林檎の妖精 #22
あれからどれくらい時間が経っただろうか。
琴は飽きずに窓の外をずっと眺めているが、特に不安に感じている様子もなく、移り行く景色を目で追いながら笑っている。
(そろそろ駅に着く頃だろうか・・・。)
前に一度来ただけなのに、何だかそんな気がした。
列車が徐々にスピードを落としていく。もうすぐ到着だ。
何だか緊張してきた。
「琴、駅に着いたから降りるよ。」
「は~い。」
手を繋いで、ゆっくりと駅に降りた。
見るもの全てが不思議な色や形をしている。変わった木、変わった花、変わった建物。
間違いない・・・ここだ。
「わぁ~、凄いねぇ~!」
琴は周りを見渡しながら、目をキラキラさせている。
「琴、もしかしたらここにイシキュアマナムがいるかもしれないよ。」
「そうなの!?」
「まだ分からないけど、お父さんと一緒に探してみようよ。」
「うん、わかった!!」
琴と一緒に歩き始めた。
歩き始めたはいいものの、どこを目指そうか・・・。
「琴、イシキュアマナムがどこにいるか分かる?」
「ん~とね、イシキュアマナムは暗い森にいるんだよ。」
確かに、前にそんなことを言っていたな。
「森か・・・じゃあ、まずは森がどこにあるか探してみようか。」
更に歩き続けた。
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。