアピールし、さらに今回事業計画の「グーグル広告(リスティング広告)」を活用することで事業の立て直しを図りたい。
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
SWOT分析を表で示すことで「強み・弱み・機会・脅威」を端的に示します。
【強み】
オーガニック商品を使用した美容技術を00年行なっている。
XX認証オーガニック商品を00会社から安定的に仕入れ可能。
新規客のリピート率が00パーセント
SNS・ウェブサイトで月00名集客を行えている
【弱み】
PR不足による新規客獲得の減少
経費削減目的で有料リスティング広告を運用していない
オーガニック商品を使用した美容室としての認知不足
個人事業による資金力不足
【機会】
元々オーガニック商品に興味のあるお客様
SNS・ウェブサイトからの問い合わせ
近年のオーガニックブームの影響
【脅威】
コロナウイルス等の外的要因による市場・来店の縮小
競合他社の積極的なネット広告とPR活動
ネット広告以外のクーポンサイトを利用した集客活動
【サロンの強みとメニュー内容】
当サロンは、オーガニック商品を使用したカラーリングを1回0000円から、トリートメントを0000円から提供しており、カットのみで来店したお客様でも気軽にオーガニック商品をお試しで体験することができる。また、通常美容室とは異なり、一般的な化学系カラー剤・ブリーチ剤使用は行わずに全ての美容技術を提供してい点がお客様に評価されている。
【事業経営の工夫】
オーガニック商品は近年認知されてきてはいるものの、お客様は商品知識が豊富なわけではない。そこで仕入れ業者と共に「わかりやすいカラー剤の色味やトリートメントの効果がわかる資料」をサロンでお客様に見せることで、各商品の効果や自然由来の成分など理解していただく取り組みを行なっている。結果、価格に対して理解と満足度向上が生まれ、次回以降のリピートに繋がる。また、多くのお客様が同じメーカーの商品を使用いただくことで、商品割引率が増加し、経費削減につながっている。
オーガニック商品画像・商品説明(短文で)
お客様に見せる資料画像・商品説明(短文で)
店内の様子画像・説明(短文で)
仕入れ業者への商品注文数と金額
直近の1期分・商品名・数量・価格・合計を表で示す
今回はここまで「4.経営方針・今後のプラン」は次回、記事にしたいと思います。
ここまで「オーガニック商品」を軸に具体的な内容で事業計画を作ってきました。そして、軸に対して「グーグル広告」を補助事業として繋げる作業がこの先になります。
軸となるものは、「ブリーチカラー」でも、「トリートメント」でも、特殊なカット技法などでも結構です。
軸とする内容を自分にあった分野に取り替えて事業計画書を作成しても結構だと思います。
また、次回つづきを作っていきたいと思います。