林檎の妖精 #25
私も小走りに近付いて声をかけた。
「あなたが、イシキュアマナムですか・・・?」
突然名前を呼ばれて少々驚いた表情を浮かべていたが、すぐに微笑んでゆっくり頷いた。
琴はニコニコしながら抱きついていたが、すぐ近くに花畑をみつけて走り出した。
「お母さんにあげるお花を取ってくるね!!」
よく見ると、花畑の所にもイシキュアマナムがいる・・・いや、琴と同じくらいの背丈だ。イシキュアマナムの子供だろうか?
(・・・どうして私の名前を?)
「え?」
(あ、驚かせてすみません。私は喋ることが出来ないので、あなたの頭に直接話しかけています。)
「そうだったのですか・・・」
(なぜ、私の名前をご存じなのですか?)
「あの子・・・琴っていうんですけど、この前あなたを絵に描いて教えてくれたんです。」
(そうでしたか・・・私のことを覚えてくれていたのですね。)
イシキュアマナムは琴の方を見て、微笑みながらも目に涙を浮かべている。
「あの・・・あなたは、琴とどこで会ったんですか?」
(・・・ちゃんとお話しをしないといけませんね。)
「ずっと昔からの友達だって言っていたんですが、私には何を言っているのか分からなくて」
(・・・すべてお話しします。)
Created by Ryohei Osawa
こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。