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いまこそ読みたい、今野晴貴『生活保護』
今野晴貴『生活保護・知られざる恐怖の現場』ちくま新書
今日本では、どのくらいの人が生活保護の生活レベル以下で暮らしていると思いますか?
なんと、4人に1人が生活保護以下のライン以下の生活をしているのです。
しかし、そのほとんどが生活保護を受けられていないのが現状です。
この「生活保護ライン」以下で生活している人のうち、実際に生活保護を受けている人の割合は、15.3%~18%と言われています。
では、なぜこれほどまでに低い数値にとどまっているのでしょうか。
原因は様々ですが、特に、生活保護受給者に対するバッシング、違法行政の存在があります。
本の紹介
そのような受給者にたいするバッシングや違法行政など、様々な観点から迫った文献として、今野晴貴『生活保護・知られざる恐怖の現場』を紹介したいと思います。
この本では、生活保護の運用の実態や、今後の改革の必要性、その方向性などが示されています。
本の内容に深く立ち入ると冗長になってしまいますので、まずは自分で手に取って読んでみてください。
ただ一つだけ紹介しておきたいのは、行政によるあまりにも残酷な「水際作戦」というものの実態です。
これは、生活保護を受けられるはずの人に対して、行政が生活保護を受けさせまいと違法行政をするものです。
また生活保護を受給した後でも、執拗な就職圧力などにより、生活保護を辞めさせようと行政が働きかけることも同時に行われることがあります。
『生活保護』を読むべきワケ
さて、今回私がこの本を薦めた大きな理由があります。
それは、現在のコロナ危機による影響で、多くの人が貧困に陥り、もともと困窮状態にあった人に追い打ちをかける中で、生活保護の必要性が急激に上昇しているからです。
営業自粛により、収入が途絶えたり、収入減を理由にした解雇、失業が増えたりしています。
また、休業補償が発生する場合も、企業側がその義務を怠り、とくに非正規雇用者の中で貧困が広がっています。
そんななか、従来のような生活保護の運用では今貧困状態にある人を救えませんし、
この危機が去ったとしても、その影響が長期化する中で生まれる新たな貧困も放置することになってしまいます。
今こそ、生活保護の運用やそれを行う体制を抜本的に見直し、今目の前で生存が脅かされている人たちの人権を守るタイミングです。
そのためにはこれまでの生活保護の様々な実態や、その背景にある構造に踏み込んで考えなくてはなりません。
そのエッセンスを得るために最適な本を今回紹介しました。
生存を守るセーフティネットとしての生活保護。
いま、その在り方の変革が求められています。
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